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プロポーザル方式の意味は?コンペや入札との違いや、メリット・デメリットなどを紹介

U-NOTE編集部

2023/05/18(最終更新日:2023/08/27)


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プロポーザル方式の意味は?コンペや入札との違いや、メリット・デメリットなどを紹介

プロジェクトの企画提案を募集する方式のひとつである「プロポーザル方式」。民間の事業者ではあまり聞きなれない単語ですが、国や地方公共団体ではよく用いられている方式です。

本記事ではそんな「プロポーザル方式」の意味や種類について解説。入札やコンペとの意味の違いに加えて、プロポーザル方式のメリット・デメリットもご紹介します。これからプロポーザルに参加する方はぜひ参考にしてみてください。

本記事の内容をざっくり説明め
  • プロポーザル方式と入札、コンペの違いを解説
  • 公募型と環境配慮型の2種類の特徴をご紹介
  • プロポーザル方式を導入するメリットと注意点

 

プロポーザル方式とは?

「プロポーザル方式」とは、業務の委託先を選ぶ際に利用される方式のことです。プロポーザルは「提案」という意味があり、その名前の通り複数の提案から適した委託先を選びます。内容が重視されることから「企画競争」とも呼ばれています。

プロポーザル方式はさまざまな業務で採用されています。例えば、建築物の設計者やイベントの実施先を決める場合など、プロポーザル方式による事業者の募集内容は多岐にわたります。

特に、国や地方公共団体が活用していることが多く、各県のサイトではプロポーザルの情報が多く掲載されているのでチェックしてみてください。

参考:大田区「受託事業者・運営事業者の募集

 

入札やコンペとの意味の違い

プロポーザル方式と似た内容を指す言葉に「入札」や「コンペ」などがあります。どれもプロジェクトに対して提案をするような形ですが、厳密にはそれぞれ意味が異なります。正く使い分けができるよう、正確な意味を知っておきましょう。

入札との意味の違い

プロポーザルと入札はまず言葉の意味が異なります。プロポーザルが提案という意味を持つのに対して、入札は金額や条件を差し出すという意味を持っています。プロポーザル方式が提案内容を重視するのに対して、入札は主に金額が重視されます

参加者についても違いがあります。プロポーザル方式は公募の形を取る以外に参加者を指定するケースもあります。プロジェクトにより異なるので注意が必要です。一方、入札は参加資格を持つ業者であれば自由に参加することが可能です。

コンペとの意味の違い

プロポーザルが提案という意味を持つのに対して、コンペは「コンペティション」という単語で、日本語で競技会や競争などの意味を持ちます。ビジネスのシーンではビジネスコンペやデザインコンペなどで使われます。

プロポーザル方式が提案内容を吟味し、プロジェクトに対して適切な技術力や実績、経験を持つ提案者を選ぶのに対して、コンペは提案内容を重視して選びます。実績や経験、現状での技術力は問われません

 

プロポーザル方式の2つの種類

プロポーザル方式には、公募型プロポーザル方式と環境配慮型プロポーザル方式の2種類があります。一般的に広く用いられているのは公募型。環境配慮型は国や地方公共団体などの公的機関で採用されています。それぞれ違いと特徴を解説します。

公募型プロポーザル方式

公募型プロポーザル方式」とは、多くの事業者から提案を募るプロポーザル方式のことです。限られた事業者を選定して提案を募る「指定型プロポーザル方式」と比較して、公平性が保たれているのが特徴です。

公募型プロポーザルでは、提案者は発注側が公開している資料を元に企画を考えて企画書を提出します。その際、企画を考える際の金額上限やプロポーザル公募のスケジュールなども記載されているので、その内容は遵守しなければなりません。

多くの場合、募集要項に評価されるポイントや点数も開示されているので、どのような点に注意して企画を考えたらよいのかがわかります。

参考:仙台市「公募型プロポーザル方式による事業者募集

参考:「京都府公募型プロポーザル方式 事務マニュアル

環境配慮型プロポーザル方式

環境配慮型プロポーザル方式」とは、環境配慮契約法に基づき、温室効果ガスの排出削減などに配慮する内容が盛り込まれたプロポーザル方式のことです。

国や地方公共団体など、公的機関がプロポーザル方式を実施する際に用いられているのが特徴。例えば、電気の供給や船舶の調達、省エネルギーの改修事業、建築物、産業廃棄物の処理、自動車の購入および賃貸借などに関わる契約を結ぶ際などがあげられます。

