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『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』 従来のPR戦略はもう通用しない

Yudai Imamura

2014/10/10(最終更新日:2014/10/10)


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出典:picjumbo.com
 ネット技術の発展やTwitter、FacebookといったSNSの普及に伴い、私達は膨大な量の情報を手に入れることが可能となりました。しかし、一方で頭を悩ませているのが企業のマーケティング担当の人達。 消費者が自ら商品や企業の情報を入手できるようになったため、従来型のPRでは消費者の心を動かすことが難しくなってしまったのです。

 では、この情報過多とも呼ばれている21世紀において、人々のハートを掴むことができるPR戦略とはどのようなものなのでしょう?今回は 『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。』という本と一緒に、消費者の心を動かすこれからのPR戦略について考えてみたいと思います。

なぜ、今までの広告では通用しない?

 従来の広告戦略が消費者に受け入れられない原因の1つは、 人々の生活スタイルの変化にあります。インターネットの利用者が急速に増え、TVにおいても録画機器の充実により、好きな時間帯に好きな番組を見ることができる…。このように、近年の消費者の生活には 「自分が見たいものだけ、見たり読んだりして楽しむ自由」があるのです。

 だからと言って、「広告をネットに流せば良い」という単純な話ではありません。消費者の関心がネットに移ったからといって、ネット動画内などで流れる広告はスキップされてばかり。情報を 取捨選択できるようになった消費者にとって、 「広告枠」は異物に過ぎないのです。広告を強制的にコンテンツに混ぜて見てもらおうとしても、消費者に有効にリーチできず、コミュニケーションが成立しない、という悪循環が生まれてしまっています。

 このような状況に陥ってしまっては、消費者の心を動かすことはできません。たくさんのメディアを活用し、とにかく多くの消費者にメッセージが行き届くことのみを考えた 「メディア横断×リーチ拡大志向」の戦略は誤り、ということを認識しましょう。

「ココロの沸点」を見つけ出す戦略を

 そんな21世紀の人々の心を動かすPR戦略とは、いったいどのようなものなのでしょう? 著者は戦略を立てる際、消費者の 「ココロの沸点」を探すことが大切だと言っています。

 ココロの沸点とは、 消費者の心が動き、企業側の期待するアクションを最も起こせそうなポイントのこと。これは、戦略の 目的と消費者が抱いている 本音(インサイト)を照らし合わせることにより見えてくるそうです。

 戦略にどんなメッセージ性を持たせるか、どのようなストーリーで進めていくかは、全て消費者のココロの沸点次第。 消費者の心が動くポイントを先に確定させておけば、戦略の目的からブレることはありません。あとはそれの実現に向け、メッセージやストーリーを具現化し、体験や体感につながるような「 仕掛け」を用意していきましょう。



 これまでと違い、今は消費者が企業とのコミュニケーションの主導権を握っている時代。企業側が情報を押し付けても、誰も見向きはしてくれないようです。メッセージを伝えるべきターゲットはどんな人で、どれぐらいの規模を相手に戦略を立てるのかが、これからのPR戦略には欠かせません。戦略の目的を明確にすれば、消費者にもメッセージが伝わりやすく、受け入れられることでしょう!


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