1. 西田宗千佳のトレンドノート:Google Home、ついに日本登場。ライバルとどう違う?

西田宗千佳のトレンドノート:Google Home、ついに日本登場。ライバルとどう違う?

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Google Home。ちょっと下が膨れた円柱のような形だ。下部のファブリックのところがスピーカーになっている。

 Googleがついに、日本でも「Google Home」の発売を決定した。発売は10月6日からで、すでにGoogleのオンラインストアでは、発売に向けて事前登録が開始されている。価格は1万4000円(税抜)。同時に小型の「Google Home mini」も発表されており、こちらはより安く、6000円(税抜)だ。ただし、こちらの発売は10月23日からとなる。

  スマートスピーカーは、日本でも市場が活気を帯びてきた。Amazonも年内の日本市場参入を発表し、本日LINEも、かねてより「先行テスト版」を市場投入していた「WAVE」製品版の発売を10月5日、15時からと発表した。価格は1万4000円(税込)。加えて、発売記念キャンペーンを実施し、期間中(2018年1月末まで)は同社の音楽サービス「LINE MUSIC」12ヵ月分の利用権付きで1万2800円(税込)、実質的にスピーカー分の価格が割り引かれている。

 その中でもGoogle Homeは、機能面を考えても、普及が見込まれる製品のひとつと考えていい。

  では、実際どんなものなのか? 改めて「日本で出荷される製品」で確かめてみよう。

ハンズフリーで、どこでも「ネットの力」を利用

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上面はタッチセンサーになっていて、音量調節などに使う。

 Google Homeは大ぶりのBluetoothスピーカーと同じくらいのサイズをしており、上面が斜めに切り取られた円柱のようなイメージだ。表面にボタンなどは目立たないが、一応上面がタッチセンサーになっていて、ボリュームなどの調整が行える。

 ボタンが少ないのはある意味当然である。操作は「声」で行うものであり、機器には手を触れないのが基本であるからだ。まずは、音声でどんな風に答えてくれるかを、ムービーで見ていただこう。

 日本語で問えば、日本語で自然に答えてくれる。

 キーワードは「OK、Google」もしくは「ねぇ、Google」。この言葉に続けて日本語で質問すれば、当然ながら、きちんと日本語で答えてくれている。天気はもちろん、「近くのラーメン屋さん」「動物の鳴き声」「各国語の挨拶」など、ネットで検索したくなるちょっとしたことを、声の問いかけで返してくれる。アラームの設定も、声で行える。朝起きたら「おはよう」と答えれば、今日の天気や渋滞情報を教えてくれた上に、NHKの音声ニュースなども流してくれる。

 どんなことができて、どんな風に便利なのかを知りたい場合には、スマートフォンで「Googleアシスタント」を試してみてほしい。音声だけの対応になるので、対話の細かな内容はもちろん異なる。しかし、ベースとなっているのは同じ「Googleアシスタント」であり、基本的なイメージはつかめるのではないだろうか。

 スマホと違うのは、常に部屋にあり、音声でのコマンドを待ち続けていることだ。フリーハンドで、好きな時にネットの能力を使えることがスマートスピーカーの強みであり、Google Homeもそこは同じである。

 ちなみに、「OK、Google」もしくは「ねぇ、Google」というコマンドを発さない限り、命令はGoogle Homeの中にもGoogleのサービスにも音声は記録されない。だから、「会話は全部Googleに筒抜け」というわけではない。また、来客中などで「絶対にGoogle Homeには反応して欲しくない」時のために、裏面には「ミュート」ボタンがついている。

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本体の後ろ側にはミュートボタンがある。

「ノイズ対策」「複数話者」に強み、激化するパートナー集め

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 音声で答えてくれる、という部分はスマートスピーカーに共通の要素である。差別化要素はむしろ別の部分にある。「いかに良い品質の応答を返すか」「いかに毎日使いたくなる要素を持っているか」が重要だ。

 Google Homeの「音声認識」「音声合成」の質は確かなものがある。LINEが音声認識の応答速度と確実性で多少苦労していうように見える一方で、Googleはスマートフォンでの経験が豊かであること、英語ですでに1年先行して経験を積んでいることなどから、「こちらの言葉を認識する」部分では、安心して使える印象が強い。

 一方、音声応答の「賢さ」という点では、厳しく言えば「五十歩百歩」である。もちろんGoogleの方が賢いのだが、それでも、多くの人が「AIスピーカー」という言葉から受ける期待には到達していないはずだ。

 ただし、意外なところでGoogle Homeには優れた部分がある。

 音声認識の敵は「雑音」だ。自分の声が明瞭に聞こえる環境であればあるほど認識率は高まるのだが、日常生活は雑音にあふれている。その中でも人間が相手の声を聞き取れるのは、人間の認知能力が優れていることの証明でもある。

 スマートスピーカーの場合、音楽を聴きながら使うことも多く、スマートスピーカーの出す音が声にとっては「雑音」になることも多い。そんな時人間は、聞き取りやすいように「大声を張り上げる」ことになる。また、ちょっと遠くに置いてあるスマートスピーカーに話しかける場合も、大声で話しかけたくなる。

 だがGoogle Homeは、この「雑音」にかなり強い。音楽やテレビの音が流れている環境でも、スピーカーと人の間に距離がある時でも、意地になって大声を出す必要はない。「ちょっと大きめの声で話す」程度で、意外なほどきちんと聞き取ってくれる。この要素は、筆者の見るところ、現在販売されているスマートスピーカーの中では、Google Homeがもっとも優秀であるように思う。

 また、Google Homeは「6人」の声を別々に聞き分けることができる。例えば、わたしが「スケジュールを教えて」と言った時と、家族が「スケジュールを教えて」と言った時では、返ってくる答えが違うのだ。

 ただし、一度に話せる人が1人であることにかわりはなく、同時に複数の人が話しかけることはできないので、その点は注意が必要である。

 もうひとつ、Google Homeのメリットとして推したいのが「Chromecastとの連携」だ。ChromecastはGoogleの販売している、テレビにスマホの映像やネットサービスを表示するための小型機器だが、これと組み合わせることで、Google Homeとテレビの連携が容易になる。例えば「Netflixでスタートレックを再生して」といえば、ChromecastがNetflixにアクセスし、テレビへと表示してくれる。写真をGoogle Photoで管理していれば、「先月の写真を表示して」と言うだけで、適切な写真を表示してくれる。

 こうした連携は、機器の設定の手間はあるものの、ある種の「音声リモコン」として機能する。ソニーやシャープのように、テレビのOSにAndroidを採用しているところの対応製品であれば、Chromecastの機能が最初から入っているので、より簡単に使える。

 将来的には、もっと多くの機器がGoogle Homeに対応することだろう。サービスや語彙の増加とともに、連携する機器がどう増えるかが、スマートスピーカーの価値を決める。Googleはスタートの前に、日本でもかなりのパートナーを獲得している。まずここで一歩リードしている、と筆者は感じる。

 ライバルとなるLINEやAmazonもパートナー作りにはかなり力を注いでおり、スマートスピーカーの登場と同時に、「音声で使うサービス・機器の市場」が盛り上がることになる。ハードウエアよりも、むしろサービス面や機器連携が商品の価値を決めるので、みなさんが今後製品を選ぶ時も、その部分の情報に注目していただきたい。

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