若き学生の社会起業家育成プログラム、「社会課題」を社会人メンターと共に解決する SOCIAL STARTUP STUDIO KASHIWAの取り組み

2023/12/28(最終更新日:2024/04/16)


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SOCIAL STARTUP STUDIO KASHIWAは、千葉県柏市で開講する次世代社会起業家教育プログラム。高校生から大学生までの若者を対象に、社会課題に向き合い、解決に向けたビジネスを創造する起業家を育成することを目的としています。


2023年4月にキックオフミーティングを開催し、1期生が活動中。2024年度の第2期生の募集を開始し、現在、受講希望者向けの説明会を開始しました。


1期生は、自らクラウドファウンディングを企画し、全国の先輩社会起業家と出会う機会をつくるなど絶賛活動中。第1期受講生である、高校2年生の多田健真さんのエピソードをお伝えします。また、このプログラムでは、育成に留まらず、地域をあげ、ファイナンスも含めたエコシステムの形成を目指しています。実行委員長を務める河西祐介が考える今後の展望について、ご紹介を致します。


利益追求からステークホルダ資本主義という関係者に価値を還元できる仕組みへ


”従来の資本主義において、解決されなかった課題”を、本スタジオでは社会課題と呼んでいます。

これまで、企業は利益の追求が存在意義とされ、大衆向けにサービスを作り、利益を株主に還元する事が求められてきました。これは、民間の事業会社だけの考え方だけでなく、公共事業におけるインフラの根本的な思想にも通づる部分があると言えます。


しかし、昨今では、「ステークホルダ資本主義」という考え方が生まれた事で、社会、環境、従業員等、あらゆる事業を取り巻く関係者にとって価値を還元していける事業を創っていく事が求められ始めました。こうした時代の要請に応える新しい起業家、事業家の輩出が必要で、同時にそうした方々を支える社会の仕組みが必要であると私たちは考えています。



SOCIAL STARTUP STUDIO KASHIWA実行委員長 河西祐介

社会起業プログラム。学生が事業家であるメンターと協力し、課題解決へ挑む


プログラムに参加するのは、10代〜20代の就業経験のない学生で、様々な分野やバックグラウンドを持っています。各々が感じる社会の課題に対して、自分なりの解決策を考え、実践しようとする意欲的な人たちです。プログラムを通して、自分の可能性を広げ、社会に貢献することを目指しています。


また、そこには、受講生を支える3名の社会人メンターがサポートにあたっています。メンターは全員が、現役の事業家。まさに実践の中に身を置く、現在進行形で事業に取組む当事者でもあります。


カリキュラムは、必要な知識を習得するインプットセッション。社会課題の発見や分析、アイデアの発想や評価、プロトタイピングや検証、プレゼンテーションなど、社会起業家に必要なスキルを身につけることができるものになっています。

しかし、それはあくまで、経験を補完する役割のものであり、メインの取り組みは、自分が感じる社会の課題に対して、自分なりの解決策を考え、実践するプロジェクトワークとそれに対する、メンターのサポートが受けられること。


ここには、社会人が教える側、受講生が習う側という構造ではなく、各々のテーマを一緒に考え抜く事で、メンター陣も各々の事業活動に対して大きな刺激や新しい知見を得ながら進んでいく、双方向型の実践機会の場と定義しています。



受講生と社会人が一緒に、一つの課題と向き合う姿


未来の社会起業家 多田健真さんの取組。学生にとっての第三の居場所を作りたい学生とNPO法人の協力とビジョン


第1期受講生である、現在高校2年生の多田健真さんは、受講のきっかけを、こう振り返っています。


第1期受講生の多田健真さん(高2)


「高校1年生の時に、学校の授業の総合的な探究の科目の一環として受けた、起業家教育で、「地域の企業の課題を解決する」という一年間をかけた大きな活動があり、『自分でも誰かの助けになれるんだな』という感動を味わいました。そして、これからは自分で見つけた課題を解決していくことで、誰かの助けになれたらいいなと思い、この活動を始めました。」


「4月から5月は、自分が何に対して興味があり、それをどのように解決したいのかという事を考える期間でした。4月のキックオフイベントの前に、河西さんから説明を受け、これから何を解決したいのかを考え始めました。5月には、講座として、アート思考についてやビヨンド思考について詳しく教えていただき、自分の中にある考え方を絵にする事で新たな発見をする事ができました。」


また、1期生自ら企画し、クラウドファウンディングを行い、得た資金を元手に、各自の関心領域のトップランナーである先輩社会起業家を訪ねました。


「自分だけでなく、周りの人達もそれぞれ自分の取り組みたい課題が見つけられたため、その課題の解決にあたっている先輩社会起業家の方々のお話を聞くことで、今後事業を起こしていくための参考にしたいと考え、クラウドファンディングを始めました。

最初は何から始めるのがいいのかわからず大変でしたが、河西さんや周りの大人のサポートを受けながら、少しずつ進めていくことができ、楽しかったのを覚えています。記事の内容の決定や御礼品の選定作業等が一番大変でしたが、苦労した分、自分にとってもいい経験になったと感じています。」


「私は、NPO法人 子ども劇場千葉県センター認定NPO法人D×P(ディーピー)代表の今井さんにお話をいただきました。子ども劇場千葉県センターは、主に電話での相談受付を行っており、子供を相手にする時に何を気にかけるべきかや、本当に困っているのは子供だけではないことを詳しく教えていた だきました。また、現状では様々な団体から寄付や、援助金を得られるように努力しているとおっしゃっていました。


