社員が自由に勤務時間を選択できるのが、フレックスタイム制のメリットですが、この時間だけは必ず勤務していなくてはいけない「コアタイム」というものが存在します。
コアタイムの目的は共同作業時間の確保や、ミーティング時間など企業によって様々ですが、コアタイムの設定を誤るとフレックスタイム制のメリットを最大限活用することができなくなってしまうでしょう。
コアタイムを設定する際は、どんな点に注意すればよいのでしょうか。今回は、フレックスタイム制における適切なコアタイムの設置方法について解説します。
コアタイムの意味を考える
フレックス制におけるコアタイムとは、その時間は確実に勤務しなければならない時間です。コアタイムを長く設定すれば、社員の時間選択に関する自由度は低下することになり、コアタイムを短く設定すれば社員全員が揃う時間が短くなります。
実は、フレックス制を導入する場合でもコアタイムを必ず設けなければいけないというものではありません。社員の自由度を最大限に尊重するのであれば、コアタイムを設置せずに完全に自由な状態で勤務時間を選択させるという方法もあります。
コアタイムの設置時間を最適化するためには、コアタイムの意味を考えなくてはいけません。社員が揃わなくても仕事ができる環境が確保されていれば、コアタイムを設置するメリットは低いですし、社員が揃っていなければ効率が下がってしまう仕事が多ければ、コアタイムを長めに設定する必要があるでしょう。
重要なのはコアタイムの長さではなく、コアタイムを何に活用するのかということです。目的によって最適な設置時間は異なるので、コアタイムの活用方法を考えた上で時間を決めるのが適切なコアタイムの設置に繋がります。
社員の自由度を考える
コアタイムとは、会社が社員を確実に拘束する時間でもあります。一般的に9時5時といわれるような勤務時間の場合、9時から5時まで労働時間のすべてがコアタイムになっていると言い換えることもできるでしょう。
フレックスタイム制を採用したとしても、コアタイムの設定がふさわしくないものであれば、社員の時間選択自由度は低下してしまいます。午前9時から10時までをコアタイムとして設定した場合、社員は一般企業と同じような勤務時間を選択せざるを得ず、時差通勤や変則勤務といったフレックスタイムのメリットを全く生かせなくなってしまうでしょう。
コアタイムを設置するのは、最も多くの社員が選択するであろう時間帯の中心部分に設置するのが適切な方法です。午前11時から午後2時までをコアタイムとして設定すれば、早く出社した社員は早めに帰宅することが可能になり、出勤を遅らせたい社員は11時までに出社するという選択が可能になります。
コアタイムをどのように設置するかによって、フレックスタイム制の利便性は大きく変わります。社員のメリットと労務管理の効率を考えたうえで、適切な時間帯にコアタイムを設置してください。
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