政策活動やリスクマネジメントのコンサルティング業務を行う紀尾井町戦略研究所株式会社は、「物価高に関する意識調査」を実施しました。
実質賃金は2年連続でマイナスとなっているなか、物価高により生活に打撃を受けた人の割合が、2022年の調査結果から16ポイント増加しています。
物価高を実感している人たちの所感
2年前に比べて物価高による生活への影響を「かなり感じている」「ある程度感じている」という人は合計で約9割となり、年収が低いほど感じる傾向が高いとのことです。
物価上昇を感じる場面は、「食料品の購入」が89.7%で最多、「日用品の購入」67.8%、「電気、ガスなどの光熱費」59.1%となりました。
物価高騰対策として実施していることは、「ポイントやクーポンの活用」61.8%、「ディスカウントストアなど安売りのお店で買う」45.4%、「食費の削減」45.1%との結果に。
消費者庁によると、物価高の原因は、新型コロナウイルスの感染拡大によりモノやサービスの提供が滞ったことや、ロシアのウクライナ侵攻だといいます。
生活必需品が値上げしたため、物価高を実感して対策を講じる人は多いようです。
また、物価上昇が今後も続く期間についての質問では、47.8%の人が「1年以上5年未満」と回答しました。
消費者庁|物価が上がっているけど、消費者の私たちはどうしたらいいの?
物価高対策の政策に関する調査
物価高対策の一助として、政策に期待を寄せている人は少なくありません。原油や天然ガスなどのエネルギー資源も軒並み高騰しており、ガソリン代は「燃料油価格激変緩和補助金」という通称ガソリン補助金で価格調整を行っています。
なお、ガソリンは価格の大部分が税金であるため、減税を行い価格を抑えるほうがよいと考えている人が本調査で過半数を超えていました。
本来は、ガソリンが一定価格になると減税を行う「トリガー条項」という仕組みがありますが、東日本大震災の復興のための税収確保を理由として、このトリガー条項は凍結されています。
トリガー条項の凍結解除についての意見では、「凍結解除し、補助金も継続すべきだと思う(40.3%)」「凍結は解除するが、補助金継続は必要ないと思う(25.1%)」と、解除に賛成している人が65.4%にのぼりました。
物価高対策と国家財政規律の維持に関しては、「物価高対策」を優先すべきとした人が62.2%を占めています。
調査概要
調査期間:2024年2月14日(水)
調査機関(調査主体):紀尾井町戦略研究所株式会社
調査対象:全国の18歳以上の男女
有効回答数(サンプル数):1,000人
調査方法(集計方法、算出方法):インターネット上でのアンケート
調査レポートの詳細:https://ksi-corp.jp/topics/survey/2024/web-research-64.html
<参照>
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000078.000065702.html
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