傘のシェアリングサービス「アイカサ」を運営する株式会社Nature Innovation Groupは、ジップロックをリサイクルした傘のシェアリングサービス「Ziploc RECYCLE PROGRAM」を9月中旬よりスタートする。
旭化成ホームプロダクツを中心とした4社協働のプログラムで、まずは生産過程で出る端材や廃棄品を使用したリサイクル傘を製作し、西武池袋線の池袋駅~飯能駅を中心に都内で展開へ。使用済みジップロックや廃棄品を回収し、別のプラスチック製品に作り替えることで、廃プラスチック問題の解決に貢献する。
どのようにして他社との協働を実現させ、ビジネスを拡大しているのか?丸川照司代表取締役に取材した。
18歳で「社会に良いビジネスを」と志す
丸川代表は1994年生まれの25歳。
台湾と日本とのハーフで、4割ほどシンガポールなど東南アジアで育
19歳で子ども目線の反抗期カウンセラー、20歳にて株式会社ノジマでセールストップ10となり、
同サービスは現在、東京駅や新宿駅を始めとした都内全域と福岡・岡山・関西・名古屋などでサービスを拡大しており、傘スポットは約700か所・登録ユーザー数は約10万人を突破している。
-----「ジップロックを傘にリサイクルする」というアイデアは、
丸川代表:もともとアイカサの目指す未来として「
年間8000万本消費されている使い捨て傘を0にする」 ことを掲げており、設置場所の拡大、プロダクトの利便性向上、 そしてより環境に良い取り組みになれるように努力してきました。
傘自体にも工夫を施しており、 傘の骨が一本折れても骨を交換すれば直すことができます。
これらの取り組みの中で、廃材を傘の素材にし、 ゴミがアイカサに生まれ変わり、 世の中の傘ゴミをさらに減らす役割としての取り組みができたら素敵 だなとずっと思っていました。 そんな中、
Ziplocを展開する旭化成ホームプロダクツさんから「Ziplo cをリサイクルして、より環境に配慮した姿勢を強めていきたい」とい う取り組みの中でお声掛けいただきました。
“連携”と“役割”を両立して開発
旭化成ホームプロダクツから「ジップロックから傘を作って、それをアイカサでシェアすることができないか」というアイデアの相談を受け、同サービスのミッションや取り組みを話し、実現の可能性について協議したという。
丸川代表:素材との相性だけでなく、
目指す方向性がきれいにマッチし、実現することができました。
そうして旭化成ホームプロダクツとテラサイクル、BEAMS COUTURE、アイカサの4社でテストやデザインの作成を行い、世間に同プログラムを発表することができたそうだ。
-----他社と協働してプロジェクトを進めるにあたって大変なことはありましたか?また、それをどのように乗り越えましたか?
丸川代表:大変だったところは、今回関係する企業が多く、
それぞれに大事な役割があり、そこの連携と、 私たちにある役割をしっかりこなすことでした。
特に傘の本体の製造に関わるため、 テストやデザインの細かな調整、 また工場で作成したリサイクル材料から強度のある傘が作れるかな ど、新たな挑戦ばかりでした。
意義のある取り組みだけに前向きとワクワクした気持ちでいろいろな ハードルを素早く乗り越えられたと思います。
パートナーとして協働+先方の課題解決も
同社はこれまでにも、JRや私鉄・公共施設などへのアイカサ設置スポットの拡大、他社とのコラボ傘の展開など、他社と積極的に協働してビジネスを展開・拡大している。
-----ビジネスを拡大させるための協働相手をどのように見つけ、どのように協働につなげていますか?
丸川代表:環境問題の深刻化につれて、企業のSDGsに関連した取り組みも積
極的に行われています。 そこで、企業様の敷地にアイカサを設置させていただいたり、
コラボ傘を製作することで、“共に環境問題解決に貢献していくパートナー”として協働させていた だくことが多いです。 また、鉄道会社さん等は、
第一にお客様の快適な暮らしを大切にされているところから、 アイカサを駅に設置することで「雨の日も快適にハッピーに」という我 々のビジョンと掛け合わさり、共感していただいております。 また、
鉄道会社は鉄道で傘の忘れ物が特に多く引き取り手も殆ど現れないなどの課題を抱えていますが、それを解決するのにアイカサのサービスがマ ッチした部分も大きいです。
大切なのは、ビジョンに共感してもらうこと
-----ビジネスを広げていくにあたって、何が大切だと考えていますか?
丸川代表:事業に対するビジョンに共感いただくことが大切だと考えておりま
す。 我々アイカサは「雨の日を快適にハッピーに」
というビジョンを達成するため、メンバー1人1人へはもちろん、関わる企業様に共感いただき、 その結果今回のようなプロジェクトを実現できております。 我々の事業は私たちだけでは成り立ちません。設置してくださる鉄道会社様や施設、
お店を運営される方々にお力添えいただいているからこそ成立して います。 そのことを胸に、
今後もアイカサに関わる全ての人の雨の日に寄り添っていきたいという強い想い を持って事業を行なっていきます。
-----今後、どのようにビジネスを広げていきたいと考えていますか?
丸川代表:今後はまずアイカサを首都圏の各駅に広げ、
1人でも多くの方の雨の日の暮らしを支えることができる存在になりたいと 考えております。 また、
今年度6月のリニューアルとともに関西エリアや名古屋エリアに拡 大させておりますが、各エリアで「 雨が降ったらアイカサを借りよう」と思ってもらえる、 そんなサービスを目指していきます。 また、
日本での成功事例を海外にも展開していきたいです。 そして、
数年後には、今の学生さんが「昔って傘を使い捨てていたの?」 と驚くくらい、 傘の文化にイノベーションを起こしていきたいと考えております。
今後も、さまざまな切り口からあらゆる持続可能な社会を目指す企業と手を取り合い、日本の社会をより良くしていきたいと考えているという。同社が今後、どのようにビジネスを拡大していくのか、楽しみだ。
出典元:アイカサ
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