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引用・Webサイトの参考URLの正しい書き方を解説|プレゼン資料の「参考文献リスト」作成時の注意点も紹介

U-NOTE編集部

2018/09/03(最終更新日:2024/03/31)


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ビジネスシーンではPowerPointやWordなどを用いてプレゼン用の資料を作ることも多いでしょう。書籍やWebページからデータや情報を引用した場合は、「参考文献リスト」を明記する必要があるとご存知でしょうか。

今回は、参考文献リストの正しい書き方を解説。参考文献リストを明記する理由から、使用した文献や書籍、ネットのWebサイトごとの適切な書き方・まとめかたをご紹介します。

本記事の内容をざっくり説明
  • 引用・参考文献を記載する理由
  • 引用・参考文献リストを作成するときの注意ポイント
  • 参考文献ごとの記載方法&記載項目

 

引用、参考、参照、転載、出典の違いとは?

参考文献を書くときに、「引用」「参考」「参照」「転載」「出典」の違いがわからず、なんとなくで使用している人も多いのではないでしょうか。

「引用」「参考」「参照」「転載」「出典」には明確な意味の違いがあるため、適切な使い方をしなければなりません。それぞれの詳細について、今一度確認していきましょう。


「引用」とは、他人が書いた文章や事例などを表現を変えずに使用することをいいます。文章を少しでも変えてしまうと引用にはならないため、注意しましょう。

「参考」とは、他人が書いた文章や事例を元にする、つまり参考にする際に使う表現です。他人が書いたものを見て、自分の考えを書く場合や、少しでも自分に影響を与えたと考えた場合などに使用します。

「参照」と「参考」は似ていますが、「参照」は目に見えるものを参考にする場合に使用します。「参照」と「参考」のどちらを使用すればいいのかわからない場合は、より広い意味を持つ「参考」を使うほうが無難です。

「転載」とは、引用と同様に他人が書いた文章をそもまま使用することをいいます。引用とは異なる点は、他人の文章と自分の文章の割合。他人が書いた文章が主となっているものを「転載」と呼び、無断で転載するのはNG。必ず許可を取った上で転載するようにしましょう。

「出典」とは、引用した文章が記載されてある文献やWebサイトのことをいいます。出典先を書くマナーは、本記事下部で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

 

「引用」や「参考文献リスト」を作成するときの5つの注意点

引用箇所や参考文献を記載することは、自身の展開する意見の正確性を示す効果もあるものです。では、引用や参考文献リストを作成するときには、どのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。

次は、ビジネスシーンで引用や参考文献を記載するときに注意した5つのポイントをご紹介します。

 

注意点1.引用・参照部分をわかりやすくする

引用や参考リストを作成するときには、「自分が作成した資料の引用・参照部分の明記」を意識しましょう。

引用元や参考文献を記載していたとしても、一体どの部分の参考にしたのか該当箇所が見つけられなければ意味がありません。引用・出典によって記載した箇所に記号や数字を振って、わかりやすくしましょう。

引用・参照場所を分かりやすくする書き方
  • 注1、注2
  • 下線

引用した部分を他の部分で再度使用する場合には、以前に同文献から同じ内容の記述を引用した旨を一度記載するだけでかまいません。何度も注釈を入れてしまうと、文面がごちゃごちゃと見えてしまうので注意しましょう。ただし、前述の引用部分とは異なる情報を記載した場合には改めて記載する必要があります。

 

注意点2.引用・参照資料をはっきり明記する

前述したように引用したページや参考資料がある場合は、どこから引用しているのかを明記する必要があります。

Webページを参考にした場合にはURLやタイトルの記載のみでかまわない場合が多いですが、書籍の場合はより細かくはっきりと記載することをおすすめします。

書籍の場合には題名・著者名・発行年、新聞の場合には発行元の新聞名や掲載日まで記載しましょう。

 

注意点3.資料の中の抜粋部分を明記する

参照部分や文献の記載には、のちに効率よく資料検索する目的もあります。ただ単に書籍名や新聞名までを記載するのではなく、ページ数や段落など、どの部分を引用・参照したのかをはっきり明記するといいでしょう。

ただし、抜粋箇所が「広義的に知られていること=常識」の場合には、原則参考文献を記載する必要はありません。特別な調査や統計でない場合には、そのまま記載しても盗用や剽窃にはならないのです。

<抜粋部分の記載が不要なケース>
(要)東京都千代田区は東京23区のなかでもっとも自転車事故が少ない都市で、保険加入率は〇%です
(不要)東京都千代田区は23区のひとつです