参考:環境省「環境配慮契約法の概要及び基本方針・解説資料のポイント

 

プロポーザル方式を導入するメリット

民間企業では新しいプロジェクトを立ち上げる際、コンペを導入することがほとんど。コンペは過去の実績を重視しないため独創的なアイデアが生まれる可能性がありますが、一方で業務を委託するのには不安もあります。

一方、プロポーザル方式は実績を有する事業者のなかから選定を行う分、安心感があります。そのほかにも、プロポーザル方式を導入するメリットをご紹介します。

メリット1.客観的に公平な判断を行える

プロポーザル方式を導入する1つ目のメリットは、客観的に公平な判断を行えることです。

プロポーザル方式は選定委員会において審査がなされます。その際、審査は項目ごとに点数が付けられ、評価が高い提案内容が次の審査に進めます。プロポーザル方式が適切に運営されている場合、客観的かつ公平に判断を行うことが可能です。

審査基準の項目は募集要項の資料で開示されていることが多いため、提案者もその内容を理解したうえで提案書を提出できます。

参考:「美術品収蔵庫整備に係る基本調査・整備事業手法検討調査 業務委託企画提案募集要領

メリット2.委託先同士切磋琢磨し、質が上昇する

プロポーザル方式を導入する2つ目のメリットは、委託先同士が切磋琢磨し、質が上昇することです。

プロポーザル方式のほとんどは公募型のため、より多くの企業が参加します。高度かつ専門性の高い事業者がそれぞれ提案を行うので、各提案者は同業者に負けないようより優れた提案書を作成しようと考えます。それが結果として提案内容のクオリティ上昇に繋がるのがメリットです。

メリット3.設計者を選定できる

プロポーザル方式を導入する3つ目のメリットは、設計者を選定できることです。

プロポーザル方式では、提案内容や提案金額を元に発注者が事業者を選定します。内容だけでなく過去の実績や企業としての信頼度などを考慮し、多くの提案者からプロジェクトにあった設計者を選定可能。提案があった企業を知ったうえで安心して選べるのは大きなメリットです。

 

プロポーザル方式を導入する際の注意点

プロポーザル方式は、発注者・提案者ともにメリットがある方式です。ただし、メリットを享受するには2つのポイントを押さえておくことが大切。プロポーザル方式を導入する際の注意点を理解しておきましょう。

信頼関係のない会社はプロポーザル方式を通過しにくい

信頼関係のない会社はプロポーザル方式を通過しにくいため注意が必要です。

繰り返しになりますが、プロポーザル方式では提案者の実績や経験が重視されます。発注者は提案者に対して適切な成果を出したり、確実に実行したりすることを求めているからです。

そのため、関係性がある提案者だと業務を委託するのに安心を得やすく、信頼関係のない企業に比べて選ばれやすい傾向にあります。

評価基準を明確にしなければ、不透明な結果になる

プロポーザル方式はあらかじめ公開されている評価項目をもとに提案内容に点数をつけます。客観的かつ公平に評価できるのが特徴です。

ただし、評価項目や基準が明確になっていなければ、プロポーザル方式の透明性は保たれません。公平に評価を行うため、必ず評価基準はあらかじめ定めたうえで公にしましょう。

参加するプロポーザルの評価基準が明確ではない場合は、事前に評価点を問い合わせるとよいでしょう。

 

プロポーザル方式の意味やメリット、注意点を理解しよう

本記事のまとめ
  • プロポーザル方式には、公募型と環境配慮型の2種類がある
  • プロポーザル方式は提案者同士で切磋琢磨するため提案内容の質が向上しやすい
  • 公平な評価を行うため評価基準は必ず公開する

民間企業では企画内容の提案を求める際、コンペ方式がよく用いられます。実績を重視しない分、独創的なアイデアが生まれやすい傾向にありますが、実行力の面では不安が残ります。そんなときに使われているのがプロポーザル方式です。

本記事を参考にして意味やメリット、注意点を理解し、適切にプロポーザル方式を活用しましょう。
 

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