ビジネスで成果を出すための大切な要素の1つである行動力。並外れた行動力でキャリアやビジネスを切り拓いているビジネスパーソンたちは、その行動力をどうやって身につけたのでしょうか。
株式会社Follop 代表取締役社長の富山知輝(とみやま かずき)さんは、大学1年次に設立した国際協力学生団体でネパールに図書館を設立。大学3年次に半年間アメリカ留学した後、帰国後の2週間でさまざまな投資家やVCをまわって会社登記と資金調達を完了させ、学生起業しました。
そんな行動力溢れる富山さんですが、かつては今ほど行動的ではなく、初対面の人に話しかけるのも苦手だったそうです。
力強い行動力をどうやって身につけたのか?自分の好きなこと・得意なことをするために心がけていることとは?富山さんに取材しました。
インフルエンサーマーケのFollop
株式会社Follopは、登録インフルエンサー数1万人以上のマイクロインフルエンサーマーケティングプラットフォーム「Follop」や企業のSNS運用を代行する「Follop SNS運用代行」など、インフルエンサーを基軸としたさまざまなマーケティングソリューションを提供する2019年3月創業のスタートアップ企業。
“個人の価値が評価される世界を創る”というビジョンのもと、効率的で透明性が高く、インフルエンサーの満足度が高いインフルエンサーマーケティング事業を展開しています。
アメリカ留学がキャリアの転機に
同社代表取締役社長の富山知輝さんは1997年7月生まれ、現在23歳。
大学では工学部機械系システム学科に所属していましたが、2019年3月、大学3年次に起業して同社を設立。翌年に大学を中退し、現在は同社の事業に専念しています。
-----もともとはどのようなキャリアを思い描いていたのですか?
富山さん:宇宙や航空関係、モノづくりに興味を持っており、そういった仕事に携わりたいと思っていたため、工学部の機械系システム学科を選択しました。
-----いつ頃から起業を考えるようになったのですか?
富山さん:転機になったのはアメリカ留学です。
留学先で海外のビジネスに触れたことや、さまざまな起業家を見る機会に恵まれ、「自分もやってみたい」という想いが強くなり、帰国後に起業しました。
生活費稼ぎに始めたSNSが起業のきっかけ
-----起業を決断した具体的なきっかけを聞かせてください。
富山さん:アメリカ留学の際に奨学金を申し込んだのですが全て落ちてしまい、お金がありませんでした。
どうやってお金を稼ぐか思案し、アメリカの情報や英語について発信するSNSの運用を始めたところ、ファンやスポンサーが付き、次第にお金を稼げるようになったことが大きなきっかけです。
“こんな風に、自由に好きなことをやることが誰かの価値になる世界を実現したい”と思い、起業を決断しました。
-----SNSでの発信力はどうやって身につけたのですか?
富山さん:いろいろな人のSNSを参考にしながら発信しつつ、セルフブランディング力などを身につけました。
自分がより成長できそうな道を選択
-----起業後、大学を中退したのはなぜですか?
富山さん:20代の時間の使い方を考えた時に、事業をやったほうが、より自分が成長できるのではないかと思いました。
宇宙や航空関係の仕事をしたいというもともとのキャリアを選んだ場合、大学院にも通う必要があるので、あと3年は大学で過ごすことになります。
研究をやるか、事業をやるか…20代の時間をどう使うか考え、より成長が期待できる事業に専念することにしました。
-----キャリアを決断するにあたって、軸となった考え方や出来事はありますか?
富山さん:アメリカ留学の際にSNSでお金を稼ぐことができ、「自分は1人でも生きていける」と思えるようになったことが大きいです。
「それだったら、なんでもチャレンジしてみよう」と勢いにのって行動することができました。
大切なのは、まずやってみること
富山さんは、大学1年次に設立した国際協力学生団体でネパールに図書館を設立。岡山で主催した国際交流パーティなどのイベントでは、異例の100人を動員したそうです。
また、起業にあたっても、2週間でさまざまな投資家やVCをまわって会社登記と資金調達を完了させるなど、さまざまなシーンで力強い行動力と集中力を発揮しています。
-----もともと行動的な性格だったのですか?
