HOMECAMPFIRE家入一真が綴る、“お金がすべて”のその先「なめらかなお金がめぐる社会。」

CAMPFIRE家入一真が綴る、“お金がすべて”のその先「なめらかなお金がめぐる社会。」

Rikaco Miyazaki

2017/08/30(最終更新日:2017/08/30)


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CAMPFIRE家入一真が綴る、“お金がすべて”のその先「なめらかなお金がめぐる社会。」 1番目の画像

 世間的にも浸透したサービス「クラウドファンディング」。

 2016年の大ヒット映画「この世界の片隅で」やテレビ番組「ガイアの夜明け」で紹介されたデニムブランド「EVERY DENIM」など、最近クラウドファンディングが活用されたものを目にするようになった。

 そんなクラウドファンディングの新たな形として、今話題を呼んでいるのが“フレンドファンディング”と呼ばれる「polca(ポルカ)」。

 やりたい企画を実行するために、身近な友だち同士から必要な金額を集めることができるサービスだ。

 今回はpolcaの仕掛け人であり、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」代表取締役である家入一真氏が考える「新しい経済の姿」を覗いてみたい。

個人が支え合う「小さな経済圏」

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 2017年8月26日(土)に発売された家入氏の著書「なめらかなお金がめぐる社会。あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。」。

 本書では、21世紀の生き方や今後の社会の向かう場所について綴られている。

家入氏の考える「いい社会」とは「各自が自由に“幸せ”を追求できる社会」

 本書の第一部では「そもそもいい社会ってなんだ?」という家入氏の考えが述べられている。

 家入氏は、これからの時代を生き抜くためには、「自分の人生をどう生きたいのか?」という問いを持つことと自分のやりたいことを一緒に実現する仲間だと話す。

 「富むこと」「勝つこと」「権力を持つこと」が人生のゴールという“行きすぎた資本主義”の中で、金銭的にも精神的にも苦しくなっている人はたくさんいる。

 資本主義社会の中でもがき苦しむ人たちが幸せを追求するには、個人と個人がつながった、国や企業などの社会構造に依存しない「小さな経済圏」が発展する必要がある、と説く家入氏。

 CAMPFIREやpolcaは、そういった小さな経済圏を形成するための土台なのだ。

選択の自由がある社会で、あなたはどう生きる?

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「お金」「名誉」に興味がない“さとり世代”が増加中!

 家入氏の周りにいる20代たちは、名誉やお金に全く興味のない子が増えているそうだ。

 「根性がない」「甘えている」「ハングリー精神に欠ける」など、“ゆとり世代”や“さとり世代”をマイナス評価する言葉はどこにでも転がり落ちている。

 そういったマイナス評価をする前に、彼らの価値観の中に「お金がすべて」という考えがなくなっていると考えてみてはどうだろうか?

 お金に若者がこだわっていれば、すぐに仕事を辞めたり、野心を持って仕事をしたりなどしない。

 大人や若者の意識しないところで、世代間での価値観の違いが生じているのかもしれないのだ。

「それが大人になるってことだよ」と言ってませんか?

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 本書の中で家入氏は、世の中の部下を持つビジネスパーソンたちに刺さるような言葉を述べている。 

僕は会社組織を否定したいわけではなくて、その仕組みによって生きづらさや働きづらさを感じる人にも居場所を作りたかっただけだ。

そういうひとは結構いるし、言語化していないだけで違和感を持ち続けている人はさらに大勢いる。

もっと言えば、そうした現実と想いのギャップについて「それが大人になるってことだよ」というわかったような言葉お茶を濁そうとする世の中の姿勢を僕は看過できなかった。

出典:家入一真『なめらかなお金がめぐる社会。あるいはなぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。』

 組織の人間関係に働きづらさを感じたり、会社の制度に不満を持っていたりする若い部下に対して「そんな社会の理不尽に耐えるのが、大人になるってことだよ」と言っていないだろうか?

 それは、「大人になる」という言葉にかこつけて、自分たちの価値観を押し付けているだけかもしれない。

 「大きな経済圏」で“豊かになること”が幸せとされていた社会が完全に崩壊するとき、きっと大人の生き方はより多様化しているはずだ。

言い訳のできない自由な社会での生き方は、あなた次第

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 「家入さんは言い訳をなくしたいんだな」。

 Twitter上で誰かに言われた家入氏が忘れられない一言。

 家入氏の作るプラットフォーム、CAMPFIREは「お金がないからできない」という言い訳を。

 ネットショップのBASEは「自分の店を持てない」という言い訳を。

 リバ邸は「居場所がないから生きたくない」という言い訳を。

 行動を起こすときの障害となる言い訳を、どんどんとなくしているのだ。

 やってみよう! と思えばいつでもできる、そんな自由な社会。どうやって生きるのか? という問いの答えは「あなた次第」になってきているのだ。

 有名大学を出て、大手企業に就職して、定年までサラリーマンとして働いて……そんな生き方に少しでも疑問を持ったことがある人もいるだろう。 

 2020年のアメリカは「労働人口の半分がフリーランスになる」と予想されていることからわかるように、レール通りに生きる社会は今後ますます縮小していく。

 そう遠くない未来で日本の社会の在り方もガラリと変わるはずだ。

 「自分の人生をどう生きたいのか?」——来たる新時代の幕開けの前に、今一度その問いをじっくり考えてみよう。 


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