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自己PRでも使える強み「傾聴力」とは?身につけるための5つのコツや本などを紹介

U-NOTE編集部

2021/09/21(最終更新日:2021/09/21)


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ビジネスシーンだけでなく私生活でも、コミュニケーションをする際に活躍する「傾聴力」。

本記事では、傾聴力とは何かについて紹介。傾聴力が身につくメリットや傾聴力を身につけるコツ、注意点などを説明します。

また、傾聴力を自己PRする際の例文や、傾聴力を身につけるためのおすすめの本なども紹介するので、これから傾聴力をつけたい人はぜひ参考にしてください。

本記事の内容をざっくり説明
  • 傾聴力が身についている強み・メリット
  • 傾聴力を身につける5つのコツ・トレーニング方法
  • 傾聴力を身につける際に気をつけたい5つの注意点

 

そもそも傾聴力の意味とは?英語や読み方も紹介

傾聴力(けいちょうりょく)とは、相手の話を「聞く」のではなく「聴く」力をいいます。

「話を聞く」は、相手の言っていることを受け流し、受動的に聞いている状態です。「話を聴く」は、相手が話していることに神経を研ぎすまし、能動的に聴いている状態のことをいいます。

傾聴は、英語で「Active Listening」と言われます。つまり、活動的に「なるほど」「うん」のような相槌を打ち、必要であれば深堀りをしながら聴く力が身についていることが、「傾聴力」がある状態です。

 

傾聴力が身についている強み・メリット

傾聴力を身につけることは、相手を不愉快にさせず楽しく話してもらえる、相手も理解していない本当の気持ちが理解できるなどのたくさんのメリットがあります。

以下では、傾聴力が身についてると得られるメリットについてご紹介します。

 

メリット1.相手が伝えたいことを正確に理解できる

傾聴力が身についていると、相手が伝えたいことを正確に理解できます

適当に話を聞いているだけでは、相手の話や伝えたいことは耳に入ってくるだけで理解はできません。相手に対して真摯に向き合い、必要であれば相手の話に対して的確な質問をすることで、さらに相手の伝えたいことがわかります。

話の組み立てが苦手な相手なら、「つまり〇〇ということですか?」とまとめてあげると、「しっかり聞いてくれた」と喜んでくれるでしょう。

 

メリット2.良好な人間関係を構築できる

人の話を集中して聴くことで、良好な人間関係を構築することもできます。

例えば、自分の話を無視して何も聞いてくれない人とコミュニケーションをすると、話すのが嫌になったり、「自分の存在を無視されている」と悲しくなったりするでしょう。

逆に、自分の話を真剣に聞いてくれると、自分の話だけではなく自分自身も尊重されている気持ちになり、相手に好感を抱くのではないでしょうか。

このように、聴く姿勢を整えることで、相手との関係が良好になりさらに親しくなれる可能性があります。

 

メリット3.相手から学び、応用できる

傾聴力があると、相手の話し方から上手な話し方を学び、自分の話し方に応用できます

聴く訓練をすることで「この人はわかりやすい話し方をする人だ」と相手の話法や言葉遣いに気付くようになります。

また、丁寧に人の話を聴くことで、相手の内面や、本当に伝えたいことが理解できるようになるでしょう。

一見自分には関係のない話だと思う内容ほど、新しい価値観や言葉を学ぶ勉強の機会にしてみてはいかがでしょうか。

 

傾聴力を長所として自己PRする際の例文

傾聴力に自信がある人は、就活で傾聴力を長所に自己PRしたいと思っている人もいるのではないでしょうか。

「傾聴力がある」と伝えると、抽象的でわかりにくい印象を与えてしまうこともあります。傾聴力を長所としてアピールする場合には、自分が話を聞いた結果何が起こったのかというエピソードを深堀りしながら話すことをおすすめします。

