「取引先への書類送付が遅れた」「提出期限を忘れてしまっていた」など、書類の郵送や提出が遅れてしまった場合、送付状やメールには、お詫びの言葉が欠かせません。
本記事では、書類などの提出遅れをする際に気をつけておきたいポイントや、書類の送付状やメールに用いるお詫びの言葉、誠意が伝わる文章の書き方などを例文付きで説明します。
- 提出遅れをする際の5つの注意点
- 提出が遅れたときのお詫びメール、送付状の書き方
書類の郵送、提出が遅れたときの5つの注意点
提出しなければいけない書類の郵送や提出が遅れてしまったときには、慌てて提出したいところですが、相手の信頼を得るために注意しておきたい5つのポイントがあります。
起こってしまったミスは、どのようにリカバーするのかが重要です。ミスを反省しつつも、取引先の信用を失わないようにするための方法を知っておきましょう。
1.提出が遅れる場合はできるだけ早めに連絡をする
提出が遅れることがわかった場合は、できるだけ早い段階で連絡をすることが重要です。
遅れそうになっても「今から頑張ったらギリギリ間に合うかな……」と、遅れそうなことを報告しない方もいらっしゃるでしょう。しかし、提出日になってから「遅れます」と報告することは、先方に迷惑がかかってしまいます。
数時間でも遅れる可能性がある場合は、「もしかしたら遅れてしまう可能性がある」ということをできるだけ早い段階で伝えておくことがマナーです。
- お世話になっております。◯日提出の◯◯について、15時が期限でしたが、資料の準備に想定以上の時間を要しており、時間を過ぎてしまう可能性があるため連絡いたしました。時間通りに提出できるよう努めますが、万が一遅れる場合は17時までに提出いたします。ご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。ご確認のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
2.提出がいつ頃になるのかを報告する
提出が遅れることを伝えるだけでは「遅れるのはわかったけれど、いつ届くの?」と相手を不安にさせてしまいます。
必ず、「◯日の◯時までには提出します」と、期限の目安を伝えるようにしましょう。
できるだけ遅れを少なく伝えたいがために、無理な期限を設定してしまいがちですが、新たに設定した期限までも遅れてしまった場合、大きく信用を失ってしまいます。
新しい提出期限は、できるだけ無理のない現実的な日時を伝えるようにしてください。
3.遅れの理由は事前に電話で説明しておく
書類の郵送や提出を遅れたときには、メールだけではなく、できるだけ電話で遅れていることをお詫びし、理由を説明することがおすすめです。直接電話で伝えることで、より真摯に対応している印象を与えられます。
重要な書類の場合は、先方も「提出日ギリギリなのに連絡がこないな」と不安に思っている可能性もあります。先方からリマインドされる前に、自分から状況を伝えるようにしてください。
また、社内書類の提出が遅れる場合は、すぐに上司や提出先の人に「遅延の旨と遅延理由」を伝えておきましょう。
簡単な書類なのに遅れている場合、先方は「多分忘れているだろうな」とわかっているケースがほとんどです。
無理な言い訳をすると油に火を注いでしまい、かえって逆効果になってしまう恐れがあります。決して言い訳はせずに「失念しておりました」「私の不手際です」と自らの非を認め、誠心誠意お詫びするようにしましょう。
4.送付状・メール文ではお詫びの言葉を最小限にする
郵送しなければいけないものの提出が遅れている場合、すぐに郵送したい気持ちはわかりますが、郵送で書類を送付するのは書類の郵送、提出が遅延した理由を電話で説明した「後」です。
書類に同封する送付状には、長々と遅延の理由を説明することは不要です。相手に確認の手間をとらせるだけでなく、「長文の送付状を用意する時間分、早く送ってほしかった」と思われる可能性もあります。
送付状でのお詫びの言葉は必要最低限にして、ビジネスレターとして適した文章を作成しましょう。例文を後ほど紹介するので、参考にしてみてください。
また、上記と同様の理由で、書類を郵送した後に送るメールにおいても長々と遅延の理由を記す必要はありません。
5.郵送後にお詫びメールを送る
書類の郵送や提出が遅れた場合、郵送後に送付状とは別にお詫びメールを送りましょう。
メールには郵送した書類を「いつ発送して、いつ到着するのか」まで記載します。追跡番号がわかっている場合は相手に伝えておくこともおすすめです。
また、社内で書類提出が遅れた場合、お詫びメールと提出書類を同時に送ります。
「社外向け・郵送遅延の謝罪メール」と「社内向け・提出遅延のお詫びメール」の文例を参考に、しっかりと相手にお詫びの気持ちを伝えましょう。
【例文】書類の郵送が遅れたときのお詫びメール
提出が遅れたときには、失敗のない伝え方でメールを送りたいですよね。そこで次からは、書類の郵送が遅れたときのお詫びメールの書き方について確認しておきましょう。
