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事業成果創出に向けた人事変革(HRX)に関する調査結果を公開   現在の人事戦略が事業成果に繋がっていると答えた企業は13.8%

2024/11/12


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~採用と育成の変革が急務であることが示唆された~

株式会社リンクアンドモチベーション(本社:東京都中央区、代表:小笹芳央、証券コード:2170、以下当社)は、調査会社パネルの「1,000名以上企業」の人事500名、管理職500名を対象とした「事業成果創出に向けた人事変革(HRX)に関する調査結果」を公開いたしました。

■実施背景
人材力や組織力は事業の競争優位性に欠かせないものとして、企業における人事への期待は年々高まっている。経済産業省が2020年9月に公表した『人材版伊藤レポート』においても、人事を「オペレーション中心からビジネスの価値創出をリードする役割」へと変革する必要性が説かれている 。当社の2022年11月の調査※でも、同様に人事の役割変革、すなわちHuman Resources Transformation (HRX)が求められていることが明らかになった。

本調査では、上記の調査から2年経過した現時点での人事の役割変革における実態とニーズを把握し、「事業成果創出に向けた人事変革(HRX)」に向けた今後の方向性について探る。

※前回の調査結果はこちら
『大手企業管理職の人的資本に関する意識調査』(2023年1月公表)

■調査結果サマリ
・人事戦略と事業成果に繋がりを感じている企業は55.9%、
 感じていない企業は44.1%と約半数に分かれた。

・人事の役割における実態は「人事管理を緻密に行う(人材管理のエキスパート)」が
 42.7%と最多であり、2年前からほとんど変化していない。
 一方で、今後人事に期待する役割は「事業成果の創出に貢献する(戦略パートナー)」が
 30.8%と最多であり、引き続き人事の役割変革が求められている。

・育成では「知識獲得」に注力している企業が30.5%で最多だった。
 一方で、事業成果創出に向けて今後注力したいことでは「能力向上」と答えた企業が
 最多で29.0%だった。また、人材育成が事業成果に繋がらない理由は
 「育成を実施しても行動が変わらないから」が最多で40.6%だった。

・採用では、新卒社員のオンボーディングで今後注力したいテーマとして
 「キャリア意識の醸成」を選んだ企業が16.3%だった。
 また、中途採用で今後注力したい採用基準として、「ポテンシャルの高さ」が
 現在重視している採用基準を大きく上回る結果となった。

■調査結果
事業成果創出に向けた人事変革の実態
― 人事戦略と事業成果に繋がりを“感じている企業”と“感じていない企業”は約半数に分かれた
人事戦略と事業成果に繋がりを感じている企業は55.9%であり半数を超えた。一方で明確に繋がりを感じている企業は13.8%にとどまり、44.1%の企業は依然として人事戦略と事業成果に繋がりを感じられていない。(人材育成、人材採用、人事制度、組織風土の各人事のそれぞれの注力領域に設問を絞っても、人事戦略と事業成果の繋がりに関する認識は大きく変わらなかった。)




― 人事の役割における実態は「人材管理のエキスパート」が約4割と最多で、
  人事の「役割変革」は2年前からほとんど進んでいない
現在の人事の役割は人材管理のエキスパートが42.7%と最多である一方、今後求められる役割に関しては戦略パートナーが30.8%と最多だった。人事の役割実態と求められる変化の方向性は、2年前の調査時から大きな変化が見られなかった。







事業成果創出に向けた人事変革の方向性(育成領域)
― 育成施策では「能力向上」「個別/部署課題別」の取り組みへの注力が求められる
人材育成における現在の注力施策としては「知識獲得」が30.5%と最多であり、注力手法は「集合型」が42.9%と最多だった。一方で、事業成果創出に向けて今後注力したい施策は「能力向上」が29.0%と最多であり、手法は「個別/部署課題別」が39.8%と最多だった。





また、人材育成と事業成果の繋がりを「感じられない」と答えた企業155社にその理由を質問したところ、「研修後に行動が変わらないから」が最多で40.6%だった。




事業成果創出に向けた人事変革の方向性(採用領域)
― 新卒社員のオンボーディングでは「キャリア意識の醸成」の注力が求められる
現在、新卒社員のオンボーディングで注力しているテーマは、「仕事や事業の魅力理解」が20.2%と最多であり、続いて「会社理解、業務理解、制度説明」が17.6%だった。一方で、事業成果創出に向けて今後注力したいテーマとしては「仕事や事業の魅力理解」に続いて「キャリア意識の醸成」が16.3%となり、キャリア意識についての関心が高まっていることがわかった。




― 中途採用では「ポテンシャルの高さ」の重視が求められる
現在中途採用で重視している採用基準は、「これまでの経験/成果」が29.2%と最多だった。事業成果創出に向けて今後注力したい採用基準と比較すると、「ポテンシャルの高さ」が現在重視している採用基準を大きく上回る結果となった。




■分析コメント
― 人事は事業成果への貢献に向けて役割の拡張が求められる
人事戦略と事業成果の繋がりを感じている企業は5割を超えた。その一方で、繋がりを感じていない企業は4割であり、人事の役割における実態は2年前から大きく変化していないことが明らかになった。
言い換えると、人的資本経営の流れを受けて「施策効果の見える化」が進み人事の「意識」には変化が生まれているものの、実態としての役割の「変革」は進んでおらず、課題として残ったままだといえる。

人事の役割変革(HRX)を実行するにあたっては、育成領域と採用領域における実態とニーズの乖離から課題が抽出され、今後の方向性が示唆された。

具体的には、育成領域では企業の競争優位性を確保する上で「人」の重要性が増しており、価値創出に貢献できる人材 (=機能する人材)の育成が求められている。このため従来のように知識提供を通じた「成長機会」の創出だけではなく、個別ニーズを踏まえて能力向上を促す「成長実現」を支援する役割が求められている。

採用領域では、新卒採用と中途採用のそれぞれで役割変革の方向性が見えてきた。新卒採用では、新卒3年以内の早期離職が課題となるなど、現在「オンボーディング」に注目が集まっている。オンボーディングにおいては、従来重視してきた仕事や事業の魅力への共感に加えて、定着強化に向けた働く意義や意味の明確化 (=「キャリア接続」)まで強化することが求められている。

また中途採用では、第二新卒など若手の転職が増える中で、中途採用の位置付けが変化してきている。事業成果創出に向けて今後注力したい採用基準として、 「ポテンシャルの高さ」が現在重視している採用基準を上回る結果となるなど、中途採用の目的が“即戦力になる人材の確保”から“自社で長く働き続ける仲間の採用”へと変化しているといえる。

人事の「意識」が変わりつつある今だからこそ、改めて「事業成果に貢献する人事」という目的に立ち返り、人事が果たすべき「役割」を問い直す必要がある。

※本調査の結果を引用される際は、出典を明記してご利用ください。

■調査概要
・調査の方法:インターネットによるアンケート
・調査の対象:調査会社パネルの「1,000名以上企業」の人事500名、管理職500名を対象
・有効回答数:1,000
・調査実施日:2024年8月26~28日
・調査主体:株式会社リンクアンドモチベーション

■リンクアンドモチベーショングループの概要
・代表取締役会長:小笹 芳央
・資本金:13億8,061万円
・証券コード:2170(東証プライム)
・本社:東京都中央区銀座4-12-15 歌舞伎座タワー15階
・創業:2000年4月
・事業内容
 組織開発Division(コンサル・クラウド事業、IR支援事業)
 個人開発Division(キャリアスクール事業、学習塾事業)
 マッチングDivision(ALT配置事業、人材紹介事業)
 ベンチャー・インキュベーション