HOMEインタビュー 登録15万人超を更新中!学生向けコミュニティアプリ「Penmark」代表に聞く、成長する若者の共通点とは

登録15万人超を更新中!学生向けコミュニティアプリ「Penmark」代表に聞く、成長する若者の共通点とは

長澤まき

2021/04/24(最終更新日:2021/04/24)


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提供:株式会社ペンマーク/代表取締役 横山直明さん

「キャリアアップしたい」「もっと成長したい」と思ってはいるものの、具体的にどのように行動すればいいのか分からず、頭を悩ませている若者は多いのでは?成長している若者には、何か共通点があるのでしょうか。

横山直明さん(24歳)が代表取締役を務める株式会社ペンマークの大学生向け履修管理SNS「Penmark」は、リリースから1年で慶應生の約60%が利用するサービスに成長。

2020年12月には前澤ファンドより資金調達を実施。同アプリの会員数は現在10万人を突破しており、今年4月には、時間割ツールから“大学ごとに最適化されたコミュニティアプリ”へと進化しました。

どのようにして事業を急成長させてきたのか?また、数多くの大学生を見てきた横山代表が考える“成長する若者の共通点”とは?横山代表に取材しました。

学生生活をDX化、情報格差をなくす

同社は、大学生活のDXを推進する慶應義塾大学発のスタートアップ。

「大学内の情報格差を無くしたい」という想いのもと、サークルの同期3人で、2017年12月に学生団体として発足。まずは、慶應生向けに情報を発信するメディアをリリースしました。

2018年12月に法人化し、2019年3月に現サービスの母体となった慶應生向け時間割アプリ「Penmark」β版をリリース。その後、資金調達やSNS機能を実装した正式版のリリースなどを経て、今年4月に時間割ツールから大学生向けコミュニティアプリへと用途を拡大しました。

現在、同アプリは750以上の大学に対応しており、会員数は15万人を超えるそうです。(※2021年4月時点)

提供:株式会社ペンマーク

フリーランスを経て起業

代表取締役の横山直明さんは1997年2月生まれ、現在24歳。慶應義塾大学経済学部の4年生です。

高校時代からフリーランスとしてウェブ制作やアフィリエイトなどの活動を行い、大学進学後はSNSマーケティングや株式投資などに活動の幅を広げ、2018年12月に同社を設立しました。

-----いつ頃から、どのようなキャリアを思い描き、行動・キャリアを選択してきたのですか?

横山さん:ビジネスに関わるようになったのは、高校2年生の冬です。「自分で稼げるようになって、その稼ぎで大学進学と同時に上京し、生活していきたい」と思い、独学でプログラミングを学び、フリーランスとして活動を始めました。

そうしているうちに、「生活だけではなく、将来自分の会社を持って大きな事業を展開したい」という想いが膨らみ、学部は経済学部を選びました。

情報格差を是正すべく、学生団体として発足

-----学生向けサービス「Penmark」を構想した具体的なきっかけは?

横山さん:同社は、もともとは2018年に学生団体として発足し、まずは慶應生向け情報発信メディアをリリースしました。

学生団体を立ち上げたのは、学内の情報格差を是正したいと思ったからです。

例えば、体育会系の伝統ある部活に所属している学生は、情報網がしっかりしているので試験前の情報集めなどにおいて有利です。一方で、さまざまな理由で部活やサークルに所属していない学生は、真面目に授業を受けていたとしても情報収集がうまくできず、試験などで苦戦する状況がありました。

そんな、コミュニティ単位で閉鎖的だったり情報格差があったりする状況を解決したいと思いました。

-----メディアだけでなく、履修管理SNS事業を始めた理由は?

横山さん:自分たちだけが一方向に情報を発信するメディアの形に限界を感じたからです。

時間割から繋がる1つのプラットフォームをつくたほうが、より“情報格差の是正”という課題の解決に近づけるのではないかと考え、大学生向け履修管理アプリ「Penmark」をリリースしました。

-----時間割ツールからコミュニティアプリに進化させた経緯は?

横山さん:2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により、大学の授業が全てオンラインとなり、学生が交流できる機会が激減。それにより、学生間のコミュニケーションの機会がより少なくなりました。

そこで、授業だけでなく、サークル活動や就活など大学生活全般にDXを広げていこうと考え、「大学生活のDXを実現する」というというビジョンが誕生。時間割ツールから“時間割をフックにしたコミュニティアプリ”へと舵をきりました。

必要な情報をネットで調べ、あとは行動

-----なぜ、学生団体として活動を続けるのではなく起業したのですか?

横山代表:資金調達するためには法人である必要があったからです。

「アプリをつくりたいので出資を募ろう」「出資を募るにあたって法人化が必要なので、このタイミングで法人化しよう」と、自然な流れで会社を設立しました。

-----起業にむけて必要な知識やノウハウ、人脈はどうやって獲得しましたか?

横山代表:登記や資金調達の方法など、必要な情報はその都度、先人の知見をネットで調べました。その後は、行動あるのみです。

人脈については、ネット上で見つけたVCのホームページに問い合わせたり、エンジェル投資家にダイレクトメールを送ったりました。そうして行動し続けた結果、新たな人脈が広がり、起業に関する具体的な相談に乗ってもらえる機会などが生まれていきました。

成長のため、まずは「資金集め」に注力

-----事業を急成長させるために、どのような工夫をしましたか?