社外向けの例文
提出が遅れたことをメールで謝罪する際には、件名を見ただけで「遅れたことに対するお詫びメール」だと伝わるように執筆しましょう。
- 件名:◯◯の提出遅れのお詫び
本文:
株式会社△△
△△部 △△課 △△様平素より大変お世話になっております。
株式会社☓☓の☓☓です。先日は◯◯(資料、書類名)の郵送が遅れまして、
誠に申し訳ございませんでした。郵送が遅延していました書類につきましては
本日郵送が完了し、○月☓日(曜日)に到着する予定です。書類郵送の遅延により貴社に大変なご迷惑をかけてしまいましたこと、
心よりお詫び申し上げます。今後このようなことがないように十分留意してまいります所存です。
大変恐縮ではございますが、何卒ご容赦くださいますよう、お願い申し上げます。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
社内向けの例文
社内向けに送る場合は、お詫びのメールと同時に提出してもOKです。しかし、遅れることがわかった時点で直接知らせておくようにしましょう。
- 【件名】
【◯◯添付】◯◯遅れのお詫び【本文】
△△部 △△課 △△△様お疲れさまです。☓☓部の△△です。
◯◯(資料、書類名)の提出が遅れまして、
誠に申し訳ございません。本メールにて◯◯を添付しております。
ご確認を、どうぞお願いいたします。今後は提出が遅れないように十分留意してまいります所存です。
引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
提出が遅れた場合の送付状の書き方
送付状としてお詫びの文面を作る場合には、メールよりも丁寧に文章を作る必要があります。送付状やお詫びの手紙を書くことはあまり多くないため、「どうやって書いたら失礼にならないのかわからない」という方も多いでしょう。
今回紹介する送付状の書き方のポイント例文を元にして、お詫びの気持ちが伝わる送付状を作成してください。
「時候の挨拶」は省略する
送付状を作るときには、「時候の挨拶」を入れることが一般的です。しかし、お詫びの送付状は急ぎの書状になるため、「時候の挨拶」は省略するのが無難。「晩春の候」などと書くと、悠長でのんきな印象になってしまうからです。
また、頭語は「謹啓」を使うことがおすすめです。一般的に利用される「拝啓」よりあらたまった印象を与えられます。普段使わない言葉を使うことによって、「深くお詫びしている態度」を表現できます。
「拝啓」を使う場合、結語は「敬具」になるように、頭語にはそれぞれセットとなる結語が存在します。「謹啓」を頭語とした場合、結語は「謹白」です。きちんと頭語と結語がセットになっているか確かめた上で、封をしてください。
送付状に書くべき「お詫びの言葉」
送付状に書くべきお詫びの言葉は、簡潔にまとめることがポイントです。「大変遅くなり、申し訳ございません」「私の不手際で遅くなりましたこと、心よりお詫び申し上げます」「書類送付が遅くなりまして、大変御迷惑をおかけいたしました。深くお詫び申し上げます」などが挙げられます。
- 「大変遅くなり、申し訳ございません」
- 「私の不手際で遅くなりましたこと、心よりお詫び申し上げます」
- 「書類送付が遅くなりまして、大変御迷惑をおかけいたしました。深くお詫び申し上げます」
心がけておきたいのは、通常のビジネスレターよりも丁寧な語調にすること。
例えば「申し訳ありません」よりも「申し訳ございません」のほうが、お詫び状やお詫びメールには適切な語調になります。
【例文】お詫びの言葉を綴った送付状
では実際に、お詫びの言葉を綴った送付状の例文を確認しましょう。
- 謹啓
時下ますます御清祥の御事とお慶び申し上げます。
平素より格別なお引き立て(御愛顧)を賜り、誠にありがたく御礼申し上げます。さて、大変遅くなりましたが、以下の書類をお送り致します。御査収賜れば幸いでございます。
今回は私の不手際で御迷惑をおかけ致しましたこと、深くお詫び申し上げます。
今後とも相変わらぬお付き合いを賜りますよう、伏して(心より)お願い申し上げます。
謹白
「格別なお引き立てを賜り」の部分は「御愛顧を賜り」。「伏してお願い申し上げます」は「心よりお願い申し上げます」と変更することもできます。相手との関係性や、謝罪の程度によって適切な言葉を使うようにしましょう。
提出遅れが発生した場合は、前後の対応がポイント
- 提出が遅れそうになった場合は、できるだけ早くに連絡をする
- 遅れる理由は事前に電話で説明する
- お詫びのメールや、送付状は簡潔に謝罪する
本記事では、書類の送付が遅れてしまった際のポイントや、送付状に書くべき言葉について、例文を交えて紹介しました。
社会人として提出書類の遅れは避けたいところですが、もし遅れてしまった場合は、本記事を参考に誠意のある対応を心がけましょう。
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