1. 回転寿司を通して学ぶ、革命を起こす発想「新結合」。既存の物からイノベーションは生み出せる

回転寿司を通して学ぶ、革命を起こす発想「新結合」。既存の物からイノベーションは生み出せる

by Bratislavsky kraj

 ビジネスにおいて、競合他社に勝つために欠かせないのは、他とは違う独自のものを生み出すこと。革新的なものを作り出すために、多くの時間と費用を割いている企業も多いのではないだろうか。

 しかし、革新的なアイデアは、決して莫大なコストの元でのみ生まれるとは限らない。考え方を少し変えるだけで、拍子抜けするほどあっさりと思いついた経験がある方は多いだろう。

 今回は、これまでにない発想をするための手段、「新結合」についてお教えしよう。

「新結合」とは?

 「新結合」は、経済学者シュンペーターが、経済発展を動かす企業家が行うものとして提唱した言葉だ。その内容について、シュンペーターは以下の5つを挙げている。

・新しい生産物または生産物の新しい品質の創出と実現
・新しい生産方法の導入
・産業の新しい組織の創出
・新しい販売市場の創出
・新しい買いつけ先の開拓

出典:J.A.シュンペーター『企業家とは何か』未訳短編集 清成忠男訳 東洋経済新報社 1998年

 このような定義から、実際に「新結合」が行なわれているものを想像するのは少し難しいかもしれない。以下で具体的な例を見てみよう。

回転寿司

by NeilsPhotography

 例えば、回転寿司も「新結合」の1つだと言える。

 寿司と言えば、かつては職人が客の注文を聞いてその場で握るものであった。このとき、寿司はどちらかと言えば高級な料理屋の部類に入っていた。

 そんな握り寿司だが、ベルトコンベアと組み合わされることによって「回転寿司」という新たな形態、シュンペーターの言葉を借りれば新しい生産物へと変化した。

 この「新結合」によって、頼まれてから作るのではなく、先に機械も利用しつつ作っておくこと(新しい生産方法の導入)が可能になった。これによって、必要な職人の数は減り、雇用する人も変わったはずだ(産業の新しい組織の創出)。

 回転寿司は通常の寿司屋に比べ低価格で提供されるため、庶民でも利用できるようになる。これは新たな買い付け先の開拓とも捉えられる。一度「新結合」が行われれば「新結合」の連鎖が起きるといっても良いだろう。

 回転寿司以外でも、苺と大福を組み合わせた苺大福、うなぎとお茶漬けのひつまぶし、インターネットと携帯電話とiPodを組み合わせたiPhoneなども「新結合」の結果生まれたものだ。

「新結合」を行うためには?

 これまで見てきた回転寿司の例からもわかるように、革命は何もないところから始まるのではなく、既にあるものを組み合わせるところから始まっている。

 「寿司は客が頼んだときに握るものだから」という固定観念や、「うちはこのやり方で問題なかった、うまくやってきたから」という成功体験は新たな発想を阻害してしまう。

 自由な発想を持ち、「新結合」を行うためには、①固定観念②過去の成功体験の2つを取り除くことが大切だ。

 この2つを取り除くことはなかなか難しい。多くの人が、半ば無意識のうちにとらわれてしまうからだ。まずは「新結合」に慣れるために、身の回りにある物事で「新結合」が行われているものを探すことから始めてみよう。


 革命的なアイデアを生み出す「新結合」は、既にあるものを組み合わせて新たなものを作り出そうとする考え方だ。前例がないのであれば、「新結合」を利用してあなたが第一人者となってはいかがだろうか。

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