「環境を変えて、新たな気持ちで仕事を再スタートさせたい」と思ったとき、選択肢は2つあります。それは「休職」と「転職」。自分の置かれている状況や、会社の制度によっても変ってきますが、その選択は基本的に個人の自由意志に委ねられていると考えていいでしょう。
では、どちらを選ぶべきなのか。それぞれのメリットとデメリットを紹介するので、判断の参考にしてください。
「休職」のメリットとデメリット
ひと口に休職と言っても、いくつかのケースがあります。怪我や疾病の治療のために長期入院や加療が必要なケースと刑事訴追を受けたケース。この2つは「自由意志ではない、やむをえない休職」ですので、ここでは対象としません。
もう1つが、育児・出産あるいは親の介護などの家事事情による休職と、自己啓発のための研修や留学などを目的とした休職で、「依願休職」と呼ばれています。ここで扱う「自由意志による選択」は、この依願休職のケースです。
依願休職のメリットは、仕事が保障されており、復職後の仕事がスムーズに再開できるということ。ほとんどの場合、同じ職場に復帰するわけですから、新しい仕事を一から覚える必要は当然ありません。職場の人間環境も、休職前とほとんど変わっていないでしょう。また、休職中も、再就職の心配をしないで過ごすことができます。親しい同僚がいれば、休職中もさまざまな情報を聞くことができますので、より安心することができるのです。
デメリットは、精神的に「後ろめたさ」を感じてしまいやすいこと。「自分が休んでいる間、職場の上司や同僚に迷惑がかかっているのではないか。申し訳ない」という気持ちになりがちです。また、復職したときも、「周りの自然が冷たく感じられる」といったケースも少なくありません。復帰後、すぐに戦力になることが期待されますので、そのプレッシャーもあるでしょう。要するに、精神面でのデメリットが複数あるということです。
「転職」のメリットとデメリット
転職のケースでは、上記のような精神的デメリットはありません。まさに自由意志で、自分の望む業種、職種、企業を選択することができるのです。特に、現在の仕事に不満があったり「このまま、この仕事を続けていていいのだろうか」と疑問に感じたときには、思い切って環境を一新するという方法も有効でしょう。
ただし、転職にはデメリットもあります。それは、「仕事が保障されていない」ということ。休職の場合は、復職する段階で仕事が保障されています。ですから、その心配をせずに休むことができるわけです。しかし、転職はそうはいきません。
年齢によっても違いますが、必ず次の仕事が見つかるという保証はないため、不安定な立場におかれますし、経済的な不安も生じるでしょう。ですから、転職の場合は人生設計をきちんとした上で、計画的に行う必要があります。
休職にしろ転職にしろ、人生の大きな転機です。自分の事情や人生設計に応じて、慎重な判断、選択をすることをおすすめします。
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