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幸せな食体験で世の中を元気に!モバイルオーダー「SmartDish」23歳社長に学ぶ、行動に移すためのヒント

長澤まき

2021/05/28(最終更新日:2021/05/28)


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提供:株式会社CARCH/代表取締役社長 中村太一さん

コロナ禍により社会が大きく変わり、先行き不透明な状況が続いている昨今。「今は行動するタイミングではないのではないか?」「いろいろ挑戦したいと思ってはいるけど、動くに動けない…」と一歩踏み出せないでいるビジネスパーソンは多いのでは?

しかし、このような状況の中でも、“幸せな食体験で世の中を元気にする”ことを目指し、積極的にビジネスに挑戦している若者がいます。

株式会社CARCH(カーチ) 代表取締役社長の中村太一さん(23歳)は、コロナ禍の真っ最中である2020年9月に、モバイルオーダーサービス「SmartDish(スマートディッシュ)」をリリース。今年4月には、より快適なサービスを目指して、同サービスの機能を大幅アップデートしました。

なぜ、コロナ禍の最中に新しいサービスを生み出し、育てているのか?その行動力はどのような考え方に支えられているのか?中村さんに取材しました。

価値と価値にアーチをかける

株式会社CARCH 代表取締役社長の中村太一さんは、1997年7月生まれ、現在23歳。

2019年7月、大学4年の時に学生起業し、株式会社CARCHを設立しました。翌2020年9月に、スマホから事前に料理の注文と来店時間を予約することで、飲食店での待ち時間を削減する次世代モバイルオーダーサービス「SmartDish」をリリース。

入店前の待ち時間や料理提供までの時間など、飲食店での待ち時間を削減できるだけでなく、事前決済により会計に並ぶ必要もなくなることで、人との接触を大きく減らすことができる、コロナ禍のまさに今嬉しいサービスです。

自分の成長を考えて“起業”の道へ

中村さんは、なぜ“学生起業”というキャリアを選んだのでしょうか。

-----就職という選択肢はなく、最初から起業したいと考えていたのですか?

中村さん:大学1・2年生頃までは、就職も視野に入れていました。

-----起業を志すようになったきっかけは?

中村さん:僕は人生において、“人々が働く場所”と“暮らす場所”をもっと良くしたいという想いを持っていて、働く場所をよくする=起業家と、暮らす場所を良くする=建築家のどちらの道に進むか迷っていました。

起業家の道を選んだのは、専門性の高い建築家よりも、幅広くいろいろなことに取り組める起業家になったほうが、より成長できるチャンスに出会うことができると思ったからです。

ただ、建築家の道も諦めたわけではなく、起業家の経験や知見を活かして、将来的には建築家としても活動したいと考えています。

デジタルとリアルが融合した世界を広げたい

-----キャリア選択の判断基準となった、考え方の軸を教えてください。

中村さん:「どんな世の中をつくりたいのか」「会社として、どんな世の中をつくっていけば面白いか」を考えた結果、デジタルとリアルの融合に取り組みたいと思い至りました。

そうして、様々なOMO(オンラインとオフラインの境界線をなくしたサービス)に触れるために中国やインドに視察に行ったことで、そのサービスの面白さを再発見し、「日本にも、オンラインとオフラインが融合した世界を広げたい」という想いが強くなりました。

-----起業を志してから、起業に向けてどのように動きましたか?

中村さん:VC(ベンチャーキャピタル)にTwitter等でアポを取って会いに行き、事業アイデアの壁打ちをさせていただきました。

また、もう一つ力をいれたのは、同じビジョンに共感してくれる仲間を集めることです。Twitter等を活用して、ベンチャーに興味を持ってくれそうな学生を探し、月に60人ほどの学生に会いました。その時に出会ったのが、今のCTOの茂呂です。

コロナ禍から生まれたサービス

-----SmartDishを発案したきっかけは?

中村さん:1回目の緊急事態宣言が明けてしばらくした2020年6月頃、商店街のある店舗のシャッターに「やむを得ず閉店します。踏ん張りましたがダメでした。16年間ありがとうございました」という張り紙が貼られていました。

長年愛されてきたお店が閉店せざるを得ない状況に追い込まれていることにショックを受け、「まだデジタル化が進んでいない飲食店分野で、自分たちの能力を活かしてリアル×デジタルのビジネスに挑戦したい」と思ったことがきっかけです。

当時、コロナ禍ということでテイクアウトやデリバリーの波が来ていたのですが、自分たちは“店内で食べる価値を最大化したい”と考え、店舗×テクノロジーの切り口でSmartDishを立ち上げました。

熱意&スピード感をもって、事業を展開

-----起業を志してからこれまでにどのような困難があり、それをどう乗り越えましたか?

