日本商工会議所と東京商工会議所は、中小企業の賃金改定に関する調査を実施しました。
物価上昇や人手不足を背景に賃上げの機運が高まるなか、雇用の7割を支える中小企業の賃上げの実態を把握するため、1,979社を対象に調査を行ったとのことです。
全業種で半数以上が「賃上げ」実施予定
2024年度に「賃上げを実施予定」とする企業は74.3%に上り、1月の調査時から13.0ポイント増えました。そのうち59.1%の企業は業績の改善が見られないが賃上げを実施する「防衛的な賃上げ」と回答したそうです。
従業員数20人以下の企業では「賃上げを実施予定」が63.3%と全体を下回る値に。日本商工会議所は「規模の小さな事業所では、賃上げの動きやや鈍く、厳しい状況」と分析しています。
「賃上げを実施予定」とする企業を業種別に見ると、卸売業、製造業は8割を超えました。最も低い医療・介護・看護業でも52.5%で、全業種で半数以上が賃上げを実施する予定だということが明らかになりました。
正社員、パート・アルバイト等の賃上げ率は?
正社員の賃上げは、賃上げ額(月給)が9,662円、賃上げ率が3.62%(いずれも加重平均)で、業種別ではその他サービス業と小売業が4%台と高い結果に。一方で、運輸業、医療・介護・看護業は2%台にとどまりました。
パート・アルバイトなどの賃上げは、賃上げ額(時給)が37.6円、賃上げ率が3.43%(いずれも加重平均)。
正社員で賃上げ率の低かった運輸業、医療・介護・看護業が4%台後半で、逆に高かったその他サービス業は2%台後半、最低賃上げ率は情報通信・情報サービス業の1.97%でした。
調査概要
調査地域:全国47都道府県
調査期間:2024年4月19日(金)~5月17日 (金)
調査方法:各地商工会議所職員による調査
回答企業数:1,979社
回収商工会議所数:380商工会議所
調査主体:日本商工会議所、東京商工会議所
詳細な調査結果はこちらから
<参照>
「中小企業の賃金改定に関する調査」の集計結果について~中小企業の賃上げ率は正社員で3.62%、パート・アルバイト等で3.43%~
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