キャリアやビジネスにおいて重要なスキルの一つである行動力。しかし、「興味はあるけど、なかなか行動に移せない」という人も少なくないのでは?目標や興味に向かって行動している若者は、何を原動力に一歩を踏み出したのでしょうか。
株式会社バックテック 内定者インターンの麻虎士朗さん(23)は、プログラミングに興味があったものの、実際にプロダクトを作成することはない日々を約2年ほど送っていたとか。
しかし、ある出来事をきっかけに"プロダクトを開発したい"という想いが芽生え、2つのアプリを開発。現在は同社にて開発業務に携わっています。
興味を行動に移せたきっかけとは?また、新しい技術や学びの習得にどのように向き合っているのでしょうか?話を聞きました。
ポケットセラピストを運営「バックテック」
株式会社バックテックは、「全人類が健康に活き活きと暮らし、社会に貢献できる世界をつくる」という理念のもと、ヘルスケアサービスを展開しています。
主力サービスである、肩こり・腰痛予防対策アプリ「ポケットセラピスト」は、最新の医学的エビデンスに基づいた、肩こり・腰痛を切り口としたメンタル不調対策サービス。
健康経営銘柄・ホワイト500認定企業や大手健保に導入されており、従業員の生産性向上や医療費削減などに貢献しているそうです。
最低限の知識を身につけ、あとは実戦で学ぶ
麻さんは、文学部総合心理学科に所属する大学4年生。大学1年時にプログラミングへの興味が芽生えたそうですが、当時は時折勉強する程度で、実際にプロダクトを開発することはなかったとか。
しかし、大学3年時に、アルバイト先の事務作業を自動化するプログラムや教授から依頼されたゼミのホームページを作ったことで、プロダクトを作る面白さに目覚め、まったく無知の状態から大学のゼミの「実験予約アプリ」を開発。
今まで6時間以上かかっていた作業が5分で完了するようになり喜ばれた体験から、”自らの手で、より多くの人に幸せを届けられるプロダクトを作りたい”と考えるようになり、ITエンジニアを志したそうです。
2021年7月には、ゲーム感覚でエクササイズ習慣を身につける肩こり解消サポートアプリ「肩こリス」を開発。
現在はバックテックの内定者インターンとして開発部に所属し、予約機能のブラッシュアップなど実際のサービス開発に携わっています。
-----全く無知な状態から「実験予約アプリ」を開発されたそうですが、開発までにかかった期間は?
麻さん:夏休みを利用してノーコードで作ったため、それほど時間はかかりませんでした。勉強2週間・開発3週間くらいです。その後、運用する中でユーザーの声を聞いて改良を重ねていきました。
-----ノーコードはどうやって学んだのですか?新しい知識を効率的に学ぶために工夫したことは?
麻さん:YouTubeでノーコードの解説記事やブログを見たり、公式のリファレンスを読んだりと、主にネットで情報収集しました。
効率的に学ぶために工夫したのは、最低限の知識を取り入れた段階で開発に乗り出し、開発する中で必要な情報だけを順次取り入れていったことです。
実際に作ってみることが、成長への近道だと思っています。
会社と自分の“課題”が重なっていた
バックテックには最初、通常のインターンとしてジョイン。働きぶりが認められて内定をもらい、内定者インターンになったそうです。
-----就職先を決めるにあたって「これは譲れない」とこだわったことは?
麻さん:「そのサービスが本当に人々の役に立つと確信できること」「自分がさまざまな面において成長できるかどうか」「社員の人柄」の3つを軸に考えました。
-----数ある企業の中からバックテックを選んだ決め手は?
麻さん:大学時代に作ったアプリ「肩こリス」で解決したかった課題とバックテックが取り組んでいる課題が同じだったことから、「ここしかない」と決断しました。
能動的な働きぶりが評価され、内定
-----インターンとして日々どのように仕事に向き合っていますか?心がけていることは?
麻さん:基本的なことですが、締め切りを守ること・できるだけ早く終わらせること・わからないことは正直に聞くことなどを心がけています。
また、指示された仕様通りに作るのではなく、「本当にこの仕様で大丈夫なのか」「価値提供できているのか」を考えながら実装していくようにしています。
-----内定をもらったということは、それだけ麻さんの仕事ぶりが評価されたのだと思います。どのようなことが評価されたと思いますか?