中村さん:起業当初、まだプロダクトができていないフェーズで、登録してくれる店舗を集めることが大変でした。

話さえ聞いてもらえないことも多かったので、店舗に何十回も足を運んで実際に飲食したり、飲食店の方と会話をしたりといった行動を積み重ねているうちに、次第に話を聞いてもらえるようになりました。

もう一つ苦労したのは、エンジニアの組織をつくりあげることです。

先ほどお話したように、メンバーを集めるに際に“ビジョンに共感してくれること”に重点を置いていたこともあり、SmartDishのシステムをつくった弊社CTOの茂呂をはじめ、集まったメンバーは全員がエンジニア未経験でした。

そこで、他のスタートアップの優秀なCTOの方に外部顧問になってもらい、日々ディスカッションできる環境を作るなど、エンジニアとして成長できる環境を整え、プロダクトをつくりながらエンジニア集団の育成に取り組んだ結果、未経験からおよそ3カ月でサービスを作り上げました。

朝から晩まで懸命にエンジニアとしてのスキルを磨き、スピード感を持ってサービスをつくり上げてくれたメンバーには、とても感謝しています。

-----スピード感を持って動くためにどのような工夫をしましたか?

中村さん:モチベーションを維持することと、外部の優秀なCTOを巻き込むことの2つです。

モチベーションを維持し、スピード感を持って取り組む意識を高めるために、「何のためにやっているのか」「なぜ、いち早くプロダクトをつくる必要があるのか」といった目的や目指している最終ゴールを毎日伝え続けました。

提供:株式会社CARCH/CTO 茂呂涼さん

長引くコロナ禍でも目指すものは変わらない

-----コロナ禍が長引いていますが、どのような影響がでていますか?

中村さん:コロナ禍により、社会の状況や飲食店のニーズ、方向性など、さまざまなことが不安定になっていますが、自分たちが目指しているものは一切変わっていません。

-----これから、会社や事業をどのように成長させていきたいですか?

中村さん:CARCH(カーチ)という社名の通り、“外食の面白さの神髄という価値”と“エンジニア集団の能力という価値”をかけ合わせて、一歩先を行く、ユーザーの方々がワクワクするようなモバイルオーダーを提供したいと思っています。

行動を伴わない想像は意味がない

-----中村さんがこれまでを振り返って、「これはやって良かった」「おすすめできる」と思う経験や行動、学びはありますか?

中村さん:弊社のホワイトボードには、創業以来ずっとチャップリンの「Imagination means nothing without doing(行動を伴わない想像は意味がない)」という言葉が書かれています。

この言葉を常に意識し、浮かんだアイデアを行動に移すことを心がけ続けてきたことが、今に繋がっていると思います。

-----行動に移すために、心をどのように奮い立たせていますか?

中村さん:自分ならではの行動指針を持ち、自分が心の底からやりたいと思っていることだけを行動に移すようにしています。

それをするにあたって役立ったのは、自分の内面をしっかりと見つめなおしたことです。

自分自身を因数分解して、自分に欠かせない要素と失ってもいい要素を把握しておいたことで、何かアイデアが浮かんだ時に、それは本当に自分が心からやりたいことなのかどうか迅速に判断して、行動に移すことができるようになったと思います。

コロナ禍にただ心を痛めるだけではなく、それを解決に導くためのサービスを自ら生み出し、成長させている中村さん。同社のサービスが今後、コロナ禍で厳しい状況にある飲食店や閉塞感を感じている人々にワクワクを提供してくれることに、期待が高まります。

「何が自分にとって本当に大切なことなのか?」「自分にとって欠かせない要素は何か?」は、常日頃から自分と向き合って考えていないと、なかなかパッとは思いつかないのでは?いざという時に迷わずに行動に移す判断をするために、自宅で過ごす時間が増えている今、自分を見つめなおしてみてはいかがでしょうか。

出典元:SmartDish

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