厚生労働省は2月6日(火)、2023年12月分の「毎月勤労統計調査」の結果を発表。給与は2022年の同月比で1.0%上がったものの、物価の影響を踏まえて算出した実質的な賃金は1.9%のマイナスとなりました。
マイナスは、1年9カ月連続となります。
毎月勤労統計調査とは
毎月勤労統計調査とは、賃金や労働時間、雇用の変動を明らかにすることを目的に、厚生労働省が行っている調査です。
厚生労働省が無作為に選んだ全国約33,000の事業所に対して、事業内容や常用労働者数(正社員やパート・アルバイト、嘱託・契約社員などの人数)、異動状況、出勤日数、実労働時間数、現金給与額を聞き取り、作成しています。
賃金は上がっているのにマイナス……?
調査結果によると、現金給与の総額は、1人当たり平均で573,313円(1.0%増)となりました。そのうち、一般労働者が793,207円(1.4%増)、パートタイム労働者が117,784円(2.5%増)となっています。
給与が上がっても実質賃金が下がっている要因には、さまざまな食品やサービスなどで“値上げラッシュ”が続いている背景があります。
賃上げに向けた政府の方針
林芳正内閣官房長官は2月6日午後の定例記者会見で、岸田文雄首相が経済界や労働団体の代表者に対して2023年を上回る水準の賃上げ(賃金を上げること)を求めた結果、「呼応する動きが広がっている」との見解を示しました。
そのうえで、医療・介護・障がい福祉分野の報酬改定や賃上げ促進税制の強化などを通して「物価高に負けない賃上げを実現できるように引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと思います」とコメントしています。
労働時間は?
また、所定内労働時間と所定外労働時間(残業や休日出勤でかかった実労働時間)を合わせた「総実労働時間」は、1人当たり136.4時間となりました。
所定外労働時間が前年同月と比べて、3.8%減の10.1時間となったことが主な要因のようです。
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