1. BaseCampフリード氏「計画は時間の無駄」。大企業の共通項は“自分のためのサービスづくり”

BaseCampフリード氏「計画は時間の無駄」。大企業の共通項は“自分のためのサービスづくり”

by seanosh
 BaseCamp社(元37signals)は、ウェブアプリケーションを手掛ける企業。元々ウェブデザイン企業として始まった彼らは、自らの多忙さに「プロジェクト管理ツール」の必要性を感じ、“BaseCamp”というプロジェクト管理ツールを開発した。

 BaseCampの創業者の1人、ジェイソン・フリードがポータルサイト“Big Think”によりインタビューされた。

 今回は彼の、「計画がなぜ時間の無駄なのか(Why Planning Wastes Time)を書き起こしする。彼はこのインタビューで主に、自分のために製品を作る利点を語った。

自分のために製作を行う企業は、概して良い製品を作る

なぜ37signalsはあのような劇的な変化を成功させたのか

フリード:僕らは大きな変化についてあんまり考えない会社だ。それよりも、僕らはただ実行するだけで、願わくば大きな変化や大きなことになると良いと思っている。とはいえ、僕らは常に「現在」を見ているんだ。

僕は「計画」ということが嫌いで、信用していない。多くの場合、それは推測にすぎないから時間の無駄だと思う。だったら何かを実行したい。

だから、今まで僕らが会社でしてきたことの全ては、僕らがしたかったことなんだ。そうしたかったからウェブデザイン企業を起こし、自らのためにソフトウェアを作る必要があり、そうした。作りたかったからね。それからソフトウェアを製品にしたくて、製品化させたんだ。

その後は、また他のものが必要になったから新しい製品を作りたくなり、BaseCamp(プロジェクト管理ツール)を作った。それで、簡単なTo-Doリストが必要になった時に、Ta-Da Listを開発。それからまた別のものが必要になって……ってね。

僕らは、「現在に好機を見出し、自分たちにとって意味があることをする」会社だ。「この計画を遂げれば、僕らの会社は大成功する」や「これのみが、今我々がすべきことで、これが終わったら大躍進だ」などという考えはない。僕はとても小さなステップを一歩一歩積み重ねることを大いに信じていて、ただ道理にかなっていることをしているだけだ。

37signalsの成り立ち

 ここで彼は、自社の歴史を振り返る。37signalsは99年に起業され、元々は3人だけだったそうだ。彼はそれまではフリーランスのウェブデザイナーとして活動していたが、自分で全てをすることにうんざりして、ウェブデザイン企業に所属しようとする。その面接を通じて、創業者の1人に出会い、それから両者共通の友人と起業することになったそうだ。

 当初のウェブデザイン会社では3人が業務で忙殺。依頼人のプロジェクトを管理する“何か”を必要とした。そこで、ウェブデザインソフトウェアやプロジェクトマネジメントソフトウェアを探すことに。しかし、気に入ったものが見つからず、自分たちで作ることにしたのだ。

 それを仲間内で使っていたところ、依頼人たちに凄く気に入られて、結果的に製品となったのが「BaseCamp」である。

自分のために製品を作る利点とは

フリード:僕は、人生で出来る最高の仕事というのは「自分のため」のものだと思っている。自分のために時間を割くときこそ、人生最高のものができる。それが僕らの会社がしていることだ。

だから僕らは自分たちが必要な製品を作っていて、僕らのようにそれを必要としている人がいることを知っている。もちろん全員の人が必要としているわけではない。だけど、そういう人は10万、100万、1,000万といるかもしれなくて、それは僕らにとって凄く良いマーケットなんだ。成功するために、なにも1億人を魅了する必要はない。

自分のために何かを作り、それを使えば自分がその時点の良きレビューアーになれるから、この考え方はとても役立つ。自分の製品のことを本当に良く理解できるんだ。他人のために何かを作ったときとは違ってね。その場合は、どうもピンと来ないだろう。その製品について、良く学ぶことは出来ても、自分のために必要と思っている時ほどではない。

そして、世界のトップ企業というのは、決まって自社の製品を使いたいと思うような人によって運営されていると思う。ここでApple社を出すのは陳腐だが……まあいいや。自社の製品を紹介するときのスティーブ・ジョブスの発言を注意して聞くと、「僕らは(この製品が)大好きだし、気に入ってくれたら嬉しい」みたいなことを言っているんだ。

その考え方は、「我々は自分のためにこれを作っている。何故なら我々はこの製品が大好きだから。我々が気に入っているということは、あなた方も気に入るだろう」というものなんだ。

僕は素晴らしい製品を作る企業というのは、まず自らを感心させるために作っていると思う。フェラーリ社、アウディ社、ポルシェ社みたいな素晴らしい車メーカーを見てごらん。彼らは製品を自己満足のために作っているのは一目瞭然だ。それが大事だから、自分らに価値があるものを作りたがる。そして自分にとって素晴らしいものを作ることができれば、他の人々も気に入ることを知っているんだ。

ゼネラルモーターズ社とは違ってね。彼らは自分のために作ってはおらず、フォード社も多分自社のフォード・フォーカスに対してそこまで歓喜していない。少しは楽しんでいるかもしれないが、フェラーリ社が車を作るときほどではない。そして僕らは、フェラーリ、アウディ、Appleのような企業を好む。

アマゾン社も良い例だ。アマゾンはアマゾンウェブサービスというものを作ったんだが、これはそもそも自社の発展のために必要で、作らなければならないものだったんだ。だから僕は、自分のために作る企業は概して良い製品を作ると思う。

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