 

注意点4.信頼できる文献かどうかを確認する

インターネットの普及率が上がり、書籍や文献よりもWebサイトのページを参考にする機会も多いのではないでしょうか。しかし、Webサイトは誰でも簡単にページを作成・編集できる手軽さから、ときに信頼性の低いページも見られます

誤った情報を少しでも記載してしまうと、資料や文面全体の信頼性も低くなってしまうので注意が必要です。書籍やWebページを参考にする場合には、信頼できる内容であるか十分に確認しましょう。

信頼できる文献のチェックリスト
  • 偏りや押し付けの強い文面ではないか
  • 主観的な内容で記載されていないか
  • ソースが不明瞭ではないか
  • 作者・執筆者・調査団体が不明でないか

 

注意点5.Webサイトやネットの情報を引用する場合、引用の引用にならないように注意する

Webサイトやネットに記載されている内容を参考にする際、「引用の引用」に注意しましょう。

Webサイトは、第三者が調査結果や収集した情報を引用していることもしばしば。すでに他からのデータを引用したページを再度引用してしまうと、引用の引用になってしまい、参考文献や参照URLとして記載するのはふさわしくありません。同じ情報を引用したい場合には、参照にしたページの引用元をチェックしてみましょう。

なお、自治体や政府など公的機関が公開している資料はそのまま転載可能です。

引用や参考文献リスト作成時の注意点
  • 引用元を分かりやすく区別し、明確に記載する
  • 資料を引用しているWebサイトからの引用(=引用の引用)に注意する
  • 信頼できる内容・書籍・Webサイトであるかを確認する

 

参考文献リストの書き方例

「参考文献リスト」は参考にした書籍や資料の一覧を、文末にまとめたものです。記載すべき項目は世界的に統一性があり、記載の順番も大部分が共通しています

参考文献リストは、出典するものの種類によって必要な項目が異なります。次は、参考文献リストの書き方をタイプ別にチェックしていきましょう。

 

本を引用・参照する場合

書籍を引用、参照する場合、書籍が「日本語図書」か「外国語図書」であるかによって異なります。

【日本語図書の記載項目】
著者名. 『書名』. 版表示(4版・4th ed.).  出版者. 出版年, 総ページ数

  • 赤祖父俊一. 『正しく知る地球温暖化』. 誠文堂新光社, 2008, 183p

【外国語の図書の記載項目】
著者名. 書名. 出版者. 出版年, 総ページ数

  • Houghton, John. Global warming : the complete briefing. 4th ed., Cambridge University Press, 2009, 438p.

なお、「姓」と「名」の間にはカンマを入れるようにします。

 

複数著者がいる場合

書籍の著者が複数名いる場合には、著者を並べて書く必要があります。著者名と著者名の間には和文著書の場合「,」を、欧文著者の場合には「;」を挿入して区切りましょう

また、2名以上を超える場合には先頭に記載されている著者1名を記載して、他の著者名は「ほか」と記載して省略できます。欧文著者名の場合は、他を意味する「et al.」を用いて省略してもかまいません。

  • Dow,Kirstin.;Downing,Thomas E.『温暖化の世界地図』.近藤洋輝訳.丸善,2007,117p.

 

「編者」と書いてある場合

書籍を編集した人を指す言葉「編者」が記載されている場合には、著者名を書く場所に編者を記載しましょう。

日本語図書の場合は氏名のあとに「編」と記載しますが、欧文著者名の場合は編集者を指すeditorの短縮系「ed.(複数形はeds.)」をつけましょう。

 

「訳者」と書いてある場合

外国語図書を翻訳した人のことを「訳者」といい、著者名とあわせて記載されていることも多いのです。

訳者を記載する場合には書名の後に翻訳者名を書き、その後ろに日本語図書の場合には「訳」、外国語図書の場合は翻訳を指すtranslateの短縮形「trans.」をつけましょう。

 

本の一部を引用・参照する場合

書籍の一部を抜粋して引用する場合には、日本語図書と外国語図書によって記載方法が少し異なります。

また、引用部分が数行でおさまる場合には、参考文献を記載したうえで「〇〇(書籍名)で~~~~と述べられているように……」と記載しても問題ありません。引用部分は「」でくくり、間違いがないように正確に書き写しましょう。

