24年卒の採用充足率は75.8%で、16年卒以降最低。インターンシップ・仕事体験の実施有無で13.3ptの差。
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年卒採用の内定状況と2025年卒採用の見通しなどをまとめた「マイナビ 2024年卒企業新卒内定状況調査」の結果を発表しました。
《TOPICS》
24年卒の採用充足率は75.8%で、現在のスケジュールとなった16年卒以降で初めて8割を下回り過去最低に。半数以上の企業が11月以降も活動を継続【図1、2】
インターンシップ・仕事体験を実施した企業と実施しなかった企業の充足率の差は13.3pt【図3】
25年卒において、インターンシップ参加学生の情報を採用活動に利用する予定の企業は88.5%【図4、5】
25年卒のキャリア形成支援活動で実施率が高いのは「オープン・カンパニー」。インターンシップ実施は「マンパワー不足で難しい」という声も【図6、7、8】
【調査概要】
24年卒の採用充足率(内定者数/募集人数)は前年比5.5pt減の75.8%で2年連続の減少となり、採用スケジュールが変更された16年卒以降、同時期の調査としては初めて8割を下回り過去最低の結果となった。内定者満足度については「質・量ともに満足」の割合が22.4%とこちらも過去最低となり、採用難度の高さが見てとれる。また、採用活動を終了する時期をみると、12月や3月に採用活動を終了する予定の企業が2月時点の調査と比較して特に増加しており、11月以降に採用活動を終了する予定の企業の合計は55.5%となった。採用の苦戦により当初の予定より採用活動が長引いている様子がわかる。【図1、2】
採用充足率についてインターンシップ・仕事体験の実施有無別に比較したところ、実施した企業の充足率は76.8%で実施しなかった企業の62.5%に比べて13.3pt高かった。インターンシップ・仕事体験を実施した企業は、企業や仕事への理解を深めてもらう機会も多く、実施しなかった企業よりも採用充足率が高くなっているようだ。【図3】
25年卒から、一定の要件を満たしたインターンシップは、参加学生の情報を採用活動に利用することが可能となったが、要件を満たす「タイプ3・4」のインターンシップを実施予定の企業のうち、88.5%が情報利用の予定があると回答した。最も利用予定が多いのは「応募データ(専攻内容・連絡先など)」の79.6%で、参加者情報を採用広報解禁後の選考案内等に使うことを想定していると考えられる。また、「参加時に感じた適性・人柄(67.6%)」や「参加時の姿勢(62.2%)」も利用予定の割合が6割以上と、インターンシップで得た情報を採用活動に繋げていきたい企業は多いようだ。【図4、5】
25年卒のキャリア形成支援活動は「オープン・カンパニー」の実施率がもっとも高く63.4%だった。情報利用可能な「タイプ3・4」のインターンシップを実施するには複数日程の開催や就業体験が必要になるが、採用担当者のコメントでは、「マンパワーが足りない」「他の業務と掛け持ちしている中での実施は負担が大きい」などの声が見られた。実際に、新卒採用担当部門のマンパワー不足を実感している企業は70.5%にのぼっている。採用の難化により採用手法の多様化や内定者フォローなどの対応が増えており、採用業務に対して人手が不足しているため、「タイプ3・4」のように期間が長く現場の協力も必要なキャリア形成支援活動の実施にはハードルが高いと感じる企業が多いと推察される。【図6、7、8】
【調査担当者コメント】
25年卒から新しい定義でのインターンシップ(タイプ3・4)を実施する企業では、約9割が参加学生の情報を採用活動に利用する予定だとわかりました。一方で、キャリア形成支援活動の中で実施率が高いのはオープン・カンパニーとなっており、インターンシップを実施するには、採用担当部署のマンパワー不足が壁となっているという声が見られます。ただ、学生との接点を持つ機会を増やすことは、採用活動が難しくなっている現在の新卒採用において重要な取り組みとなっています。「タイプ3・4」のインターンシップを実施するのが難しい企業については、まずは短期間の仕事体験のプログラムを実施するなど、できる取り組みから第一歩を踏み出してみてほしいと思います。
キャリアリサーチラボ 研究員 沖本 麻佑
【図1】「採用充足率」と「内定者満足度」の年次推移
【図2】採用活動を終了する時期
*2月の数値は2024年卒企業新卒採用予定調査より
【図3】【インターンシップ・仕事体験実施有無別】採用充足率
※インターンシップ・仕事体験の実施有無は「インターンシップ・仕事体験参加学生数の前年比」より算出。
「実施あり」:「本年実施なし」「前年実施なし」以外を選択した企業/「実施なし」:「本年実施なし」を選択した企業
【図4】【インターンシップ(タイプ3・4)を実施予定の企業】
インターンシップ参加学生の情報の利用予定(n=273)
【図5】【インターンシップ参加学生の情報利用がある企業限定】利用予定の情報(n=243)
【図6】25年卒のキャリア形成支援活動のタイプ(n=1,243)
【図7】キャリア形成支援活動の実施にあたっての課題
【図8】新卒採用担当部門のマンパワー不足について(n=1,962)
【調査概要】「マイナビ2024年卒企業新卒内定状況調査」
○調査期間/2023年9月6日(水)~10月5日(木)
○調査方法/WEB上のアンケートフォームより入力
○調査対象/「HUMAN CAPITALサポネット」会員にメールマガジンにて案内、マイナビ2024のサポートメールにて案内、新卒採用実績のある企業の採用担当者に個別にメールで案内
○調査機関/自社調べ
○有効回答数/2,381社(上場 208社・非上場2,173社|製造 919社・非製造 1,462社)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。
※調査結果の詳細は会社HPのニュースリリース(https://www.mynavi.jp/news/)からご確認いただけます。
