株式会社帝国データバンクは、上場する外食主要100社の値上げ動向について調査と分析を行いました。
今年値上げに踏み切った企業は約3割
上場する外食主要100社における、2024年の価格改定計画(値上げ、実施済み含む)を調べると、4月15日までに値上げを表明したのは約4分の1となる26社でした。値上げが本格化した22年は58社が、23年は49社が値上げに踏み切っているので、減少傾向にあるようです。
26社のうち17社は、前年に引き続き今年も値上げに踏み切った企業でした。ハンバーガーやうどん、牛丼など比較的メニュー単価の低い「低価格チェーン」での値上げに加え、客単価が高額な一部コース料理にも値上げが広がったといいます。
一部企業ではエリア別の料金設定を導入したり、24時間営業の店舗で深夜料金を導入したりと、店舗の立地や時間帯によって提供価格が変化する「変動価格」の導入事例もみられました。
値上げの要因とは?
値上げを表明した26社の値上げ要因をみると、食材などの「原材料」を要因とした値上げが18社(69.2%)と最多。次いで「人件費」と、水道光熱費などの「エネルギー」がともに12社(46.2%)でした。アルバイト・正社員スタッフの確保を目的に賃上げなどを行う企業もあるようです。
2024年問題などによる物流コストの上昇を受け「物流費」(10社・38.5%)との回答もあったほか、テナント料の引き上げや、円安による仕入れ負担の増加などもみられました。
前年同月と比較した既存店客数が比較可能な51社を対象に、前年同月からの増減平均を算出すると、2023年以降すべての月で前年を上回る水準でした。
23年中に値上げを実施した外食企業では、全体に比べると下回る月が多く、来店客数の伸びに鈍さもあったものの、全体同様すべての月で前年を上回りました。値上げによる客足への悪影響は、限定的なものにとどまっているようです。
<参照>
主要外食100社、今年「値上げ」3割にとどまる 昨年から社数半減、値上げの勢い鈍化
【関連記事】
物流・運送業経営者への意識調査 「2024年問題」に「先行きは厳しい」という予測が7割超え
2024年には、さまざまな働き方改革が行われ、労働者にメリットがある改革も多く存在しました。一方で、経営者側は労働条件が厳しくなることで「2024年問題」と呼ばれる人件費高騰を中心とした問題に直...
物価上昇に苦しむ人が大多数 ガソリン価格をめぐるトリガー条項凍結解除など物価高対策への所感も調査
政策活動やリスクマネジメントのコンサルティング業務を行う紀尾井町戦略研究所株式会社は、「物価高に関する意識調査」を実施しました。 実質賃金は2年連続でマイナスとなっているなか、物価高により...
今の年収、満足してる? みんなの副業収入はどれくらい? マイナビ転職「正社員の賃金不満と副業の意識調査」
物価高が続くなか、勤務先の賃金に不満を抱いている人もいることと思います。実際に副業をしている人の年収はどれくらいなのでしょうか。 マイナビ転職では、正社員800人を対象に「正社員の賃金不満...
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう