バラエティーなどのテレビを観ていると、なぜあの人はあそこまでいろいろなことを知っているのだろうかと思うことや、なぜそんなに話し続けられるのだろうかと感じることがある。もちろん、彼らにとって「話す」ということは生業であるため、当然ながら話力は圧倒的に高い。だが、話すことが重要な仕事というのは、何もタレントだけの話ではない。当然、あらゆるビジネスパーソンにも話す力というのは求められる。
本書『納得させる話力』は、そんな「話す」ことを生業にしているお笑い芸人・土田晃之が、ビジネスのあらゆる場面で使える技術を伝授している。土田晃之と言えば、言わずと知れた「ひな壇芸人」の代表格である。ひな壇芸人として安定した地位を築くということもあり、そのトーク力は一般人とはケタ外れだ。そんな彼の伝授する技術を、いくつか紹介しよう。
苦手な話題は「すり替える」
人それぞれ、全く興味のないジャンルというものが少なからず存在する。しかし、時にはそのジャンルが話題にあがってしまうことがある。出来れば遭遇したくないが、ある程度は避けられない。
そんなときは、少しずつ自分の得意なテリトリーに持っていくようにする。連想ゲームのように、「○○と言えばそれに関連して××がありましたよね」といった具合で引っ張るのだ。これが出来るようになると、苦手な話題や興味のない話題においても、ある程度の場を持たせることが出来るようになる。
ダメ出しをするときは「褒める」
ダメ出しをしても、あまりいうことを聞いてくれなかったり、評価が下がってしまったりと感じた経験はないだろうか。叱る場面において、相手にそのまま自分の言いたいことがしっかり伝えられる人はなかなか少ない。
ダメ出しなどの指摘を行う際は、その前に必ず相手を褒めることを忘れてはならない。相手を褒めて、まずは認めてあげる必要がある。頭ごなしにダメ出しをされてしまっては、自分のしてきたことが間違いだったと感じてしまうからだ。一回褒められると、人は意外とダメ出しをすんなり受け入れてくれるものである。
説教は「いいと思ったものだけ聞く」
今度は逆に、叱られている側でのシチュエーションが述べられている。叱られているとき、「これは少し違うのではないか?」と思うことがある。先輩や上司も人間なのだから、自分の価値観を多少なりとも後輩や部下に押し付けてしまうことがある。
本書では、叱られているときに、自分の意見のほうが絶対正しいと思うことが出てきても、「受け流す」ことが大切だと述べている。そこで反論をしたところで、相手の評価が下がるだけで、あまり利益はないからだ。叱られているときは、自分に有益であると感じたことだけを積極的に聞くようにしよう。
上記の内容以外にも、プレゼンで使える技術や、中には浮気の言い訳まで紹介されている。自分の伝えたいことがなかなか相手に納得されないと感じている方は、ぜひともこの本をチェックしてみてはいかがだろうか。
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