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2024年卒採用の内定状況と2025年卒採用の見通しなどをまとめた「マイナビ 2024年卒企業新卒内定状況調査」の結果を発表しました。
《TOPICS》
24年卒の採用充足率は75.8%で、現在のスケジュールとなった16年卒以降で初めて8割を下回り過去最低に。半数以上の企業が11月以降も活動を継続【図1、2】
インターンシップ・仕事体験を実施した企業と実施しなかった企業の充足率の差は13.3pt【図3】
25年卒において、インターンシップ参加学生の情報を採用活動に利用する予定の企業は88.5%【図4、5】
25年卒のキャリア形成支援活動で実施率が高いのは「オープン・カンパニー」。インターンシップ実施は「マンパワー不足で難しい」という声も【図6、7、8】
【調査概要】
24年卒の採用充足率(内定者数/募集人数)は前年比5.5pt減の75.8%で2年連続の減少となり、採用スケジュールが変更された16年卒以降、同時期の調査としては初めて8割を下回り過去最低の結果となった。内定者満足度については「質・量ともに満足」の割合が22.4%とこちらも過去最低となり、採用難度の高さが見てとれる。また、採用活動を終了する時期をみると、12月や3月に採用活動を終了する予定の企業が2月時点の調査と比較して特に増加しており、11月以降に採用活動を終了する予定の企業の合計は55.5%となった。採用の苦戦により当初の予定より採用活動が長引いている様子がわかる。【図1、2】
採用充足率についてインターンシップ・仕事体験の実施有無別に比較したところ、実施した企業の充足率は76.8%で実施しなかった企業の62.5%に比べて13.3pt高かった。インターンシップ・仕事体験を実施した企業は、企業や仕事への理解を深めてもらう機会も多く、実施しなかった企業よりも採用充足率が高くなっているようだ。【図3】
25年卒から、一定の要件を満たしたインターンシップは、参加学生の情報を採用活動に利用することが可能となったが、要件を満たす「タイプ3・4」のインターンシップを実施予定の企業のうち、88.5%が情報利用の予定があると回答した。最も利用予定が多いのは「応募データ(専攻内容・連絡先など)」の79.6%で、参加者情報を採用広報解禁後の選考案内等に使うことを想定していると考えられる。また、「参加時に感じた適性・人柄(67.6%)」や「参加時の姿勢(62.2%)」も利用予定の割合が6割以上と、インターンシップで得た情報を採用活動に繋げていきたい企業は多いようだ。【図4、5】
25年卒のキャリア形成支援活動は「オープン・カンパニー」の実施率がもっとも高く63.4%だった。情報利用可能な「タイプ3・4」のインターンシップを実施するには複数日程の開催や就業体験が必要になるが、採用担当者のコメントでは、「マンパワーが足りない」「他の業務と掛け持ちしている中での実施は負担が大きい」などの声が見られた。実際に、新卒採用担当部門のマンパワー不足を実感している企業は70.5%にのぼっている。採用の難化により採用手法の多様化や内定者フォローなどの対応が増えており、採用業務に対して人手が不足しているため、「タイプ3・4」のように期間が長く現場の協力も必要なキャリア形成支援活動の実施にはハードルが高いと感じる企業が多いと推察される。【図6、7、8】
【調査担当者コメント】
25年卒から新しい定義でのインターンシップ(タイプ3・4)を実施する企業では、約9割が参加学生の情報を採用活動に利用する予定だとわかりました。一方で、キャリア形成支援活動の中で実施率が高いのはオープン・カンパニーとなっており、インターンシップを実施するには、採用担当部署のマンパワー不足が壁となっているという声が見られます。ただ、学生との接点を持つ機会を増やすことは、採用活動が難しくなっている現在の新卒採用において重要な取り組みとなっています。「タイプ3・4」のインターンシップを実施するのが難しい企業については、まずは短期間の仕事体験のプログラムを実施するなど、できる取り組みから第一歩を踏み出してみてほしいと思います。
キャリアリサーチラボ 研究員 沖本 麻佑
【図1】「採用充足率」と「内定者満足度」の年次推移
【図2】採用活動を終了する時期
*2月の数値は2024年卒企業新卒採用予定調査より
【図3】【インターンシップ・仕事体験実施有無別】採用充足率
※インターンシップ・仕事体験の実施有無は「インターンシップ・仕事体験参加学生数の前年比」より算出。
「実施あり」:「本年実施なし」「前年実施なし」以外を選択した企業/「実施なし」:「本年実施なし」を選択した企業
【図4】【インターンシップ(タイプ3・4)を実施予定の企業】
インターンシップ参加学生の情報の利用予定(n=273)
【図5】【インターンシップ参加学生の情報利用がある企業限定】利用予定の情報(n=243)
【図6】25年卒のキャリア形成支援活動のタイプ(n=1,243)
【図7】キャリア形成支援活動の実施にあたっての課題
【図8】新卒採用担当部門のマンパワー不足について(n=1,962)
【調査概要】「マイナビ2024年卒企業新卒内定状況調査」
○調査期間/2023年9月6日(水)~10月5日(木)
○調査方法/WEB上のアンケートフォームより入力
○調査対象/「HUMAN CAPITALサポネット」会員にメールマガジンにて案内、マイナビ2024のサポートメールにて案内、新卒採用実績のある企業の採用担当者に個別にメールで案内
○調査機関/自社調べ
○有効回答数/2,381社(上場 208社・非上場2,173社|製造 919社・非製造 1,462社)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。
※調査結果の詳細は会社HPのニュースリリース(https://www.mynavi.jp/news/)からご確認いただけます。
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