【日本語図書の一部を引用した場合の記載項目】
該当部分の著者名.「(該当部分の)見出し、タイトル」. 『書名』. 編者名. 出版者. 出版年, ページの範囲

  • 原登志彦. 「地球温暖化の進行にともなう森林生態系への影響」. 『持続可能な低炭素社会』. 吉田文和, 池田元美編著.北海道大学出版会, 2009, p.35-49

【外国語図書の一部を引用した場合の記載項目】
該当部分の著者名. (該当部分の)見出し、タイトル . 書名. 編者名. 出版者. 出版年, ページの範囲

  • Frenkel, D.; Smit, B. Understanding Molecular Simulation:
    From Algorithms to Applications. 2nd ed. Academic Press. 2002, 664 p.

著書名を書く場合には、姓と名の間に「,」を加えましょう。

 

雑誌論文を引用・参照する場合

雑誌に記載されている論文の場合、書籍と違って「巻号(号数)」や「ページの範囲」を記載する必要があります。雑誌論文には他の論文も記載されている場合も多いので、区別するためにもしっかり範囲を記載しましょう。

【日本語の論文を引用した場合の記載項目】
著者名. 「論文のタイトル」. 『雑誌名』. 出版年, 巻号, ページの範囲

  • 原嶋洋平. 「地球温暖化防止の京都メカニズムとWTOルール」. 『国際開発学研究』. 2008, Vol.7,No.2, p.139-146

【外国語の論文を引用した場合の記載項目】
著者名. 論文のタイトル. 雑誌名. 出版年, 巻号, ページの範囲

  • Lee, Jeffrey E.; Fusco, Marnie L.; Hessell, Ann J. et al. Structure
    of the Ebola virus glycoprotein bound to an antibody from
    a human survivor. Nature. 2008, vol. 454, no. 7201, p. 177-182.

著書名を書く場合には、姓と名の間に「,」を加えましょう。

 

データベースを引用・参照する場合(URLを参考文献にする場合)

収集されたデータを一ヵ所に集めているデータベースは、効率的に検索でき、類似データを一括で調べられる非常に便利なもの。マーケティングや営業職の方は、プレゼン資料作りに利用することも多いのではないでしょうか。

次は、データベースを引用・参照する場合のURLの記載方法をご紹介します。

 

データベース全体を引用する場合

データベース全体を引用した場合には、情報源となったURLを記載しましょう。

【データベース全体を引用した場合の記載項目】
作成者名・情報源・データベース名・入手先URL・(入手日付)

  • 株式会社自由国民社. 現代用語の基礎知識. Japan Knowledge, https://na.jkn21.com/, (参照 2010-03-18)

 

データベースの一部を引用する場合

データベースの一部を記載する場合には、参照したURLの題名を記載してページを明確にしましょう。題名を記載するときには、「”〇〇”」と記載します。

【データベースの一部を引用した場合の記載項目】
作成者名. 題名. データベース名, 出版者, 入手先URL,(入手日付)

  • 岸保勘三郎, 小山堅. 地球温暖化. Yahoo!百科事典(日本大百科全書), ヤフー株式会社(小学館), https://100.yahoo.co.jp/, (参照 2010-03-18)

 

ネット上のWebサイトを引用・参照する場合の書き方(URLを記入する場合)

Webサイトに記載されている内容を引用・参照する場合には、Webサイトそのものを引用するときと掲載されていた文献を引用する2パターンがあります。

最後に、Webサイトを引用・参照する場合の記載項目や書き方をチェックしていきましょう。

 

Webサイトを引用する場合

Webサイトに掲載されている情報をそのまま引用する場合には、WebサイトのURLとWebサイト名を記載します。該当ページのタイトルは「〇〇」と囲みましょう。

【Webサイトを引用した場合の記載項目】
ウェブサイト名. 「該当ページのタイトル」. 入手先URL, (入手日付).

