HOMEインタビュー 現役大学生にして3つのキャリア!NOD、22歳の代表取締役COOが考える「望む将来に近づくための方法」とは

現役大学生にして3つのキャリア!NOD、22歳の代表取締役COOが考える「望む将来に近づくための方法」とは

長澤まき

2021/04/11(最終更新日:2021/04/11)


このエントリーをはてなブックマークに追加

提供:株式会社NOD/代表取締役COO 沼田裕輝さん

これから積み重ねていく社会人としての長いキャリア。「自分ならではのキャリアを切り拓きたい」という漠然とした思いはあるものの、「そもそも、挑戦したいことが見つからなかい」「なかなか行動に移せない」という若者は多いのでは?

若くして力強いキャリアを歩んでいる人は、どのようにキャリアを選択し、どのような心構えで働くことに向き合っているのでしょうか。

株式会社NOD 代表取締役COOの沼田裕輝さん(22歳)は、現役の大学生にして、フリーランスエンジニア・空間デザイン会社の経営・同社代表取締役COOという3つのキャリアの持ち主です。

どのような選択が現在に繋がっているのか。また、それぞれのステップで得た経験が、その後のキャリアにどのように活きているのか。沼田さんに取材しました。

場にまっすぐ向き合う「NOD」

株式会社NODは、建築マネジメント・空間プロデュース・不動産コンサルティングの3軸をベースに、場づくりのサポートを手がける空間設計・デザインチーム。

土地(hard)の上に新しいアイデア(soft)を実装し、内なる情熱を持つ人たちと共に、広い意味で「場」という存在にまっすぐに向き合っています。

これまでに、カプセルハウス「Unito」の設計や、アートホテル「BnA Alter Museum」の施工管理、川久ミュージアムの美術ディレクションなどに着手。

2020年12月には、老舗の江戸前鮨店跡地を完全キャッシュレスのホットサンド専門店「HOT SAND LAB mm(ホットサンドラボ・ミリ)」に生まれ変わらせました。

大学時代はリスクなく挑戦できるチャンス

沼田さんは1998年12月生まれ、東京大学経済学部経営学科に在籍している22歳です。

フリーランスエンジニアを経て空間デザイン会社の経営に従事したのち、2019年12月に同社代表取締役CEO/建築ディレクターの溝端友輔さんとNODを設立しました。

-----もともと経営者を志していたのですか?

沼田さん:中学生の頃から、ビジネスの現場で経営者として働きたいと思っていました。

-----どのような判断基準でキャリアを選択してきたのですか?

沼田さん:一般的には、大学に4年間通った後、就職活動して会社に就職するという流れが普通だと思いますが、僕の将来の夢は経営者になることだったので、「社会人よりもリスクなく挑戦できる大学生の間にできることに挑戦しよう」と考えていました。

そこで、経営者になるとはどういうことかを突き詰めるために会社をつくるなど、自分が“やりたい”と思ったことに意識して挑戦するようにしました。

「失敗も成功も自分の責任」と覚悟

まずは、大学1年生の後半から2年生にかけて、フリーランスエンジニアとして活動。

エンジニアとして必要な知識は、本を読んだり、プログラマーを目指す人々のコミュニティに参加したりして独学で習得。自分の作りたいものをつくることを繰り返しているうちにある程度のサービスをつくれるようになり、知り合いなどから仕事をもらえるようになったといいます。

また、大学1年生の終わり頃に、別の大学に通う医学部の友人と一緒に医療分野のデザインを手がける会社を設立。それをきっかけに、空間デザインを手がける企業のビジネスサポートも行うようになり、後に、その企業で建築ディレクターを務めていた溝端さんと一緒に、不動産領域に特化した企業として株式会社NODを設立したそうです。

-----それぞれのキャリアで得た経験や学びを、どのように活かしていますか?

沼田さん:エンジニアとして自分である程度サービスを作れるようになったことで、その後のキャリアでは、社内の無駄な業務をちょっとしたプログラムを書いて効率化するなど、仕事の無駄を排除して、社員がコアな業務に集中できる環境をつくることができています。

また、最初に友人と設立したデザイン会社は学生団体のような雰囲気でしたが、そこで経験を積むうちに、チームのマネジメントやクライアントとのコミュニケーションなど、より会社らしい経営の仕方がわかるようになり、現在の会社経営で役立っています。

-----若くして企業の代表取締役COOに就任することに対して、プレッシャーはありませんでしたか?

沼田さん:ほとんどありませんでした。

「自分で会社をつくるということは、成功も失敗も自分の責任だ」ということをあらかじめ覚悟していたので、就任後は、日々の業務の執行に集中しました。

提供:株式会社NOD/代表取締役COO 沼田裕輝さん

“自分本位”にアイデアを出す

同社では、営業活動やプロジェクトの方向性の決断等は主に建築ディレクターの溝端さんが行っており、沼田さんはファイナンスや経営戦略、チームのマネジメント等を担当。

また、フリーランスエンジニアとして得たスキルを活かして、会社内の業務の効率化や、連絡ツール・業務統括を行うソフトウェアの調整などにも従事。完全キャッシュレスのホットサンド専門店「HOT SAND LAB mm」のアプリ・WEB開発も別のエンジニアと一緒に手がけたそうです。

-----貴社では、空間に新しい価値を与えるためのアイデアを、どのように出していますか?

