「マルチタスクで物事を考える」ということを得意とする人と得意としない人がいるでしょう。例えば、どちらかというと女性はマルチタスクに行動でき、男性は苦手であると言われます。では、マルチタスクで物事を考えるのが苦手な人にはどのような特徴があるでしょうか。今回はそれを考えてみようと思います。
1. 常に自分をリセットして物事を考える
例えば、ルーチンワークというものがあります。作業の流れが決まっており、慣れてくるとほぼ自動的に手が動くようになるような、ある一定の法則のある作業です。このルーチンワークは、その良し悪しは別として、ほとんどの人は慣れるとさほど苦労することなくできるようになります。そしてこのルーチンワークに慣れることが、マルチタスクにつながっていくのです。
しかし、中にはそのルーチンワークが苦手な人がいます。流れが決まっており、何度もそれを行っているにも関わらず、ふとしたタイミングで順番を間違えたり、自分なりのやり方でやってしまう人です。
そのような人はルーチンワークだけではなく、「自分の中に決まりごとを作るのが苦手」な人です。逆に言うとそのような人は、常に自分をリセットし「現時点で何をすれば最も効果が上がるか」ということを無意識に考えているのではないでしょうか。
例えばイチロー選手は、毎回同じタイミングで同じ動作をして打席に入ります。これはルーチンワークです。しかし、実際のイチロー選手は、「現時点で何をすれば最も効果が上がるか」ということを常に考えて打席に入っています。このため、変化させてはいけないことまで、変化してしまうのを防ぐために、一定の動作を「あえて」ルーチン化しているのです。
イチロー選手が他の人と異なる圧倒的な好成績を残した理由は、「常に自分をリセットしているにも関わらず、ルーチンワークを意識し、マルチタスクに融合させることができた」からと言えるでしょう。
2. 物事を俯瞰して見れない
先ほどのイチロー選手の例は、常に自分をリセットして物事を考え、かつルーチンワークによって不必要な変化を避けているという、貴重な例です。打席での自分を俯瞰して、必要なところで必要なルーチンワークを的確に行い、かつ自分を常にリセットしてそのときに最もベストな方法を選択しています。しかし、実際の社会ではなかなかそうはいきません。
私たちの前にはやるべきことが不定期に、しかも様々なボリュームで突如現れます。マルチタスクが得意な人は、このようなケースでも全体を俯瞰したうえで物事の優先順位を決め、巧みなスイッチングによってマルチタスクで物事を考えることができるのです。しかし、物事を俯瞰するのが苦手で、目の前のことを1つずつ考えてしまう人は、目の前のものからとりあえず片づける、という発想になります。
マルチタスクで物事を考えるのが苦手な人の特徴は、「自分をリセットしてしまうため流れで物事を見ることが苦手」であり、「一歩引いてバードビューで物事を見るのが苦手」な人であると言えるでしょう。
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