  • 環境庁生物多様性センター. 「ガンカモ類の生息調査」. https://www.biodic.go.jp/gankamo/gankamo_top, (参照 2010-03-18)

 

Webサイトから入手した文献を引用する場合

Webサイトから入手した文献やPDFを引用する場合には、文献名と該当URLを併記します。参照した部分をわかりやすくするためにも、文献名のあとに版表示を記載しましょう。

【Webサイトから入手した文献やPDFを引用する場合の記載項目】
著者名. 「文献名」. 版表示, 出版年, 入手先URL, (入手日付)

  • 環境庁. 「環境白書・循環型社会白書」. 平成20年版, 2008. https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h20/index.html, (参照 2010-03-18)

 

SNSから投稿を引用をする場合

最近では、Webサイトのみならず、TwitterやInstagram、YouTubeなどのSNSから引用したい機会もあるのではないでしょうか。

SNSには、それぞれ引用ルールがあります。「他のサイトでは〇〇だから大丈夫だと思った」は言い訳にならないので、しっかりとSNSにある投稿を引用する場合のルールについて学んでおきましょう。


Twitterの投稿を引用する場合

「Twitterの投稿をブログ記事に使用したい」という人もいるのではないでしょうか。スクリーンショットを使って引用することは、著作権を侵害することになるとされています。

事実、令和3年12月10日に判決が下った裁判では、スクリーンショットの引用は、引用には当たらないと判断されました。

Twitterを引用して使いたい場合は、「埋め込み」機能を使用しましょう。埋め込みは、以下のようにTwitter社で許可されている引用方法です。

ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、投稿または表示することによって、当社が、既知のものか今後開発されるものかを問わず、あらゆる媒体または配信方法を使ってかかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配信するための、世界的かつ非独占的ライセンス(サブライセンスを許諾する権利と共に)を当社に対し無償で許諾することになります(明確化のために、これらの権利は、たとえば、キュレーション、変形、翻訳を含むものとします)。

出典:Twitterサービス利用規約

埋め込みをする方法は、ブラウザのTwitterの場合、ツイート右側にある「…」をクリック。

次に「Embed tweet」を選択しましょう。

このように、スクリーンショットでの引用ではなく埋め込みを利用して著作権を侵害することなく引用しましょう。

参考:Twitterサービス利用規約

 

Instagramの投稿を引用する場合

Instagramでは、Twitterと同様に「埋め込み」を使った引用は許可されていますが、投稿者への許可取りが必要です。

Instagramの規約には以下のように明文化されています。

利用者はご自身のコンテンツを、誰とでも、好きな場所で自由にシェアすることができます。ただし、弊社はサービスを提供するために、利用者から一定の法的許可(一般的に「ライセンス」と呼ばれる)を得る必要があります。利用者がサービス上で、またはサービスに関連して、知的財産権の対象となっているコンテンツ(写真や動画など)をシェア、投稿またはアップロードする場合、利用者は、弊社が(利用者のプライバシー設定およびアプリ設定に沿って)利用者のコンテンツをホスト、使用、配信、変更、実行、複製、公演、公開または翻訳し、またその派生作品を作成できる、非独占的、使用料なしの、譲渡可能、サブライセンス可能な、全世界を対象としたライセンスを弊社に付与するものとします。

出典:Instagram「規約と私たちについて


アメリカでは、Instagramの運営をするMeta社(旧:Facebook社)「埋め込み機能は、画像の使用を許可するものではない」との見解を発表しております。そのため、埋め込み機能を使っているからといって、著作権侵害に当たらないわけではなく、自由に引用や転載をしていいわけではないことに注意しましょう。

参考:https://arstechnica.com/tech-policy/2020/06/instagram-just-threw-users-of-its-embedding-api-under-the-bus/

当然ですが、すでに著作権を侵害している投稿を埋め込みで使用するのはNG。また、Twitterと同様にスクショをして埋め込まないようにしましょう。

参考:Instagram「Instagramの安全性とプライバシー

参考:Instagram「規約と私たちについて
 

YouTubeの投稿を引用する場合

YouTubeの投稿を引用する場合、ブログで共有することは著作権的に問題はありません。これまで紹介した他のSNSの引用同様、埋め込み機能を使って引用を行いましょう。

YouTube ウェブサイトでは、以下のように明文化しています。

YouTube では利用規約を更新し、ウェブサイトと YouTube 埋め込み型プレーヤーの使用方法としてどのようなことが許可されるかを明確にしました。ブログで時々 YouTube の動画を貼り付けてコメントを付けたり読者に好きな動画を見せたりすること自体は問題ではなく、それが一般向けの広告を含んでいるブログであったとしても YouTube はその行為を禁止しません。ただし、大量の YouTube 動画を埋め込んだだけで、意図的に広告収入を得ようとするだけのウェブサイトは、利用規約に違反しているものと見なします。

出典:YouTube 「YouTube ウェブサイトの商用利用が禁止されるケースと許可されるケース

商用利用であっても、 YouTube は埋め込むを許可しているため問題ありません。

しかし、YouTube ウェブサイトにも書かれている通り、YouTubeの動画を大量に埋め込むのはNG。主従関係を守り、自分の意見や気持ちを表現するために埋め込みや引用を使用しましょう。

