HOMEインタビュー 「自分から動かないと世界は広がらない」常識の再発明に挑む25歳起業家に聞く、具体的な目標・人脈のつくり方

「自分から動かないと世界は広がらない」常識の再発明に挑む25歳起業家に聞く、具体的な目標・人脈のつくり方

長澤まき

2021/02/13(最終更新日:2021/02/13)


このエントリーをはてなブックマークに追加

提供:demmpa/三井滉平代表取締役

「起業して自分ならではのビジネスを展開したい」「社会で成功したい」と思っているが、具体的に挑戦したい事業や人脈がない、どのように動けばいいのか分からないといった理由で、一歩踏み出せないでいる若手ビジネスパーソンは多いのではないだろうか。

個人のキュレーションメディア「knower(ノワ―)」などを手がける株式会社demmpaの三井滉平代表(25歳)は、起業を志した当初は明確な事業案を持っておらず、起業仲間や人脈もなかったが、「起業したい」という想いのもと、自ら動くことで目標や人脈を作り出し、2020年1月に同社を創業した。

どのようにして目標や人脈を手に入れることができたのか?三井代表に話を聞いた。

「常識を再発明する」がミッション

三井代表は1995年生まれの25歳。

「常識を再発明する」というミッションを掲げ、誰もが簡単にまとめ型のコンテンツを作成できる個人のキュレーションメディア「knower」や、新しいコミュニケーションの在り方を提案するオンライン手紙作成サービス「tegami」等を運営している。

また、U25の起業家コミュニティ「未来起業家交流会」代表理事として、起業相談や企業に向けたセミナーにも登壇。新しい常識を創り出すことを目指して、積極的に活動している。

目標を定めるために、多様な人に出会う

-----起業した経緯を教えてください。

三井代表:高校生の頃から起業したいと考えていました。

大学進学を機に長野県から東京に引っ越し、経営学部で学びつつ、起業を目指していろいろなイベントに参加していました。

ただ、当初は「起業したい」という思いはあったのですが、具体的に何をするかは決めていなかったので、企業の社長などいろいろな人に会って、事業内容や考えなどいろいろな話を聞き、“自分は何をやりたいのか”を探しました。

そうして、まずは個人事業主としてシェアハウス事業を始めたという。

三井代表:シェアハウス事業を始めた理由は2つあります。

1つ目の理由は、知り合いが手掛けていたシェアハウス事業に魅力を感じたこと。

2つ目の理由は、人が集まる場所をつくっていろいろな人に出会えば、その中で、自分自身のやりたいことが見つかるのではないかと考えたことです。

既存サービスの背景や不足点を分析

個人事業主として4~5年活動した後、以前から抱いていた「常識を再発明したい」「世の中の常識を変えたい」という思いが強くなり、それを実現するために同社を設立したという。

三井代表:「全人類が使うようなサービスを作るにはどうすればいいのか」ということを考えるようになり、IT・テクノロジーに着目しました。

サービスのアイデアを出すにあたっては、現在世界で使われているFacebookやInstagram、Amazonといったサービスが生まれた過程や、その足りない点を一つ一つ探して分析し、事業に落とし込んでいきました。

-----起業を決断してから会社を立ち上げるまで、どのように動きましたか?

三井代表:“起業”と名のつくイベントに手当たり次第に参加したり、興味のある企業の社長に話を聞かせてもらえないかダイレクトメールで連絡したり、人づてに紹介してもらったりと、あらゆる手段を使って、起業やビジネスの仲間と出会ったり、人脈を作りました。

そうすることで、起業を志す仲間に囲まれる環境ができあがったので、起業にあたっては心理的なハードルを感じることはありませんでした。

-----“常識を再発明”するサービスのアイデアを出すために、どのような工夫をしていますか?