また、自己PRを作成する際は、結論から話すことを徹底しましょう。結論を最後に伝えてしまうと「最後まで何を言いたいのかわからなかった」となってしまいます。

以下では、結論ファーストの傾聴力を長所として自己PRする例文をご紹介します。例文を参考にしながら、自分だけの自己PRを作成してみてはいかがでしょうか。

傾聴力を長所として自己PRする際の例文
  • 私は、相手が本当に何を伝えたいのか把握できる、傾聴力が強みです。

    私は、学生時代コールセンターで2年間アルバイトをしていました。お客様の中には、自分自身何を求めているのか把握できていない人もいらっしゃいました。

    私は、お客様の話を決して遮らず最後まで話を聞いた上で、本当に伝えたいことを理解しようと努めていました。その上で行った的確な提案が受け入られることで、顧客満足度を上げることに貢献しました。

    御社に入社が叶いましたら、自分の傾聴力を活かし、お客様が何を望んでいるかを深く理解し、それに答えていける営業職になります。

 

傾聴力を身につける5つのコツ・トレーニング方法とは?

傾聴力は、生まれ持った才能ではなく、後天的に努力をすることで身につけられます。

以下では、今日からでも傾聴力の実践トレーニングができるように、傾聴力を身につける5つのコツを詳しくご紹介します。

 

コツ1.癖になっているしぐさに注意する

相手の話を聴くとき、相手の目を見ず腕組みをしながら聞いている人もいるのではないでしょうか。また時計やスマホをチラチラ見てしまう人もいるでしょう。

相手は自分の話を聞いてくれているか「目」で見て判断しています。しっかりと相手に身体を向け、目を合わせて聴くことが重要です

どんなに的確な返答をしたり、聞いてることをわかりやすく伝えたりしても、スマホを見ながら返答をされると聞いてくれているとは思わないはずです。

まずは、自分がどのように人の話を聞いているか考えてみることをおすすめします。

癖になっていると、自分では発見できないこともあるので、仲がいい友達に「自分が話を聴くときどんな風に聞いてる?」と聞いてみてもいいでしょう。

自分の良くない癖を見つけた場合は、意識して治すようにしてみてはいかがでしょうか。

 

コツ2.心理学的な技術を応用する

傾聴力を身につけるわかりやすいテクニックに、心理学的な技術を使うことがあります。

例えば、心理学的なテクニックとして有名な「ミラーリング」があります。ミラーリングとは、その名の通り鏡のように相手の行っている動作をするテクニックです。

心理臨床場面でのノンバーバル・スキルに関する実験的検討:―カウンセラーのミラーリングが共感の認知に与える影響について―」では、カウンセラーがミラーリングを行った場合と行っていない場合では共感のしやすさが変化したといいます。

飲み物を飲んだり、相手が腕組みしているなら腕を組んだりと、相手の動きに合わせたミラーリングをしてみるのも一案です。

もっとミラーリングについて知りたい人は「信頼関係を築く「ラポール」とは?ビジネスで使える4つの心理学テクニック」を参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

コツ3.相手の話をオウム返しする

相手の話をオウム返しをするのも、心理学的なテクニックとして知られています。

例えば「昨日納品した仕事大変だった」と言われたとき、「大変だったんですね」とオウム返しをするといいでしょう。

相手は自分の話を正確に聞いてくれていると嬉しくなり、そのまま自分の話を続けるようになります。

注意しておきたいのが、全く同じようにオウム返しをすること。「納品した仕事が大変だったんですね」ではなく、相手が伝えたい要素を正確に切り取りましょう。

上記の例の場合は「納品した仕事」についてではなく、「大変だったこと」を相手は伝えようとしています。そのため「昨日仕事を納品したんですか」と聞くよりも「大変だったんですね」というほうがいいでしょう。

また、相手がオウム返しをされていることに気がついた場合、バカにされていると不快に思われるかもしれません。まったく同じ言葉を使うのではなく「苦労されたんですね」のように言い換えると、相手もオウム返しされていることには気づきにくくなります。

オウム返しだけをするのではなく、適度に質問もして相手の話を深ぼるようにしましょう。

 

コツ4.相手の話を肯定する

相手の話を肯定するのも、傾聴力を身につけるコツのひとつです。

例えば「昨日取引先の〇〇さんと、4時間話し合って企画書を作った」と言われたとき、「4時間も!すごい集中力ですね」と素直に褒めることをおすすめします。

たとえ褒められた側が「褒めるの上手だな〜」と照れ隠しをしても、確実に嬉しくなり、もっと話したいとなるでしょう。

しかし、何でもかんでも肯定するのはNG。媚を売っているように見えて、逆に話を聞いていないと思われてしまいます。

本心で「すごいな」と思った場合は、積極的に言葉に出して伝えるようにしましょう。

 