引用や、参考文献・WebサイトのURLを正しく書く3つの理由

「社内向けのプレゼン資料なら参考文献を記載する必要ないはず」「社外向けに引用したいときには何かルールがあるの?」と思っているビジネスパーソンもいるかもしれません。資料作成やコンテンツを制作する際に、書籍やWebサイトを参照した場合には、社内向け社外向け問わず、該当する参考文献やURLを明記しなければなりません。

では、なぜ引用部分・参考文献・URLを別途記載する必要があるのでしょうか。まずは、参照した書籍やWebサイトのURLを明記すべき3つの理由からご紹介します。

 

1.出典を明記することはルールとして定められているため

資料や論文を作成する際は、「自分の考え」と「出典先の考え」を明確に分けることがルールとして規定されています。

引用に関するの根拠は、著作権法の第四十八条によって明確に示されています。

第四十八条 次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない

出典:著作権法「第四十八条

仮に、自分の考えと第三者の発表したデータや考え方を混同してしまった場合、悪意がなくとも盗用や剽窃であると判断されてしまうかもしれません。特に社外に出す資料の場合は、信頼感のある文書や資料を作成するためにも、出典先はルール通りしっかり明記しましょう。

剽窃ではなく、引用とみなされるためには以下の3つのルールを守る必要があります。

引用とみなされるための3つのルール

  • 主従関係が明確であること
  • 誰の著作物を引用したかわかること
  • どこからどこまでを引用したかがわかること

「主従関係が明確であること」とは、自分の書いた文章を主な内容にし、相手の文章を補強や補足、反論するために使用することをいいます。相手の書いた文章や論文をまるまるコピーして、自分の意見を数行書く行為は、主従関係が逆転しており盗用と考えられることも。引用しすぎて自分の考えが伝わらないとならないように、注意しておきましょう。

【盗用・剽窃とは?】
「盗用(とうよう)」「剽窃(ひょうせつ)」は、他人の考えや意見を自分のものとして発表すること。意図的でなくとも、適切な手順を踏まれずに引用された場合には盗用や剽窃と判断されます。学術シーンでもビジネスの場でも、盗用や剽窃は大きくルールを逸脱したこととして捉えられています。

 

2.自分の意見や主張の客観的な根拠を示すため

個人や会社内のチームだけで大量のデータを収集し、分析するのは難しいもの。とはいえ、自分が考えた数字や意見だけを述べると、主観的で根拠のない意見になってしまいます。自分の主張や意見の客観性や正確性を説くためにも、参考文献やURLのデータや情報の明記が必要です。

例えば、「国民のほとんどがYouTubeを視聴している」と説明したい場合を考えてみましょう。参考文献・URLの記載がない場合、客観性や根拠がなく、本当かどうかも判断できません。

しかし、参考URLとして調査結果を「出典:CA Young Lab調べ」と客観的なデータであることを記載することで、根拠のある内容だと証明できるのです。

 

3.後から資料を探しやすくするため

ビジネスパーソンのゴールはプレゼン資料を作成することではなく、プレゼン内容の実現や賛同によって「成果」を得ることです。自身のプレゼンテーションが認められた場合、情報の精査・データの見直し・全体のブラッシュアップを行っていかなかければなりません。

出典元となった参考文献やURLを明記しておくことで、後から参考にした資料や該当箇所をスムーズに検索可能になります。効率的に加筆や修正を行えるだけでなく、今後資料の参照が必要になった場合でもスムーズに検索できます。

引用・参考文献・URLを正しく書く理由
  • 学術、ビジネス上でのルールであるため
  • 意見の根拠や正確性を証明するため
  • 参考にした資料や箇所を分かりやすくするため

 

社会人として引用・参考文献を明記するルールを把握しておこう

本記事のまとめ
  • 引用内容を記載する理由は、意見の根拠や正確性を証明し、参考にした資料や箇所を分かりやすくするため
  • Webサイトからを参考にした場合は「引用の引用」に注意する

本記事でご紹介したように、書籍やページを引用した場合には必ず引用元の記載が必要です。

無断で掲載してしまうと、ビジネス文書といえども盗用や剽窃に繋がってしまいます。

本記事を参考に、引用したデータや書籍ごとの適切なルールを守りながら、しっかり文書内に記載していきましょう。

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