1. 「インスタ映え」な1年だったFacebook、手ごたえある2017年の事業展開を振り返る

「インスタ映え」な1年だったFacebook、手ごたえある2017年の事業展開を振り返る

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 「インスタ映え」という言葉が流行した2017年、企業がSNS上の広告を利用することも一般に認知されるようになった。SNSなんて分からない――、そんな言葉は、ビジネスの世界ではもはや通用しない。

 去る12月13日、フェイスブック ジャパンは、メディア向けにラウンドテーブルを開催。2017年の業績やハイライトを語った。今年は同社にとって、どんな1年だったのだろうか。その概要を見ておこう。

「コミュニティ」に注目するようになった

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 同会には、フェイスブック ジャパン代表取締役の長谷川晋さんが登壇。同社が「ミッション・ドリブン」な(ミッションを中心に据えて動く)会社であるとしたうえで、「創業以来続いていたミッションを6月に刷新した」と述べた。

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同社が提供する各サービスの月間利用者数など

 同社が新しいキーワードとして掲げるのは「コミュニティ」だ。

 「Facebook」や「Instagram」というプラットフォームを何人が利用しているのか、という数値面での業績だけではない。そこにどんな「コミュニティ」が存在して、何がなされているのか、ということに目が向けられた。

第3四半期業績はアジア前年度比53%増

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 さて、2017年7月から9月(第3四半期)における同社の業績は、グローバルの売り上げが約1兆1360億円。この数値は前年度比で+47%。アジア太平洋地域に絞った場合、伸び率は+53%となっている。

 「グローバルのFacebookにとっても、3か月間で10ビリオン(USD)の売り上げを超えたのは初めてだ」、と長谷川氏は述べた。また、「ビジネスという観点からも非常に大きなマイルストーンだった」という。

 こうした売り上げの中で「モバイル広告」が占める比率は88%。同社にとっての大きな収益元である。

FacebookとInstagramを合わせた広告主は世界で800万以上に

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 広告主の数も順調に推移しているようだ。同社によれば、グローバルにおいて「Facebook」の広告主数が600万を突破。おなじく「Instagram」も200万を突破している。

 長谷川氏は「日本の企業にとってビジネス成長のベストパートナーになる、ということをビジネスでは目指している」と述べる。実際、マーケティングや、成長に役立つプラットフォームとして利用されたケースが紹介された。

 例えば、トヨタ自動車や日産自動車は、Facebookにおける動画広告を積極的に展開した。こうした広告には、普段からあまりテレビを視聴しない層に向けて、アプローチする意図がある。

 一方、大企業だけではなく、長崎において家族で経営している「下條果物店」なども、広告主として紹介された。規模を問わずに利用できることもメリットというわけだ。

 こうしたバリエーションの広さを踏まえ、長谷川氏は「取り組みの深度としても非常に深まった1年だった」と述べている。

 なお、利用者からは、これらの広告に対する「効果測定」について要望も多かったそうだ。こうしたリアクションを踏まえ、同社ではクライアントやメディア向けたセッションを実施。2018年にも引き続き積極的に実施される予定。もし興味があれば、チェックしておくとよい。


2017年の注目ワードは「安否確認」と「ストーリー」

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 同会では、Facebook、Instagramそれぞれについて、2017年のトレンドが紹介された。

 まず、Facebookについては、(1)世界中で起こる重要な出来事、瞬間について語り合う、(2)有事の際に集い、支え合う、(3)オンラインだけでなく、オフラインでもつながり合う、という3つのトレンドが顕著だったという。

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 分かりやすいものとして、スポーツイベントの「SUPER BOWL」に関する事例を見ていこう。SUPER BOWLでは、関連する様々な動画が投稿され、視聴回数が合計2億6200万回に達した。なお、投稿だけでなく、18万以上のFacebookイベントが企画され、110万以上が承認されたことも2017年のトレンドだと言える。

 また、メキシコの地震の際に物資支援のコミュニティが構築されたこと。皆既日食の際に80万国以上で計300万以上の人がリアルでも繋がり合うような大きな動きがあったこと、などが例として紹介された。

 一方、日本国内のトピックとしては、「TOKYO」「Perfume」「EV/PHV」「台風21号」などが話題に。中でも台風21号襲来の際には、安否確認機能が多く活用された。

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 続いてInstagramについて。2017年の投稿で、人気があったロケーションとハッシュタグをチェックすると、ディズニーランドでの投稿など、いわゆる「鉄板ネタ」は昨年とさほど変わっていない。

 しかし、変化したこともある。それは、「ストーリーズ」機能が急成長を遂げたことで、投稿の仕方がよりカジュアルに変わったことだ。同機能で投稿した画像・動画は、24時間で消える。よって、従来は渾身の1作をアップロードするといった使い方がメインだったが、より気軽に日常の何気ないシーンがシェアされる機会が増えた、と同社は分析していた。

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 ちなみに、同会が開催された12月13日には、ハッシュタグをフォローする新機能が追加された。任意のハッシュタグをフォローすると、それを記した投稿のなかで人気のものが表示される仕組みだ。

メルカリやキリンが広告利用の例として登壇

 同会の後半では、ゲストが登壇し、パネルディスカッションが実施された。コミュニティの代表としては、「キモノでジャック」から副代表の吉田知弘さん、広報担当の浅見祟史さんが登壇。

 また、広告を利用している企業の代表としては、株式会社メルカリ マーケティンググループマネージャー 山代真啓さん、キリン株式会社 デジタルマーケティング部 野際陽介さんらが登壇した。

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手前が吉田氏、奥が浅見氏

 「キモノでジャック」は若者の着物離れを危惧し、8年ほど前から始まったイベント。京都を中心に、日本全国25都市に責任者が置かれ、津々浦々でイベントを実施している。大勢の参加者が同時に着物を纏って集合し、観光名所などを埋め尽くすユニークなコミュニティだ。

 運営側としては、「主催者側がイベント後に飲み会を開かない」「参加費無料」「途中離脱OK」などのルールを設けることで、トラブルを防いでいるという。

 イベントの特徴として、開催当日にならないと参加人数が把握できないという側面があるが、Facebookの「いいね」の数で大まかな予想は立てられるらしい。

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山代氏

 メルカリは2017年前半までは、テレビCMを通じて、同サービスの認知率を向上させる方針を取っていた。その導線として、デジタルマーケティングも重要視していたとのこと。Facebook上で「インストール型」の広告を利用していた。

 同年後半になると、「ターゲット型」の広告にシフトした。アプリはインストールしたけれど、まだ十分に活用できていないユーザーを対象に、アプローチしたという。山代氏は「Facebookの広告はパフォーマンスが高かった」と述べる。

 また、同氏は「ブランドを作りながら、獲得も目指すという目標を実現するために、Facebookが展開する様々なアドフォーマットを活用していきたい」、とも述べている。

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野際氏

 一方のキリンは、テレビを見ない若年層に向けて広告を展開。例えば、「午後の紅茶」シリーズの広告をInstagramで掲載した。

 野際氏は「飲みたいと思わせる効果が高かった」と述べ、「商品単価が140円程度と手ごろなためすぐ買いにいける」からだろうと分析した。

 長谷川氏は「一定の手ごたえを感じた一年だった」と同会を締めくくった。Instagramの流行がピークを迎え、Facebookと併せて幅広い年代へのアプローチができるプラットフォームが揃ったいま、まさに収穫時を迎えているのだろう。

 しかし、若者の「インスタ離れ」がいつ起こるかもわからないのも事実だ。同社が先を見据え、今後どのような施策を展開していくのか、興味は尽きない。

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