横山代表:最初に出資していただいた先輩経営者の教えである「経営者の仕事は、資本政策とチーミング、そして、今社内でやる人がいない全ての業務だ」ということを、ずっと肝に銘じてやってきました。

急成長するためには、まずは資金と良い人材を集めて自分の仕事にどんどんレバレッジをかけていくことが重要だと考え、シード期から資金調達に注力。他のシード起業家に負けないように事業計画書・数値計画書・資本政策表を作り込み、投資家などにプレゼンを行いました。

また、資金調達にあたっては何かしらの実績も必要になります。「まずMVPをつくって人を集め、その実績をもとに資金調達する」という黄金ルートを辿るべく、運営していた慶應生向けSNSのユーザー数を実績にしました。

-----慶應生向けSNSのユーザーを増やすために、具体的にどのような工夫をしたのですか?

横山代表:慶應生だけにセグメントを切った、慶應生以外の役にはたたないけれど、慶應生は絶対欲しがる情報をTwitterで発信しました。

休校情報や履修申告の締切など、大学生活において欠かせない、かつ公式ホームページでは探しにくい情報をまとめて情報発信し続け、1年間で8000人ほどの慶應生フォロワーを獲得しました。

そのアカウントでサービスローンチの結果を行った結果、リリース直後から大きな反響を得ることができました。

2021年1月に株式会社前澤ファンドよりシリーズA資金調達を実施

スムーズに意思疎通できるよう伝え方を工夫

-----これまでを振り返って、「ためになった」「やってよかった」と思う学びや経験は?

横山さん:個人ではなくチームとして仕事をするようになったことで、他人とのコミュニケーションの考え方・やり方が変わったことです。

それにより、プライベートにおいてもコミュニケーションの取り方が変わりました。

-----コミュニケーションをとる上で、具体的に心掛けたことは?

横山さん:丁寧に伝えること。具体的には、“伝えたいことが一意に伝わるようなコミュニケーションを心がける”ということです。

例えば採用は、自分ができる仕事の範囲にレバレッジをかけていくことだと思いますが、いくつもの受け取り方をされるような話し方では、相手とのスムーズな意思疎通が難しく、結果として自分の意図しない方向でプロジェクトが進行してしまうことがあります。ですので、伝えたいことの前提も共有した上で、相手に迷わずに受け取ってもらえるような丁寧なコミュニケーションを心がけています。

-----自分のコミュニケーションの在り方を変えることに、抵抗やストレスはありませんでしたか?

横山さん:ありませんでした。逆に、「自分のこれまでのやり方が間違っていた」という新しい気づきを得ることができました。

自分はそんなに大した経験や学びを持っているわけではないので、その都度その都度、必要だと思って調べて得た情報や他の人から教えてもらった情報を、自発的に素直に実践するように心がけています。

ビジョンは小分けに設定&自分軸で生きる

-----新年度を迎え、「キャリアアップしたい」「仕事を頑張りたい」と思っている若者に向けてメッセージをいただけますか?

横山さん:頑張りすぎず、自分軸で生きてほしいです。

僕自身もそうなのですが、頑張ろうと思うと、つい自分と他人を比較して、その人を目標にしてしまったり、「自分はまだまだだ」と自分を卑下したりしてしまうことがあります。

でも、自分が幸せになるために自分の人生を生きているのだから、自分の将来像には“自分がありたい姿・理想的な自分の姿”を設定して、それに到達するためにはどうすればいいのかを考え、自分軸で生きてほしいと思います。

-----「自分のありたい姿」は、どうやって見つければいいでしょうか?

横山さん:僕自身、まだ明確な答えは出ていないのですが、「仕事ではここまで到達したい」「資産はここまで持ちたい」「人間関係ではこうなりたい」「趣味ではこうなりたい」というように、自分を構成する要素を分類したうえで、それぞれの要素ごとにビジョンを定めています。

成長する若者の共通点は“素直さ”

-----最後に、横山さんは活動を通じて多くの大学生を見ているかと思いますが、“成長する若者”に何か共通点はありますか?

横山さん:素直さ、でしょうか。

例えば、僕は起業したいと思った時にネットで調べた情報を愚直に実践しましたが、もし、その情報を疑ってばかりいたら、行動が遅れてしまい、現在のステージまで到達できなかったと思います。

物事の真偽を吟味することや違うと思ったことに反論することはもちろん大切ですが、“自分の知らないことを素直に受け取って、とりあえず行動に移せる素直さ・行動力”を持っている人の方が成長しやすいのではないかと思います。

その時々の学生の悩みや時代の変化に応じて成長してきたPenmarkと、事業を拡大するために必要な知識や行動を柔軟に受け入れて成長している横山さん。

サービスと人間、形は違いますが、その成長の根底にも“素直さ”という共通点があるように感じられました。

「情報やチャンスを素直に受け取り、素早く行動する」「必要だと思った変化は素直に受け入れる」など、“素直さ”を心掛けることは、成長するための大切な要素の一つと言えるのではないでしょうか。

出典元:Penmark

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