ビジネスメールを書くときは、些細な表現でも使用していいのか不安になるものです。
本記事では、「ご無沙汰しております」の意味や使い方、「お久しぶりです」との違いなどを紹介。ビジネスメールの例文や返信メールの例文なども紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
- 「ご無沙汰しております」の意味とは?
- ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」との違いは?
- 「ご無沙汰しております」をビジネスメールで使用するときの注意点
「ご無沙汰しております」の意味とは?
久しく連絡をとっていなかったビジネスパートナーに連絡を取るとき「ご無沙汰しております」を使用する人が多いのではないでしょうか。「ご無沙汰しております」は、メールや会話の相手が立場が上の方であっても問題なく使用できます。
以下では、詳しく「ご無沙汰しております」の意味をご紹介します。
沙汰の意味
「ご無沙汰しております」という言葉は、久しく会う人に対して発する言葉であると感覚的に知っている人は多いでしょう。しかし、「沙汰」はどういう意味かについてしっかりとした返答ができる人は少ないのではないでしょうか。
幅広い意味を持つ「沙汰」は、砂を意味する「沙」+選び分けることを意味する「汰」を合わせた言葉。
「ご無沙汰しております」の「沙汰」は「音沙汰がない」の表現にも使用されます。
この意味の「沙汰」とは、「音信」「うわさ」のことを言います。
無沙汰の意味
「無沙汰」とは「沙汰が無い」ことを表します。
つまり、「音信がないこと」を表し、「ご無沙汰しております」は「長い間連絡をとっておりませんでした」というお詫びの気持ちを込めた言葉であるといえます。
「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」との違いは?
「ご無沙汰しております」と「お久しぶりです」、どちらを使用すればいいのか迷う人もいるのではないでしょうか。
「ご無沙汰しております」は、「いる」の謙譲語「おる」を使用しています。一方で「お久しぶりです」は、「久しぶり」+「です」なので、丁寧語です。
謙譲語のほうが丁寧語よりも、相手に対する敬いの気持ちが大きいので、「ご無沙汰しております」のほうが適当な表現であるといえます。
「ご無沙汰しております」をビジネスメールで使用するときの注意点
「ご無沙汰しております」は老若男女使用できる利便性の高いフレーズですが、いつでも使用できるわけではありません。
「ご無沙汰しております」をビジネスメールで使用するときのポイントを紹介するので、以下の注意点を考慮に入れて使用しましょう。
注意点1.久しく連絡をとっていなかった相手に使用する
「ご無沙汰しております」をビジネスメールで使用するときの1つ目の注意点は、久しく連絡をとっていなかった相手に使用することです。
「ご無沙汰しております」を数日前にあった人に使ってしまうと、相手は会ったことを忘れていると勘違いしてしまいます。
「ご無沙汰しております」を使っていい基準は、3ヵ月以上会っていない相手といわれています。汎用性が高いからといってむやみに使用しないように気をつけましょう。
注意点2.「お世話になっております」と使用する際は矛盾に注意する
「ご無沙汰しております」をビジネスメールで使用するときの2つ目の注意点は、「お世話になっております」と使用する際は矛盾に注意することです。
メールを書くときに「お世話になっております」というフレーズを使用する機会も多いのではないでしょうか。
「お世話になっております」は、普段からよく会い世話になっている相手に送る言葉なので、「ご無沙汰しております」と共に使用すると違和感があります。
違和感を覚えさせないためにも、併用するときは「ご無沙汰しております。お世話になっております。」のような使い方は避けるほうが無難です。
順番を変え、「お世話になっております。大変ご無沙汰しており、申し訳ございません」という表現を使うとGOOD。語尾が揃っていることから生じる幼稚さも解消されますよ。
注意点3.相手の体調や近況を気遣う気持ちを書く
「ご無沙汰しております」をビジネスメールで使用するときの3つ目の注意点は、相手の体調や近況を気遣う気持ちを書くことです。
「ご無沙汰しております。〇〇工業営業部山田太郎です」のような文章ではそっけなく感じさせてしまうことも。
長い間連絡をせずに申し訳ない気持ちを表した後は、「いかがお過ごしでしたか?」「お元気でしたか?」などと相手を思いやる気持ちを伝えましょう。
「ご無沙汰しておりましたが、お変わりありませんか?」などと一文で伝えるのも、簡潔でGOOD。
注意点4.相手が自分を思い出してくれるように簡潔に思い出を書く
「ご無沙汰しております」をビジネスメールで使用するときの4つ目の注意点は、相手が自分を思い出してくれるように簡潔に思い出を書くことです。
多くの人と連絡を取り合いながら仕事をする社会人は、相手のことを完璧に覚えるのは難しいもの。特に久しぶりに連絡を取り合う相手のことを名前だけで思い出すのは、困難かもしれません。
相手が自分を思い出してくれるような内容を添え、メールを送るとスムーズに「〇〇さんか!」と思い出してくれるでしょう。
例えば「3月に行われたXXプロジェクトの会議でお会いした山田太郎です」などと、伝えることをおすすめします。
「ご無沙汰」の間違った使い方
「ご無沙汰」を間違った使い方をしてしまうと、相手を不愉快な気持ちにさせてしまう可能性があります。
例えば「ご無沙汰です」や「ご無沙汰しています」は、謙譲語ではなく丁寧語になっているため、目上の人に使用するのは避けておくほうが無難です。尊敬語を使った「ご無沙汰しております」を使用しましょう。
また、「ご無沙汰であったのにも関わらず、連絡をいただきありがとうございます」や「お互いにご無沙汰でしたが〜」などの使い方はNG。相手が連絡をくれなかったことを攻めている表現や、お互い様であることを伝えるのは大変失礼です。
あくまで、連絡ができなくて申し訳ない気持ちを伝えるフレーズで使用することをおすすめします。
「ご無沙汰しております」を使ったビジネスメールの例文
実際のビジネスメールでは、どのように「ご無沙汰しております」を使用するのでしょうか。
以下では、「ご無沙汰しております」を使ったビジネスメールの例文を紹介。メールを書くときの参考にしてみてはいかがでしょうか。
- 株式会社〇〇 吉田様
ご無沙汰しております。4月の渋谷で行われた合同会議でお世話になりました、株式会社XXの山田太郎です。
(内容)
「ご無沙汰しております」が使われたビジネスメールへの返信例文
「ご無沙汰しております」が使用されたビジネスメールに返答する場合は、「こちらこそ、ご無沙汰しております」と返すのがマナー。
以下では、「ご無沙汰しております」が使われたビジネスメールへの返信例文をご紹介します。
- 株式会社XX 山田様
こちらこそご無沙汰しております。株式会社〇〇の吉田次郎です。
(内容)
「ご無沙汰しております」の正しい使い方を知ろう
- 「ご無沙汰しております」は久しく連絡をとってなかった相手に使う
- 「お世話になっております」と使用する際は、順番や言い方に注意
- 「相手が連絡してこなかった」「お互い様だ」と感じさせてしまう表現は使わない
本記事では、「ご無沙汰しております」の正しい使い方や意味、注意点などを詳しくご紹介しました。
「ご無沙汰しております」は、3ヵ月程度を目安に連絡をしていなかった際に使用し、相手から「ご無沙汰しております」というメールをいただいた場合は、「こちらこそご無沙汰しております」と返すようにしてください。
本記事を参考に、「ご無沙汰しております」を正しく使用してみてはいかがでしょうか。
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