1人のビジネスパーソンが、同時に複数の案件を抱えることが当たり前となっている昨今、どうしても避けて通れないのがマルチタスクという考え方です。ここではまず実際にマルチタスクで仕事を行う前の第一歩として、マルチタスクの基本的な考え方とそのメリットについて紹介します。
1. ビジネスにおけるマルチタスク・シングルタスクとは
マルチタスクとは元々はコンピューターが複数のタスクを同時に行えることを指す用語でしたが、ビジネスにおいてマルチタスクという場合は、2つ以上の仕事を並行して進めることを指します。対してシングルタスクとは、1つの仕事を終わらせてから次の仕事に取りかかる仕事の進め方のことです。
とはいえ、人間の脳はコンピューターと違って複数のことを同時に処理できるようにはできていないため、マルチタスクとはいっても実際には複数の案件を短時間ごとに切り替えながら向かい合っていく形になります。そのため、マルチタスクで仕事をすることについてはメリット・デメリットについて様々な議論がありますが、ここではマルチタスクのメリットについて2点紹介します。
2. 仕事の進捗やクオリティを平均化することができる
例えば案件A、B、Cの3つの案件があったとして、シングルタスクで仕事を行う場合、もし案件Aに思いの他時間がかかってしまったら必然的に案件BとCにかける時間は少なくなりますし、クオリティも落ちるでしょう。場合によってはBとCに全く手をつけることができず、納期に間に合わないということも起こり得ます。
マルチタスクで仕事を行う場合、案件A、B、Cを切り替えながら並行して進めていくため、たとえ案件Aが難航していたとしてもその間にも案件B、Cは進んでいきます。案件Aの進捗がB、Cの進捗に影響を与えることはありません。
まとめると、シングルタスクでは「A:100%、B:20%、C:15%」のように先に行った仕事の進捗が後の仕事の成果に影響を与えてしまうのに対して、マルチタスクでは「A:60%、B:70%、C:70%」のように成果を平均化できるため極端にクオリティの落ちる案件が発生しづらいのがメリットの1つです。
3. 一旦仕事を寝かすことができる
アイデアやひらめきが必要な作業の場合、いくら考えても、よいアイデアが浮かばず、作業が止まってしまうことは往々にしてあるものです。ひらめきを待つ間作業を止めたままでいるのでは完全に時間の無駄ですし、周りから見れば手を抜いているように見えてしまうでしょう。そういった場合にマルチタスクで別の作業に切り替えることで一旦気分転換ができますし、その間に他の作業も進めることができます。
また、別のことをしている間にも勝手に問題意識が働いて突如よいアイデアが思い浮かぶことがあります。これを知的熟成といいますが、マルチタスクで作業を行うことで、別の作業をしている間にこの知的熟成が起こり作業の手を止めずによいアイデアが思い浮かぶ可能性が期待できます。よくシャワーを浴びている時やトイレに入っている時にアイデアが浮かんだという話を耳にしますが、基本的にはそれと同じ考え方です。
4. まとめ
ここでは、マルチタスクという考え方の基本的な部分のみを紹介しています。これは多くの案件を1人で捌かなくてはならない場合に有用な考え方です。メリットを理解し、自身の仕事の進め方にマルチタスクを取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。
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