最近は、ビジネス数学というものが企業研修に組み込まれるようになってきました。それだけ、企業が数学力を重視しているからです。今回は、企業が数学力を社員に求める理由について解説していきます。
企業の実績は最終的に数字で出される
企業の実績を表すものとしては、損益計算表(P/L)、貸借対照表(B/S)、キャッシュフロー計算表(C/F)が一般的です。
たとえば、損益計算表は一年の間にどれだけのお金を稼ぎ、どれだけ支払って、いくら儲かったかを示すものです。これは全ての行動をお金に換算して計算しているもの。数字はビジネスにとって切っても切れないものでしょう。
さらにこれまでの売上データを参照して予算を立てることもあります。ここには統計概念も含まれてきます。また、原価計算で言えば使った費用をどう分解して配分していくか、考えれば良いでしょう。要するに、企業の実績を表すものが数字を扱う以上、数学力を求められるのは当然のことです。
数学の授業は論理的思考を育てていた
昔の数学の授業を思い出してみましょう。中学で「証明」という章が入ってきます。それに伴って、この三角形が合同であるとか相似であるとかを解答に記述しなければいけませんでした。
ここでは根拠を示して断定しなければいけません。さらに、問題を解くために補助線を引いたり、仮の条件を設定して問題を解くことがありました。仮の条件を設定することは、仮説のことです。
ということは数学の問題は、仮説検証をして論理的思考を育ってていたことになります。考え方のパターンは酷似しています。このパターンをマスターして論理的思考を身につけることこそが数学を学ぶ意義だったのです。
図形を描いて整理する能力
また学生時代の授業を思い出してみましょう。図工や美術を除いて、図形を描くという科目は何があったでしょう。それは、数学か理科(特に物理)ではないでしょうか。問題を解く際に図形を描いて整理することは誰もが経験したことです。
さて、ここでビジネスの話に戻ります。最近ではプレゼンでPower Pointがよく使われるようになりました。これは文章ではなく、ビジュアルで説明する方向にビジネスが変わってきたということを示しています。
図形が表す内容をよく理解していなければ作成することは困難です。ところが、数学を得意としてきた人は、当たり前のように図形を描いていきます。結局、プレゼン資料が素晴らしい人は、数学力があると言えるでしょう。
さて、ここまで企業が数学力を求める理由を端的に書いてきました。しかし、私は数学が苦手な人もたくさんいると思います。ですが苦手な数学から逃げていてはいつまでたっても、同期と差がつくばかりです。いまから数学力を身につけるために、数学を学んでみましょう。
U-NOTEをフォローしておすすめ記事を購読しよう