三井代表:常日頃から、世界中のさまざまなサービスに触れるようにしています。

新しく生まれたサービスがどのような思想で作られているのかといったことなどをインプットし続けるために、日々、SNSやニュース等をチェックしています。

また、意識的に“未来のことを考える時間”を作って、集中してサービスや企画について考えるようにしています。

迷った時は根本に立ち返る

「常識を再発明する」という新しい挑戦をするにあたって、悩むことや迷うことはないのだろうか。

-----困難や迷いを、どのようにして乗り越えていますか?

三井代表:根本に立ち返るようにしています。

事業で迷った際には、「“世の中の常識を変えたい”という目標に、この意思決定は沿っているのだろうか」「戦略や方向性は、そもそものサービスの構想・価値に沿っているのか」と、常に根本に立ち返っています。

また、辛さを感じた時にも、「自分はなぜ起業したのか?」と何度も立ち戻ることで、「やはり起業家として生きていきたい」「この道を進みたい」という思いを再確認し、乗り越えています。

-----今後のビジョンについて、どのように考えていますか?

三井代表:個人のキュレーションメディア「knower」を広げ、最終的には“経済圏”を作りたいと考えています。

ゆくゆくは、同サービスを決済までできる検索プラットフォームにする。そして最終的には、knowerを経済圏にし、その決済手数料の一部を社会貢献のために使う、サスティナブルなエコシステムをつくることをゴールとしています。

提供:demmpa

若い=可能性に賭けてもらえる

自社の事業を展開するだけでなく起業家コミュニティを立ち上げたのは、“本気で起業を志している同世代の仲間が欲しい”と考えたのが最初のきっかけだという。

同コミュニティには現在、起業したいと考えているがやりたいことが明確ではない人や、やりたいこをどうやって形にしていけばいいか悩んでいる人など、多くの起業志望者が集まっているそうだ。

-----起業家コミュニティを運営する中で、現在の若者にはどのような強みやチャンスがあると思っていますか?

三井代表:「可能性に賭けてもらえる」という点が、大きいです。同じスキルを持っていても、年が若いと将来の成長の可能性も含めて、高く評価してもらえることがあります。

学生起業に絞って言うと、保障がある状態で挑戦できることが大きなメリットだと思います。サポートも充実していますし、例え失敗したとしても、新卒で就職することもできます。

また、まだ扶養しなければいけない家族もおらず、最低限自分の生活さえ担保できれば何にでも挑戦できるという状況は、若いうちだけなのではないかと思います。

提供:demmpa/交流会の様子(2019年8月開催)

今は「世界を広げること」が大切

-----最後に、挑戦したい・成果を残したいと考えているビジネスパーソンに、おすすめする行動はありますか?

三井代表:世界を広げることがとても大切だと思います。

自分から動かないと世界は広がりません。自分は、行動してさまざまな人と出会うことで、多様な生き方を知ることができ、世界が広がり、生き方・選択肢が広がりました。

多種多様な生き方・働き方をしている人を知ることで、知らないことに挑戦する不安も和らげることができ、挑戦の幅が広がると思います。

SNSでもYouTubeでも何でもいいので、世界を広げていろいろな道を知ることが重要なのではないのでしょうか?

また、三井代表は、成長に向けて効率的に努力するための一番のコツは「努力したいことを見つけること」だと話す。

三井代表:本当にやりたいことに出会ってしまえば、面白いゲームに熱中するように、それを努力とも思わずに行動していると思います。

目標に向かって努力するのも大切ですが、世界を広げることで、“自分が無意識に努力してしまうこと”を見つけることも大事なのではないでしょうか。

明確な目標や人脈、知識などが足りないからといって立ち止まるのではなく、自ら行動して人と出会い世界を広げることで、目標や人脈を獲得し、事業を展開している三井代表。

「まず行動し、世界を広げることで、目標や人脈を掴んでいく」というスタイルは、これから自分ならではのキャリアを切り拓いていきたいと考えている若手ビジネスパーソンの参考になりそうだ。

出典元:demmpa
出典元:knower

【関連記事】


hatenaはてブ


この記事の関連キーワード