「なかなかクライアントとの交渉がうまく進まない」「企画書が通らない」「プレゼンがうまくいかない」——物事の“伝え方”に悩んでいる人は少なくないだろう。
今回は、そんな悩める社会人にヒントを与えてくれると評判の『まんがでわかる 伝え方が9割』を紹介したい。
シリーズ112万部超ベストセラーの要点を学べるマンガ版!
多忙を極めるビジネスパーソンは、読みたい本が何冊もあるが全て読みきれない……というのが現実だろう。
最近では「あのビジネス書、すごく流行ったなぁ」というようなベストセラーが次々と漫画化しており、その気軽さから人気を博している。
今回はシリーズ110万部を突破した、佐々木圭一氏の著書『伝え方が9割』を紹介したい。
女性誌の編集者として働く主人公の奮闘劇
女性ファッション誌の編集部に異動して2年目の主人公「五十嵐 舞」。
夕陽をバックに撮影する予定がモデルのワガママに振り回され、結局日が暮れてしまって主人公が悶々とするところから話はスタート。
ワガママなモデルのいなし方だけでなく、デザイナーへの手直し依頼がうまくいかないなど、主人公は出だしから失敗続き。
そんな主人公は仕事帰りに寄った本屋で、自分が担当している雑誌に文句をつけているオネエ「マリア」に出会う。
元編集者のマリアが教える「ノー」を「イエス」に変える伝え方!
マリアとちょっとした口論になった後に、仕事で失敗を連発してしまうことを話すと「仕事がうまくいかないのは、伝え方が下手だからだ」とマリアに言われる。
さらに、同じ依頼内容でも「ノー」を「イエス」に変える伝え方は、誰にでも身につけられる技術だ!とまで断言。
その例として紹介されていたのが、会社の経費精算のときの伝え方。
「この領収書落とせますか?」「いつもありがとう、〇〇さん。この領収書、落とせますか?」同じ依頼内容だが、後者の方が成功率が上がる。
理由は、「ありがとう」という感謝の言葉があると断りにくく、自分の名前を呼ばれると依頼に応えたくなるから。
伝え方次第で言葉の受け取り方が変わり、「ノー」が「イエス」になるのだ。
リクエストを実現する答えは「相手の中」にある
また、答えをイエスにするには「3つのステップ」があるとマリアは主人公に話す。
「イエス」に変える3つのステップ
- 自分の頭の中をそのまま言葉にしない
- 相手の頭の中を想像する
- 相手のメリットと一致するお願いをつくる
例えば、自分が一緒に出かけてみたい人がいたとしよう。女性でも、尊敬している人でもいい。
イエス、と言ってもらうためには「今週末、一緒にどこか出かけませんか?」と、自分の脳内をさらけ出すような誘い方ではNG。
ステップ1で頭の中の言葉をそのまま言うのをこらえて、ステップ2で相手の頭の中を想像してみる。
誘う相手が仕事で忙しい人であれば、ゆっくりとリラックスできる近場のスポット。
ビール好きな人ならば美味しいクラフトビールがたくさん揃うお店、ビールが安くてたくさん飲めるお店……など、相手の脳内、趣味嗜好を徹底的に考える。
そしてステップ3で、相手のメリットと一致する「お願いごとをつくる」。
①ビール好き、②流行の洋服を着ているから新しいもの好き、という女性の場合「この前、オープンしたばかりのクラフトビールのお店見つけたんだけど行かない?」という誘い方ができる。
気難しい女優を「3つのステップ」で攻略!
マリアに3ステップを教えてもらった主人公は、早速これを実践。
気難しいことで有名な女優は、早朝の撮影で入りから不機嫌な様子。
メイクが終わっても「寒いから朝は外で撮影したくない」と、いつものようにワガママを発揮する。
主人公は思わず「スケジュールは前もって渡しているでしょ!」と怒鳴りそうになるが、3つのステップを思い出して口をつぐむ。
ステップ2の「相手の頭の中を想像する」から、女優が写真へのこだわりが強くて人一倍きれいに写りたい、肌ケアに気を遣っているということを連想。
結果的に主人公はワガママ女優を時間通りに撮影することに成功したのだ。
主人公がどんな説得をしたのかは、ぜひ作品でチェックしてみてほしい。
漫画は読者を飽きさせないためにも「現実にはこんなうまくいかないだろ……」と思ってしまうようなストーリーになっているが、仕事終わりでもスイスイ読める気楽さがある。
それでいて原作の要点をしっかりと押さえているので、いいことづくめだ。
イエスに変える3つのステップの他にも、本書には「イエスに変える7つの切り口」や「強い言葉をつくる技術」などが紹介されている。
読み逃しているベストセラー作品が漫画化されていたら、ぜひ1度手にとってみてほしい。
時間の短縮にもなり、何度も気楽に読み返せるのできっと多忙なビジネスパーソンのためになるはずだ。
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