仕事の取引先の葬儀に参列した際、思わぬところでマナー違反をしてしまうこともあります。葬儀は社会人としての常識を試される場であり、さらに今後の取引をより円滑に進めるための大切なビジネスシーンと言ってもいいでしょう。 マナー違反をしないための、いくつかの注意点を紹介します。
通夜か告別式どちらかしか参列出来ない時は
取引先の訃報に接したとき、まず判断しなければならないのは「通夜と告別式のどちらに参列するか」ということです。できれば両方に参列するのがベストのマナー。ただどうしても両方は無理という場合は、可能な限り告別式を選ぶべきでしょう。葬儀のメインはあくまでも告別式だからです。
次に「弔問するタイミング」という問題が出てきます。お通夜ならできるだけ早く弔問し、告別式ならば式がある程度進行したタイミングで訪れることをおすすめします。というのも、告別式の最後の「出棺」まで残って、御遺体をお見送りしたほうが、マナーによりかなっているからです。 御遺族だけでなく、取引先の葬儀には社内、社外の関係者が参加しますから、「最後まできちんとつき合ってくれた」という好印象も残せるでしょう。
服装は細かいところまで気を配る
服装について、基本的な常識は、社会人であれば知っていると思います。その前提で、いくつかの注意点をお話しします。
まず、これは案外多く見かけることですが、特に男性で、上着のボタンをきちんとはめていない人がいます。これは明らかなマナー違反。取引先の葬儀は、これ以上ないフォーマルな席です。そんなシーンで上着の前をはだけているというのは、「社会人としての自覚がない」と思われてもしかたありません。
また、冬場は着ていたコートを脱いで参列するのがマナー。クロークがあればそこに預け、なければ腕に抱えるなりして、とにかくコートなしで弔問しなければなりません。
もう1つ、「靴下」の問題があります。今はほとんどの葬儀がセレモニーホールなどで行われますが、自宅での葬儀というケースもありえます。その場合、当然靴を脱いでお宅に上がるのですから、靴下が目立ってしまいます。色物や柄物はマナー違反。会社に常に黒の靴下を用意しておけば、急な弔問でもあわてないですむでしょう。
仏式以外の葬儀のマナー
日本の葬儀はほとんどが仏式で行われますが、取引先の方によっては神式やキリスト教式の葬儀というケースもあります。 服装は仏式と同じですし、香典は「御霊前」の袋を用意すればマナーに反しません。一番の違いが、仏式の「焼香」が神式では「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」に、キリスト教式では「献花」に代わることです。
いずれの場合も、神官や係りの人から手渡された玉串もしくは花を、祭壇に手向けます。このとき、玉串も花も、茎のほうを霊前に向けるのがマナー。つまり葉や花を自分の側へ向けるわけです。 なお、神式の場合は神社にお参りするときと同様、奉奠したあとで「二礼二拍手一拝」をします。ただし、拍手の時に「ポンポン」と音を立ててはいけません。キリスト教の場合は、献花したあとで静かに黙祷するだけです。
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