次に大阪にある認定NPO法人D×Pの代表の今井さんのもとにお伺いしました。今井さんは、LINEを使ったチャットでの相談だけでなく、不登校や中退、経済的困難など、さまざまな境遇にある10代への支援や、居場所づくりをしていました。また、活動を行っていくための大量の資金のほとんどを寄付で賄っていらっしゃると聞き、驚愕しました。改めて先駆けて解決を目指している方々のお話を伺って、とても熱意を感じました。 また、社会起業家を目指すからには、この2つのNPOさんがやっておられたような事を募金や援助金以外の方法で持続できるようにしていきたいと思いました。」


中間報告会にて自身の計画をプレゼンテーションする多田さん


最後に多田さんは、今後の自身のビジョンを次のように語っています。


「私は、SSSKを受講して、学生にとっての第三の居場所作りをしていきたいと思っています。このような事業を行おうと思ったきっかけは、私が過去に、いじめを受けたことがあるからです。いじめられて帰ってくる私に対し母は 『心だけ優しいだけでは自分を守れないから体を強くしなさい』と言って空手教室に通わせてくれました。最初は先輩からの突きや蹴りが怖くて痛くて仕方がなかったのですが、そこでの交友関係が広がり、とても居心地のいい空間になったのをおぼえています。また、『いざとなれば自分を自分で守れる』『それでもだめなら空手だけ行こう』と考える事が出来るようになった事で、学校に行く事を気に病むことがなくなりました。このような経験から、小学生や中学生にとっての家と学校以外の居心地の良い場所を作りたいと考えています。」


今後、多田さん達、受講生は自身のテーマをいよいよ、社会に対して実装に向けたトライアルに取組む2期目に突入していきます。


最終系は育成プログラムに留まらない


このプログラムの設立に際して、大きなインスピレーションを受けたのが、沖縄で社会課題解決をビジネスの力で取組む、ある企業の取り組みでした。河西が仕事で沖縄出張に行った際に、誘って頂いた社会課題解決の起業家育成のワークショップに参加したのがきっかけでした。その運営を行う、株式会社うむさんラボは、社会起業家を育成するだけでなく、地域でソーシャルインパクトファンドを設立し、生み出した社会起業家の成功確率を高める為の活動にも力を注いでおられます。


少し前までは、ソーシャルビジネス=儲からないと言われ、慈善事業として取組むものという風潮があったと感じています。しかし、現代においては、社会の為に必要とされ、自身のエネルギーを注ぐ社会起業家達を、支えるのは社会そのものであるべきです。勇気ある挑戦者たちを後押しできる仕組みを、各セクターが知恵を絞って作り上げる必要があると感じています。


今後、SOCIAL STARTUP STUDIO KASHIWAは、育成機関として成長を目指しますが、周囲の皆様にもお力添えを頂き、輩出される社会起業家達が羽ばたける環境を、皆で手を取り合いながら構築していきたいと思っております。お力添えをお願いいたします。

社会起業家育成プログラム「SOCIAL STARTUP STUDIO KASHIWA」、第2期オンライン説明会開始


1期生を代表して、多田さんから、次なるチャレンジャーとして社会起業家を目指す方々へメッセージを貰っています。


「それぞれの思う社会課題を解決できるように一緒に模索していきましょう!なにか大変な事があってもメンターの大人の方や先輩達が全力でサポートしてくださいます。ぜひ尻込みせずにチャレンジしたいとおもったら行動してみてください。きっとそれを待ってくれている人はいると思います!我々第一期生は、第二期生となったあなた達と会える事を楽しみにしています。」



12月より、第2期受講希望者の皆さんへのオンライン説明会を開催しています。

説明会への参加をご希望の皆様は、SOCIAL STARTUP STUDIO KASHIWAのWEBサイトより詳細をご確認の上、エントリーをお願いいたします。


また、地域の学術機関の皆様には、訪問での説明会も実施しています。ご希望の学校におかれましては、同ホームページのお問い合わせフォームよりご連絡をお願いいたします。


最後に、未来ある学生社会起業家を支援されたい先輩事業家の皆様、スポンサーとして支えて頂ける企業の皆様も、是非一緒にエコシステム構築にご協力をお願いいたします。

今後のイベント

受講希望者説明会の予定(オンライン開催・事前申込制)

 第1回 2024/01/15(月) 19:00 - 20:00

 第2回 2024/01/27(土) 19:00 - 20:00

 第3回 2024/02/07(水) 19:00 - 20:00 

 第4回 2024/02/27(火) 19:00 - 20:00 

 第5回 2024/03/02(土) 19:00 - 20:00


受講希望者向け インプットセッションの体験会(事前申込制)

 1月度 2024/01/28(日) 15:00~18:00

 2月度 2024/02/25(日) 15:00~18:00

 ※受講希望者説明会にてお申込み方法等の詳細をご案内いたします。


第一期成果発表会(事前申込制)

 2024/03/10(日) 13:30開始予定 柏の葉カンファレンスセンターにて

 詳細は後日、ホームページおよび、公式LINEにて公開いたします。 


※SOCIAL STARTUP STUDIO KASHIWAは、同実行委員会の幹事会社であるアイコニックビート株式会社の登録商標です。




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