HOMEインタビュー 食品業界のアップルを目指す!植物性「焼肉フェイクミート」を開発、ベンチャー社長に聞くマーケットの切り拓き方

食品業界のアップルを目指す!植物性「焼肉フェイクミート」を開発、ベンチャー社長に聞くマーケットの切り拓き方

長澤まき

2020/08/15(最終更新日:2020/08/15)


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提供:ネクストミーツ

地球救済をテーマにフェイクミート(代替肉)を開発するスタートアップのネクストミーツ株式会社は8月、植物性タンパク質(大豆)を原料としたプラントベースの焼肉用代替え肉「ネクスト焼肉シリーズ」を開発・商品化した。

カルビ風に仕上げた香ばしい味の「カルビ1.0」と、柔らかめの食感でジュワッと美味しい「ハラミ1.0」をリリース。一般的な焼肉と比べると脂質が半分以下で、タンパク質は約2倍。添加物を使用せず肉そっくりに作っているので、食感や風味を楽しみながら健康的なライフスタイルに移行していきたいという人にぴったりだという。

“フェイクミート(代替え肉)”という新しい市場を、どのように切り拓いているのか? 佐々木英之代表取締役に取材した。

提供:ネクストミーツ

提供:ネクストミーツ

地球環境の未来を考え立ち上がる

同社は、地球環境の今後を真剣に考え、それを具体的な行動に移していくために立ち上がったフードテックベンチャー。

動物性の肉に替わる「おいしい植物性の肉」を作って普及させ、新しいライフスタイルを提供しながら、地球環境を良い方向に変えていく流れを作っていきたいという考えのもと、“食品業界のアップル”を目指して商品開発に取り組んでいる。

今年7月にはフェイクミートハンバーガー「ネクストバーガー1.2」をリリース。同商品は、クラウドファンディングに目標を大きく上回る応援購入が寄せられるなど注目を集めている。(クラウドファンディングは8月30日まで実施)

同社の佐々木英之代表は、日本と海外(主に中国)でのオープンイノベーションを数多く手がけ、国境を超えた価値を作るフェイクミート研究家だ。

-----フェイクミート(代替え肉)事業に着目した経緯を教えてください。

佐々木代表:畜産の肉を代替肉に置き換えていくことで地球環境改善につながるということを知り、3年前から代替肉に関する研究を初めました。

以前は、海外で日本企業のオープンイノベーションをお手伝いする仕事をしており、いつか代替肉でも新しい事業をおこせないかと考えていました。

海外で触れてきたビジネスのスピード感や、ベンチャーとして社会課題に挑戦していく姿勢を学び、その経験を活かして今回の事業をスタートさせました。

わかりやすさ・新しさに着目し開発

-----フェイクミート商品として“ハンバーガー”と“焼肉”に着目した理由・狙いは?

佐々木代表:ハンバーガーはわかりやすい商品で、誰でも食べやすいというところから着目しました。海外のビヨンドミートなどもハンバーガーからスタートしているので、我々も原点として決めました。

焼肉については、このような商品を出しているところがないということと、プラントベース = 健康食で控えめなイメージがあるので、アスリートの方などにも受け入れてもらえるものとして開発を進めてきました。

結果として、栄養価も動物性の肉より優れていて食べ応えのある商品を開発することができました。

-----7月にリリースしたフェイクミートハンバーガー「ネクストバーガー1.2」への反響を教えてください。

佐々木代表:期待の声を多く頂きました。既に動物性食品を控えている方からは「このような商品を待っていた」という声もあります。

そして嬉しかったのは、我々のコンセプトである「地球の未来のために少しでも貢献したい」という想いに共感してくれる方が多かったことです。

提供:ネクストミーツ/ネクストバーガー1.2

まずは「知ってもらう機会」を作る

-----これまであまりポピューラーではなかったフェイクミートのマーケットを作り広げていくのは大変ではないですか?また、そのためにどのような工夫をしていますか?

佐々木代表:マーケットを切り開くことは大変だと思いますが、誰かがやらなければならないことだと思っています。

まずは知ってもらう機会、体験できる機会を作ることが必要であると思っています。自分たちでマーケットメイキングをする必要があるので、若い世代を中心にSNSなどでファンを増やしていきたいと思っています。

同社は、できるだけ多くの人にフェイクミートの現状を知ってもらうために、フェイクミートに特化したメディア「NEXT MEATS」を運営。

また、フェイクミートにおけるオープンイノベーションをテーマにした「フェイクミートコンソーシアム」を運営し、有識者や大学(生命科学・食品工学・遺伝子工学)などのネットワークから生まれるアイデアやバイオテクノロジーを駆使して、次世代の肉を日々進化させているという。

スピード感を大切にマーケットを拡大へ

-----新しいマーケットを広げていくにあたって、何が大切だと思いますか?仕事にあたっての考え方を教えてください。

佐々木代表:新しいマーケットを創っていくためには、我々のテーマである「地球を終わらせない」という思想と、代替肉とSDGsの関係性を知ってもらうことから始まると思っています。

“植物肉はヴィーガンが食べるもの”みたいなフィルターを外して、植物性に変えることが地球にも人間にも優しいということを知ってもらうこと。そのためにスピード感を持って広げていくことに重点を置いてます。

提供:ネクストミーツ

-----フェイクミート商品を今後どのように展開していこうと考えていますか?ビジョンを聞かせてください。

佐々木代表:現在リリースしている商品は、スマホのようにアップデートしていきます。商品も進化しながら、動物性の肉に近づけていき、最終的には追い越すというところまで狙っています。

そうなった時に地球の未来が変わると思っています。ですので、常に支えてくれるファンの存在は貴重です。

今はまだポピュラーではないこれからのマーケットを、環境・社会問題に着目して、分かりやすさとスピード感を持って切り拓いているネクストミーツ。

SDGsへの取り組みが世界中で注目を集めている中、同社のフェイクミート商品がどのように進化し広がっていくのか、楽しみだ。

出典元:NEXT MEAT
出典元:Makuake/ネクストバーガー1.2

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