株式会社ワン・パブリッシングは『ウクライナ戦争の正体』を発売しました。価格は2,420円 (税込)です。
本書は軍事史家で雑誌『歴史群像』執筆陣の1人でもある著者が、軍事史の最新の知見を駆使し、混沌のウクライナ戦争の姿を可視化させた論考となっているそうです。
多くの「なぜ?」に回答
2022年2月の開戦以来、ウクライナ戦争について、さまざまな疑問が呈されてきました。
「なぜ、ウクライナは多くの専門家が予測したように開戦から数日間で崩壊しなかったのか?」
「なぜ、国力と戦力に優るはずのロシア軍はこれほどまで”弱い”のか?」
そして、
「なぜ、この戦争はいつまでも終わらないのか……?」
その疑問の回答を導き出す方法は、古代ギリシア、ナポレオン戦争から第二次大戦、現代紛争に至るまで、さまざまな戦争・紛争についての研究、つまり軍事史学の知見を当てはめて考察することにあるそうです。
筆者は同著で、軍事史学の観点から、ウクライナ戦争の背後にあるものを類推し解説しています。
ゲームと戦争の関係は深い
著者の有坂純氏は、ゲームデザイナーでもあり、軍事をテーマとしたゲームも作っています。
軍事研究とゲームは切っても切れない関係にあり、戦争という複雑な営為を理解し予測するには、モデルケースを用いて分析する必要があるそうです。
例えば、チェスなどのボードゲームはそうした目的のために生まれています。
現在の軍隊で作戦や戦闘のシミュレーションに、ゲームが用いられているのもそのためだそうで、戦いの分析にはゲーム的なものの見方が求められるとのこと。
つまり、ゲームのデザインとは、対象としている物事をモデリングする作業でもあるとしています。
本書の第2章「特別軍事作戦のモデリング」では、開戦と同時に始まったロシア軍の侵攻がなぜ失敗したのか、両軍の兵力と部隊の強さなどからランチェスタ・モデルを用いて考察しています。
これがまさしくモデルによる戦争の分析に当たるそうです。
書籍概要
『ウクライナ戦争の正体』
著者:有坂 純
定価:2,420円 (税込)
発売日:2023年12月21日(木)
判型:四六判
ISBN:9784651203737
電子版:有
<参考>
ウクライナ戦争では一体何が起こっているのか?ゲームデザイナーでもある気鋭の軍事史家が、最新の知見を駆使し、混沌のウクライナ戦争の姿をくっきりと可視化させた画期的論考!
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