記録的な猛暑が続くなか、企業の売上げにおいて明暗が分かれているようです。
帝国データバンクは「TDB景気動向調査」を7月に実施。記録的な猛暑が続いている2024年に売上げが伸びた商品・サービスや、企業の猛暑対策についてアンケートを行いました。
調査結果では、猛暑により業績が停滞する企業がある一方で、この厳しい気象条件がチャンスとなり、売上げを伸ばしている企業も存在することが明らかになりました。
「猛暑」で売上げアップした企業は1割
売り上げが伸びている業界が分かったところで、「どんな商品・サービスが好調なの?」と気になってくるのではないでしょうか。
具体的に、どのような商品・サービスで売上げが伸びているのか見てみましょう。
「自社が手がける商品・サービスのなかで、2024年の猛暑をきっかけに売上げが伸びたものはあるか」を質問すると、「ある」と回答した企業が11.4%で、「ない」と回答した企業が80.5%という結果に。
およそ1割の企業が2024年の猛暑をきっかけに売上げを伸ばした商品・サービスがあることが分りました。
さらに、業界別で「ある」と回答した企業割合をみると、最も多かったのは「小売」が30.5%で、全体(11.4%)を19.1ポイント上回りました。次に多かった「卸売」は20.1%でした。
意外なところで効果が……?
具体的にどのような商品・サービスで売上げが伸びているのでしょうか。
売り上げが最も上がったものは、エアコン販売・空調設備工事などを含む「エアコン・空調関連」だといいます。
また、猛暑によって車移動が増えたことで、カーエアコン使用時間・頻度の増加による「カーエアコン修理」収入や、燃費の悪化による「ガソリン」売上げの増加もあったようです。
また、夏休みを迎えたことで、「プール殺菌消毒剤」や「屋外プール宿泊プラン」など「レジャー・宿泊関連」が好調だといいます。
一方で、猛暑による外出控えで「オンラインセミナー」「オンライン教室」収入や、「室内遊びのゲーム・ジグソーパズル」においても、売上げが伸びた企業があったそうです。
企業の約9割が猛暑対策を実施
猛暑の日に注意が必要なのは、熱中症をはじめとした体調不良。同調査では、企業の「猛暑対策」についても質問しました。
その結果、「今年の猛暑を受けて、自社で行っている対策(検討含む)」について複数回答で質問すると、最も多かった回答は「健康状態の把握(47.9%)」と半数近くに達しました。
次いで、「水分・塩分補給品や冷却商品の支給(46.1%)」、「クールビズの実践(制服や作業服の変更などを含む)(44.0%)」、「扇風機やサーキュレーターの活用(43.3%)」と、いずれも4割台の企業が暑さ対策グッズなどを取り入れていることが分かりました。
稼働時間関連の対策は低水準だったものの、約9割の企業が猛暑に対して何らかの対策を行っていることが分かりました。
<参照>
10社に1社が「猛暑」で売り上げアップ 『エアコン』『食品』が好調 「ガソリン」にも波及 9割が猛暑対策を実施、「グッズ支給」「クールビズ」「設備・備品の充実」も上位に
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