コツ5.深堀りする質問はわかりやすく伝える

相手の話がまとまっておらず、伝えたい情報が足りていないときは、的確に質問するのも傾聴力を身につけるためのポイントです。

もし、適当に話を聞いていて質問をしてしまうと、相手に聞いていないことがわかってしまうので、人の話を聞いていない人は質問をできません。つまり、相手の話に質問することは、相手に相手の話を真剣に聞いていたことが伝わるチャンスです。

すでに話に出ていたけれどいまいちわからなかった場合は「〇〇とおしゃっていましたが、〇〇ということですか?」「先程おしゃっていた〇〇についてもう少し深くお聞かせ願いませんか?」など伝えるといいでしょう。

「〇〇のことをお教え願いますか?」と質問すると、「さきほど言いましたように〜〜」と回答されてしまう恐れがあります。必ず聞いていたことがわかるように、うまく言葉を選ぶといいでしょう。

質問をするときは、結局何を聞きたいのか相手に確実に伝わるように、的確にすることも大切です。

 

傾聴力を身につける際に気をつけたい5つの注意点

相手の話に上手に相槌をうったり、心理学的な技術を使ったりするのももちろん大切です。

しかし、傾聴力を身につける以前に、話の聞き方に対する態度を改める必要があります。

以下では、傾聴力を身につける際に気をつけたい注意点を紹介。無意識にやってしまっている人は、人の話を聞くときに気をつけるようにしましょう。

 

注意点1.相手のペースを乱さない

傾聴力を身につける際に気をつけたい注意点の1つ目は、相手のペースを乱さないことです。

例えば、話すスピードが遅い人と話すとき、ついつい「こういうことだよね」と口を挟んでしまうこともあるのではないでしょうか。

小手先の技術を身につけても、相手を尊重する態度がなければ傾聴力は身につきません。

相手がゆっくり話しているときは、自分もゆっくり話すことを心がけることをおすすめします。相手は「自分のペースに合った人だ」「居心地がよい」とポジティブに思ってもらえます。

 

注意点2.決めつけたり否定したりしない

傾聴力を身につける際に気をつけたい注意点の2つ目は、決めつけたり否定したりしないことです。

「いや、それは違う」「〇〇の話は間違っているよ」と、相手の話の途中についつい割り込む人もいるのではないでしょうか。

理論的に間違っていることは正さないといけないと、熱い思いがある人もいるでしょうが、会話は論破するものではありません

相手の話が仮に間違っていても「〇〇だと思うけれどどう思う?」「その考えも面白いね。自分の話も聞いてくれる?」のようにワンクッション入れることをおすすめします。

たとえ間違っている考えであっても、相手がそのような考え方にいたった背景があります。全否定されると悲しくなり、たとえ自分の意見があっていたとしても、反感を買い、誤りを認めたくない気持ちも生まれるでしょう。

相手の話を尊重し、たとえ間違っていることを言っている場合であっても、相手に受け止めてもらえるように伝え方を工夫しましょう。

 

注意点3.自分の考えを押し付けない

傾聴力を身につける際に気をつけたい注意点の3つ目は、自分の考えを押し付けないことです。

自分の考えこそ正しいから相手が意見を変えなければいけないと無意識に思っている人も多いのではないでしょうか。

例えば、勉強の話になって「青のボールペンで勉強すると科学的に記憶の定着がよくなるって言われてるからしたほうがいいよ」と相手にアドバイスをしたとします。

相手は「なるほど。でも、自分は黒のボールペンで勉強するのがなれているから」と断ると、自分の意見が否定された気持ちになる人もいるでしょう。

しかし、自分の考えと相手の考えは違うもので、何を大切にするかも異なってきます。上記の例の場合「科学的根拠」を大切にする考えと「自分の習慣・慣れ」を大切にする考えの差があります。