麻さん:自分で調べながら仕事に取り組んでいた姿勢を評価していただいたと伺いました。
-----仕事をする中で、困難を感じたことはありますか?
麻さん:それまで自分で勉強していた技術とバックテックで使う技術が異なっていたため、新しい技術をキャッチアップしていくことが大変でした。
-----その状況をどう乗り越えましたか?
麻さん:新しい技術やわからないことに出会ったら徹底的に調べて実際に開発を行い、また新しい技術や知識が必要になったらとことん調べて開発を行う、という流れを繰り返しました。
最初から完璧なコードを作るのは難しいですが、書いたコードに対する先輩たちからのフィードバックを反映させていくことで、最終的には納得のいくコードを作ることができました。
アプリ開発により、多様な視点を獲得
-----これまでを振り返って「やって良かった」「あの経験が働くうえで役立っている」と思うことは?
麻さん:肩こり解消サポートアプリ「肩こリス」や「実験予約アプリ」など、実際にサービスを作ったことです。
利用者に見える画面からバックエンド、サーバー管理、実際のサービス提供まで、全てのフェーズを経験したことで、全体的な視点やユーザー視点を持って開発に取り組めるようになりました。
-----プログラミングに興味を持っていた状態からアプリ開発という"行動"に踏み出すことができたのは、何かきっかけがあったのですか?
麻さん:心から”作りたい”と思えるものに出会えたことが大きなきっかけです。
プログラミングに興味を持った当初は、"作りたい"と思えるものがなかったため、モチベーションも上がりませんでした。
しかし、バイト先の事務作業を自動化するプログラムやゼミのホームページを作って人の役に立った経験から、"プロダクトを作りたい"という想いが高まり、日々の生活の中で悩みや課題に注目してサービスを模索し続けていたところ、”作りたい”と思えるものを見つけることができました。
「実験予約アプリ」を作ったのは、大学での心理実験に参加してくれる人を募集するための方法が、ポスターを貼ったり教室に足を運んで参加を呼びかけたりと効率的ではないことに課題を感じ、それを解決するアプリを作りたいと強く思ったのがきっかけです。
「肩こリス」も、自分が悩んでいた肩こりを解決したいという想いが原動力になりました。
取り組んでみたいこと・挑戦したいことが見つからない時は、自分が今困っていることや、周囲の人たちが抱えている悩みに注目してみるとよいかもしれませんね。
挑戦を後悔することは少ない
-----実現したいこと・挑戦したいことなど、これからのビジョンを聞かせてください。
麻さん:現在は主に、プログラミングを書く業務を中心に担当していますが、これからもっと技術力やユーザー視点を高めて、要件定義や設計といった上流プロセスにも関わっていきたいです。
それによってプロダクトを成長させて、ユーザーの幸せにつなげていきたいと思っています。
-----「新しいことにも積極的に挑戦して、前向きに仕事を楽しみたい」と考えている同世代に向けて、メッセージをお願いします。
麻さん:本当に「やってみたい」「挑戦したい」ことがあるのなら、自分の状況や周囲に流されず、思い切って挑戦してみることが大事なのではないでしょうか。
僕も、もともとは心理学科というエンジニアから遠い分野にいましたが、挑戦することでITエンジニアの道を切り拓くことができました。
挑戦しないことで後悔が生まれることはあっても、挑戦したことで後悔することはあまりないと思うので、思い切って挑戦することを大切にしてほしいです。
実際に人の役に立ったプロダクトを作った成功体験によってモチベーションが高まり、アプリ開発という次の挑戦に踏み出し、ITエンジニアの道を切り拓くことができた麻さん。
自分のプロダクトが人の役に立って喜んでもらえた“成功体験”は、日々の仕事においても、挑戦や行動を後押しするモチベーションになっているそうです。
興味はあるけれどなかなか行動に移せないという人は、小さくても良いので、何か一つ行動してみるとよいのかもしれませんね。それによって生まれたモチベーションが次の挑戦・行動につながり、さらに大きなモチベーションが生まれる…というサイクルを作ることができるかもしれませんよ。
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