オバマ大統領が「格差問題」を主張
先日行われた米中間選挙では様々な問題が争点となりました。その中でオバマ大統領が重要な課題としていたのは、アメリカで深刻化し続けている「格差問題」。
オバマ大統領は就任当初からこの問題に力を入れていたものの、共和党の反対もあり、なかなか成果を出せずにいました。
なぜ格差が拡大しているのか?
アメリカの格差はこの100年間で最大と言われるほど拡大しています。ここまでアメリカの格差問題が深刻化してしまったのには、2つの原因が。
富裕層に対する優遇政策
停滞していたアメリカの経済成長率を改善させるために、ブッシュ元大統領が行っていたのが「富裕層優遇政策」でした。これは、累進課税であった個人所得税の最高税率を引き下げ、遺産税の減税・免税を行うもの。最終的に遺産税は0%にまで引き下げられました。
これを問題視したオバマ大統領は富裕層優遇政策の廃止を求め、共和党との協議や政策延長を経て、2013年3月に富裕層への優遇政策は終了。2012年までは、この政策がアメリカでの格差問題を拡大させていました。
富裕層と貧困層の分離
富裕層優遇政策が終了したにもかかわらず、拡大を続けるアメリカの格差。もう一つの原因は「富裕層と貧困層の分離」です。
富裕層が自治体や税制等の全システムを創設したサンディ・スプリングス市では、警察と消防を除く全ての業務を民間に委託する等、劇的な経費削減が行われています。結果、富裕層が払った税が貧困層に使われるという富裕層の不満が解消。今後も富裕層による自治体が拡大していくと見られています。
しかし、これまで富裕層が負担していた財源の多くが無くなり、サービスが上手く回らなくなったことによって、貧困層には多くの被害が生まれています。自治体の予算の削減による、ゴミ収集車の台数の削減や公立病院の業務縮小等、公共サービスの欠陥が発生する等まだまだ課題は山積みのようです。
1つの国の中に富裕層と貧困層が存在している状態のアメリカ。今後の国のあり方が問われています。
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