内閣府は12月7日(木)、景気の現状を把握し、今後を予測する指標である「景気動向指数」について2023年10月の結果(速報値)を発表。
景気の現状を示す「一致指数」が9月と比較して0.2ポイントのプラスで、3カ月連続で上昇する結果となりました。
内閣府は日本の景気について、拡大の可能性が高いことを示す「改善」という判断を示しました。
景気動向指数って?
景気動向指数とは、生産・雇用・消費など、経済において重要かつ景気に敏感な指標をもとに算出された指数のことです。
指数の算出にあたっては、2020年の景気を100ポイントとして基準にしています(5年ごとに基準とする年は変更されます)。
景気の現状を把握し、将来の予測に役立てるために内閣府が作成しており、毎月発表される指数です。
3カ月連続で伸びた要因は?
2023年10月における一致指数は115.9ポイントとなりました。
前月の115.7ポイントから0.2ポイント上昇した要因は、生産に使う機械や建設材の生産量を示す「投資財出荷指数(輸送機械を除く)」や有効求人倍率、工業全体の生産量を示す「生産指数(鉱工業)」などがプラスとなったことです。
ただ、工業用の生産財出荷量や小売業の販売額、輸出量などが一致指数の上昇に歯止めをかけています。
先行指数は2カ月ぶりに下落
一方、数ヵ月先の景気の動きを示す「先行指数」は、9月と比較して0.6ポイント下降し、2か月連続の下落となりました。
新規求人数は増えているものの、工業用生産財の在庫率や東証株価指数、中小企業の売上げ見通しが下がっていることなどが響いています。
<参照>
景気動向指数(令和 5(2023)年 10 月分速報) 結果の概要(内閣府経済社会総合研究所 景気統計部)
景気動向指数 ― 令和 5(2023)年 10 月分(速報)(内閣府経済社会総合研究所 景気統計部)
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