沼田さん:自分たちが面白いなと思ったことを、アーティスティックな視点で提案しています。

普通はクライアントがつくりたいもの・解決したいことを探って提案すると思いますが、自分たちは、いわば“自分本位”にアイデアを出すようにしています。

-----老舗鮨店跡地をホットサンド店にするというアイデアは、どのように生まれたのですか?

沼田さん:実は、このホットサンド店は期間限定の店舗です。同店は再開発が予定されているエリアにあるのですが、再開発が始まるまでの期間に何か企画して、周辺を盛り上げてほしいと相談を受けました。

そこで考えたのが、いろいろな人を呼び込み、賑わいを生む“食”。

老舗も多く年齢層も高めな店が多い地域ですが、街の活性化には若者の力が必要だと考え、若者に刺さる店としてホットサンド店を発案しました。

プログラミングも“ゴール”から始める

-----これまでを振り返って、「やって良かった」「ためになった」と思う経験や学びはありますか?

沼田さん:1つ目は、大学生の時に自分で会社をつくったことです。人を動かす経験やバイトでは得られない視点を手に入れることができました。

2つ目は、エンジニアとしてサービスを開発できる程度までプログラミングを学んだことです。

今は、ITリテラシーがないと損をすることも多い時代。例えば、会社を経営するにあたって、意思決定者である経営者や担当者にITの知識がないと、業務効率化をコスト良く実現することも難しいのではないでしょうか。

-----プログラミングなど、エンジニアとしての知識を身に付けたいと思ったら、まずは何をすべきだと思いますか?

沼田さん:まずは、“自分が作りたいものをつくること”からスタートすればいいと思います。

一から学ぶために本を買ったり、スクールに通ったりするのではなく、まず、自分がつくりたいものを決める。そうして、それをつくるためのやり方を調べ、そのために必要な知識を身に付けていくという流れで進めたほうが楽しいのではないでしょうか。

沼田さんが手がけたホットサンド専門店「HOT SAND LAB mm」アプリ

他が思いつかない、新たな価値を提供へ

-----これからどのようなことに挑戦したいですか?

沼田さん:まずは、今の会社で目に見える成果を出したいです。

自分が若いから注目されるのではなく、会社がつくるサービスやプロダクトが注目されることで、会社のことを知ってもらえるようにしたいと思っています。

-----そのために、どのように行動していきますか?

沼田さん:ひたすら、「クライアントのためになる空間とは何か」を考え続けます。

期間限定のホットサンド店のように、普通の不動産会社や設計会社とはちょっと違う空間に対する捉え方を起点に、他の会社が思いつかないようなサービスをつくって新たな価値を提供していきたいと思っています。

失敗しても、行動した人の方が素晴らしい

-----沼田さんにとって“働く”とは?仕事やキャリアへの考え方を聞かせてください。

沼田さん:“働くこと”と“生きること”は、ほぼ同一だと思っています。

人生の大半は働いて過ごします。働くことには旅行や遊びでは得られない楽しさがあり、それは人生の楽しみにも直結しているのではないでしょうか。

-----沼田さんのように、「若いうちから力強いキャリアを築きたい」と考えている若者に向けて、メッセージをいただけますか?

沼田さん:日本では、いい大学に入って良い企業に入るのが、安定したキャリアだという価値観がまだ根強く残っていますが、それもあと5~10年ほどで変わる気がします。

フリーランスとして活躍する人も増え、学歴と仕事のパフォーマンスが関係していないケースも多々目にするようになりました。

これからは、「自分が何をしたいか」という確固たる目標を持ち、それに向かって実際に行動をすることが評価される時代がやってくるのではないでしょうか。

ですので、「いい会社に入る」といった世間一般の普通を疑い、自分が本当にしたいことを突き詰めて考え、そのために自分ができることを自分で考えて実行していくことで、望む将来に近づくことができるのはないかと思います。

行動に移すのはなかなか難しいですが、口だけで行動しないのは何もしないのと一緒。たとえ失敗したとしても、行動に移す人の方が素晴らしいと僕は思います。

提供:株式会社NOD/ 代表取締役COO 沼田裕輝さん

経営者という大きな目標に向かって、自分が「必要だ」「知りたい」と思うことに積極的に挑戦し続けることで力強いキャリアを積み重ねている沼田さん。

まず「自分が何をしたいか」「どうなりたいか」という大きな目標を持ち、そのゴールに向かって必要なことを自分で考え、一つひとつ行動を積み重ねていくというキャリアの切り拓き方は、さまざまな業種で働く若手ビジネスパーソンの参考になりそうです。

出典元:NOD
出典元:HOTSAND LAB mm

【関連記事】


hatenaはてブ


この記事の関連キーワード