富山さん:いえ、そうではありませんでした。
行動的になったのは、大学1年生の時、人生初の海外旅行でタイに行ったことがきっかけです。
現地の人たちが文法や間違いを全く気にせず、「伝わったらいい」というスタンスで英語を話しているのを目の当たりにし、日本とは違うその考え方に衝撃を受けました。
また、タイでは月5万円ほどあれば、十分生活していくことができます。もし日本で失敗したとしてもタイで暮らしていく選択肢もあるのだから、それなら日本でいろいろ挑戦してみようと思えるようになりました。
-----行動するにあたって大切にしていることはありますか?
富山さん:とにかくアウトプットをすることこそが最もインプットにつながる、と考えています。
例えば、英語を習得した際も、まず外国人と友達になって話す機会をつくったことで最短で成長することができました。
大切なのは、まずはやってみること。
起業の際にも、下準備やリサーチを行うよりもやってみることが最も成長につながると考えて、まず行動しました。
挫折や失敗は捉え方次第
-----いろいろ行動的に活動されていますが、不安や迷いはありませんか?
富山さん:不安は常にありますし、わからないことだらけです。
ただ、不安に思っていることは、周りの経営者にアドバイスをもらいながら解決に向けて動くようにしています。
-----これまでに挫折や失敗したことはありますか?
富山さん:挫折や失敗というのは、捉え方次第なのかもしれません。
他者から見たら失敗だと思われることもあるかもしれませんが、自分では失敗や挫折とは思うことはほとんどありません。
-----困ったり悩んだりした時は、どう乗り越えていますか?
富山さん:悩みというのは情報量の少なさに起因していると思うので、悩んだときは、経営者など周りにいる先輩にアドバイスしてもらったり、本を読んで参考にしたりしています。
読む本は、ビジネス書や自伝、流行っている本などさまざまです。
例えば、採用に困っているときは採用系の本、リモートワーク導入で悩んでいるときはリモートワーク関係の本といった風に、“その本が、現在の自分の悩みに対して解決策となり得るか”ということを一つの軸として本を選び、スキマ時間や土日を利用して読んでいます。
また、サウナに行く、瞑想するなど、1人の時間をつくることも日常的に心がけています。
周りを気にせず、1人で何かやってみよう
-----これまでを振り返って、「これはやってよかった」「おすすめ」という経験や行動を教えてください。
富山さん:周りを気にせず1人で何かに挑戦した経験です。
珍しい挑戦や簡単だけど周りからはすごいと思ってもらえる挑戦は、たくさんあると思います。僕は、そういった挑戦を通して、自分の不必要なプライドをなくせたり、周囲の目を気にしない心の強さを得たりすることができました。
例えば、僕はもともと、初めての人に話しかけることが苦手だったのですが、大学時にヒッチハイクで岡山から東京に行く挑戦をしたことで、誰にでも話しかけることができるようになりました。
そうやって身に付いた“話しかける力”は、ビジネスの出会いを逃さずに自分から話しかけることができる、初めて会う人とも臆さず会話できる、といった自分の強みになり、仕事でも役立っています。
行動することで新しい視点に気づく
同社は、「Do what you love(本当に自分の好きなことをすること)」「Do what you are good at(本当に自分の得意なことをすること)」「Challenge always(常に新しい挑戦に挑み続けること)」をバリューに掲げています。
-----それを実現するために、富山さん自身が心がけていることは何ですか?
富山さん:僕自身、まだ20代前半なので、何が本当に自分の好きなことなのか、得意なことなのかはわかっていないと思います。
ですので、いろいろなことに挑戦して実際に体験することで、それが本当に好きなのか、得意なのかを見極めるようにしています。
-----最後に、「行動力が欲しい」と思っている人に何かアドバイスをいただけますか?
富山さん:“行動力”という概念を具体的なものに変えるためには、まず、先のことは考えずに、小さくてもいいので具体的なことを何かやってみるといいのではないでしょうか。
1人で何かしら行動してみることで、これまで見えていなかったものが見えてくることがあると思います。
また、やることを周りに宣言して、やらざるを得ない状況をつくるのもおすすめです。
タイ旅行やヒッチハイク、アメリカ留学時に始めたSNS運用など、具体的なアクションを積み重ねることで行動力を磨いてきた富山さん。
「アウトプットをたくさんすることが、最もインプットにつながる」「大切なのはまずやってみること」という富山さんの考え方を参考に、未来につながる第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
出典元:Follop
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