自分の意見を押し付けないようにするには、相手と自分の価値観が違っていることを理解する努力をしてみるのも一案です。

 

注意点4.なんでも自分の話に持っていかない

傾聴力を身につける際に気をつけたい注意点の4つ目は、なんでも自分の話に持っていかないことです。

例えば「昨日スイカを食べたんだけど」と話し始めた友達の「スイカ」という単語で、「あ、スイカで思い出したんだけど」のように自分の話に持っていく人を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

たとえ、友達や同僚の話の途中で別の話題が思いついたとしても、割り込んで自分の話にするのはNG。

話をしている人は、自分の話に割り込まれて「自分の話には興味がない人・自分勝手な人」と思ってしまいます。仮に「さっき話そうとしてた話は?」と気遣っても、「この人は自分の話にしか興味がない人」と思われ話をしてもらえないことも。

自分の話をしたい気持ちは誰にだってありますが、相手も同じく自分の話をしたいと思っています。相手の話していた内容で別の話を思い浮かんでだ場合は、相手の話を聞いた後で伝えるようにしましょう。

 

注意点5.つまらないなと思っても態度に出さない

傾聴力を身につける際に気をつけたい注意点の5つ目は、つまらないなと思っても態度に出さないことです。

相手の話が自分にとって面白くない内容でも、爪やスマホを見たり、相手の目を見ずに聞いたりするのはNG。

相手の話から何を受け取るかは自分次第です。相手の話をよく聞き自分が知りたい内容を深堀りできると、つまらなかった内容が楽しいものに変わるでしょう。

 

傾聴力を身につけるためのおすすめの本

傾聴力を身につけるためには、本を読むのもおすすめです。

以下では、傾聴力を身につけるためのおすすめの本を3冊ご紹介します。本を読むだけではなく、実践することで傾聴力を身につけてみてはいかがでしょうか。

 

プロカウンセラーが教えるはじめての傾聴術

プロカウンセラーが教えるはじめての傾聴術』は、実践的に傾聴力を磨く方法を紹介しています。

著者はカウンセラーだけではなく、大学院で心理学を教えている「人の気持ちのプロ」です。

この本は傾聴力をあげたい初心者向けの本ですが、同じ作者による『プロカウンセラーが教える 場面別 傾聴術レッスン』はさらに応用したその場にあった行動が紹介されています。

傾聴力に自信がない人は『プロカウンセラーが教えるはじめての傾聴術』を、傾聴力をさらに磨きたい人は『プロカウンセラーが教える 場面別 傾聴術レッスン』を手にとってみてはいかがでしょうか。

 

マンガでやさしくわかる傾聴

文章を読むのが苦手な人や絵を通して感覚的に傾聴力を身につけたい人もいるのではないでしょうか。

マンガでやさしくわかる傾聴』は、傾聴力を身につけるためのわかりやすい漫画とともに実践的に傾聴力を学ぶ方法を紹介しています。

人の話を「聴く」ためにどうすればいいのかを学ぶ入門書を探している人は、本書から学んでみてはいかがでしょうか。

 

傾聴術:ひとりで磨ける“聴く”技術

傾聴術:ひとりで磨ける“聴く”技術』は、「実践で身につける前にひとりで繰り返し練習してみたい」と思っている人におすすめです。

本書では、傾聴力がなぜ大切なのか・相手への上手な返答の仕方などが紹介されています。また、傾聴力を身につける勉強の仕方も紹介されているので、コツコツ練習したい人はぜひ参考にしてください。

 

傾聴力を身につけて、相手と良好な人間関係を築こう

本記事のまとめ
  • 傾聴力とは、聞く力ではなく、集中して「聴く」力
  • 傾聴力を身につける際は、癖になっている仕草や否定する言葉に注意
  • 相手の話をよく聞いて、核心をついた質問をする

本記事では、傾聴力を身につける方法や人の話を注意深く聞く際に気をつけたい注意点などを紹介しました。

傾聴力を身につけたいと思っている人は、すでに相手の話に対して注意深く聞く準備は整っています。

本記事で紹介したテクニックを使ったり、自分の今までの聞く態度を改善したりすることで、傾聴力を鍛えてみてはいかがでしょうか。

 

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