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格安スマホの草分け「TONEモバイル」が3周年:超独自戦略「1機種・1プラン」を貫く理由

村元正剛

2016/12/05(最終更新日:2016/12/05)


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 「TSUTAYAで買えるスマホ」として、あるいは「月額1,000円で使えるスマホ」として注目を集めるトーンモバイルが3周年を迎えた。といっても「TONE(トーン)」というブランドが誕生したのは昨年の春で、それまでは「freebit mobile」というサービス名だった。
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 まずは、TONEモバイルの歴史を振り返っておこう。TONEモバイルの前身であるfreebit mobileのサービスが開始されたのは2013年11月。「PandA」という専用スマホを発売し、12月には、福岡市に直営店もオープン。回線・端末・サービスを垂直統合で提供する“格安スマホ”として、多くのメディアでも紹介された。

 2015年3月に、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)との戦略的合弁により、TONEモバイル株式会社が誕生。5月から新サービス名「TONE」として、TSUTAYAでの販売も始まった(対象店舗は順次拡大中)。

月額1,000円でデータ通信が使い放題

 トーンモバイルは、NTTドコモ回線を利用するMVNOだ。端末は「TONE」という1機種のみで、現在は「TONE m15」というモデルを販売している。「ネットにつながらない」といったトラブルが発生したときに、梱包箱にセットするだけで、その原因を調べたりできる独自機能を備えた端末だ。
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 端末側と梱包箱に内蔵されたNFCチップで、不具合の原因を調べられる仕組み。
 料金プランも1プランのみで、月額1,000円(税抜)。500~600kbps程度のデータ通信が使い放題で、IP電話の基本料も含まれ、テザリングも利用できる。
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 月額1,000円(税抜)で、スマホの基本サービスはフルに利用できる。
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 端末を分割払いにする場合は、端末代込みで月額2,424円(税抜)。
 TONE m15はLTEに対応する端末なので、もちろん高速通信も利用できる。「YouTube」などの動画を見たい場合は、1GB300円(税抜)の高速チケットオプションの追加購入が必要だ。また、090/080/070の携帯電話を利用したい場合は、月額953円(税抜)のオプションへの加入が必要だ。

 つまり、Webやメールの利用が中心のライトユーザーなら月額1,000円で事足りるだろうが、大手キャリアのスマホと同じように使いたい場合は、いくつかのオプションの追加が必要で、月額3,000円程度はかかると考えたほうがいいだろう。それでも大手キャリアよりは安いが、他のMVNOと比べると同等か、使い方によっては若干割高になる可能性もある。

  わかりやすさを重視して「1機種、1プラン」を貫いているトーンモバイルは、手厚いサポート体制にも定評がある。使い方に迷った場合などに相談できる電話サポートは、佐賀県唐津市に直営のコールセンターがあり、年中無休で利用可能。その際、画面の遠隔操作で説明を受けることも可能だ。
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 佐賀県唐津市にある「フリービットスマートワークス(SiLK Hotlines)」の中にコールセンターがある。
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 年中無休(10:00~19:00)の無料電話サポートが、ユーザー満足度の高さにつながっている。
 万一の故障・紛失時に端末を交換してもらえる「安心オプション」(月額500円・税抜)といった保険のようなサービスも用意している。垂直統合で「1機種、1プラン」だからこそ実現できるサポートと言えるだろう。

 また、TONEは、1年に数回アップデートによる機能拡張などが行われている。ユーザーに特別な操作は必要なく、通知が届いた後、自動的にアップデートが行われる仕組みが導入されている。

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 わかりやすい取扱説明書も同梱。

10分までのIP電話かけ放題サービスを提供

 3周年を機に、新たに提供されたのが「IP電話かけ放題オプション」。月額700円(税抜)で、10分以内の国内通話が無料になるサービスだ。
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 3周年記念として10分かけ放題のサービスが開始。

 通話時間が9分30秒に達したときに、自分にだけ聞こえる通知音を鳴らす設定も可能だ。もちろん、10分を超過したとしても、通話料は固定電話宛てが13円/3分、携帯電話宛てが21円/1分と安いので心配無用。

 TONE同士の通話料は従来通り無料だ。なお、2017年4月末までに申し込めば、2017年12月までは月額500円で利用できる。

有害サイトのフィルタリングサービスを開始

 TONEモバイルは、子どもに安心して使わせることができる「TONE ファミリーオプション」(無料)というサービスを提供している。保護者が子どもの居場所を確認できたり、アプリの利用許可や利用時間を設定できたりとするサービスだが、新たに「あんしんインターネット」が追加された。

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 7つの機能が利用できる「TONE ファミリーオプション」。
 これは、保護者が子どものスマホのブラウザのフィリタリングが設定できる機能で、「小学生向け」「中学生向け」「高校生向け」の3段階から選択ができ、有害サイトへの接続をブロックできる。

 個人のブログなど、子どもが見たいWebサイトがある場合に、保護者にリクエストを送って、許可をもらうこともできる仕組みだ。

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 保護者が管理画面で設定を行える。
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 フィルタリング対象サイトに接続した場合に表示される画面。

新しいユーザー層の開拓が、今後の成長の鍵

 こうした安全・安心への取り組みが評価され、TONEモバイルが販売する「TONE」が「全国子ども会連合会」の推奨商品に認定されたことも発表された。

 これは、MVNOとして初であることはもちろん、いわゆる「キッズケータイ」のような利用者を限定する端末ではなく、一般的なスマホとしても初めての認定になるそうだ。
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 3周年発表会に登壇したTONEモバイルの代表取締役・CEOの石田宏樹氏。
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 「全国子ども会連合会」の推奨認定を受けたことが発表された。
 社会人はもちろん、高校生、大学生にとってもスマホは当たり前のものとなり、今後は、小・中学生やシニア層にも普及していくことが予測されている。

 TONEは、設定次第で子ども向けにもシニア向けにもなるスマホだ。複数台の同時契約も見込める製品でもあり、TSUTAYAの取り扱い店舗が増えると、大きく飛躍する可能性も秘めている。

 石田社長は、サービス開始当初から「携帯電話利用者全体の1%=約100万契約を目指す」と話しているが、発表会では、現在の契約件数や目標達成の見通しについての言及はなかった。販売拠点となるTSUTAYAで、新たなユーザー層にどのように訴求できるかが鍵となりそうだ。
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 なお、3周年を記念して、2016年12月31日までに新規で契約した場合は、基本プラン料が3カ月無料になるキャンペーンが実施されている。

 さらに、TONEは端末代や基本プラン、通話料などに対して200円(税抜)につき1ポイントがたまるが、2016年12月1日~2017年2月28日まではTポイントが3倍になるキャンペーンも用意。そもそもお得な利用料が特徴のTONEモバイルだが、さらに安く使いたい人には、年内の加入がチャンスだ。

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