経営戦略を考えたとき「ブルーオーシャン戦略」、「ランチェスター戦略」など様々な戦略論が思い浮かぶでしょう。それらを企業が取り入れたとき、成長する企業もあれば、失敗に終わる企業もあります。
では、戦略を立てても思うように結果がでないのはなぜでしょうか。今回は『シンプルな戦略』という本から、戦略の基本の部分を振り返りながら、結果を出せる戦略とはなにかを解明していきます。
本のハイライト
一言で表せる“シンプル”な戦略を立てる
著者によると、目標が困難なものであっても、戦略だけはシンプルに立てるべきだそうです。そして、シンプルな戦略を立てるための要素として、顧客の利益・他社との違い・会社の利益の3つが重要になります。この3つの中で1つでも欠けてしまうと、戦略として成り立たないそうです。
このようなシンプルな戦略を採っている企業の例として、ユニクロ(ファーストリテイリング)が挙げられています。ユニクロの戦略は、ヒートテックなど独自の価値を持つものを低価格で大量に販売するというものです。顧客に対して高品質で低価格、そして、自社に対して安定調達とローコストを実現しました。
顧客と自社の双方に貢献しているこのスタイルは、他社が真似することは非常に難しいでしょう。このように、ユニクロは戦略の内容としては非常にシンプルでありながら、3つの要素を満たしていました。
戦略を成功させるために求められる3つの能力
シンプルな戦略をただ構築すればいいわけではありません。ではその戦略を確実に達成するためには、どのような能力が必要なのでしょうか。著者によると、次の3つの能力が必要なのだそうです。
1. 論理的な思考力
戦略を達成する上で欠かせない能力が、論理的な思考力です。物事の構造を捉え、そこから分析しなければなりません。例えば、1つの情報を多面的に捉え、「なぜなのか」「どうしたらいいのか」という視点で考えられる能力が必要です。
2. 規律を守る謙虚さ
斬新なアイデアを創出するために、規律に縛られ過ぎるのはあまり良くないことだと思いがちですが、著者によると規律を守る謙虚さが論理的思考の次に重要なのだそう。思い込みや独りよがりな考えを排除し、中途半端なアレンジを禁ずることで、シンプルな戦略が達成できるようになります。
3. リーダーシップ
戦略を達成するために、リーダーは欠かせません。戦略の責任など、人が嫌がることをリーダーが担うことで、円滑に物事が進むようになります。組織のメンバーを動かすためには、リーダー自身の夢や信念といった情熱を戦略に組み込む必要があります。そして、最終的に組織の情熱へと移行させていきましょう。
企業戦略と聞くと、企業ごとに個性的な戦略を持っているイメージが強いですが、基本となる戦略はシンプルなものでした。今回ご紹介した『シンプルな戦略』では、方法論だけでなく具体的な企業の戦略例が載っています。戦略の基本を学びたい方、あるいは、改めて戦略を立てようとしている方にとって参考になると思いますので、ぜひ手にとってみては?
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