1. 2045年、人工知能が人間を超える――。AI時代に君はどう生きる?:『人工知能に負けない脳』

2045年、人工知能が人間を超える――。AI時代に君はどう生きる?:『人工知能に負けない脳』

by PinkPersimon
 「2045年問題」をご存知だろうか。あと30年後には「コンピューターが人間の知能を超える境目(技術的特異点)」を迎えて、人工知能(AI)が私たちの生活や職を脅かすようになるかもしれないという問題である。

 今現在、人工知能は「計算力」「書類作成」「記憶力」「データ検索・解析」「オペレーション業務全般」などを、人間よりも正確にそして忠実に行うことができる。このままでは既存の職業の内、約50%の職業が人工知能に取って代わられてしまうという数字も出ている。

 人間が人間らしく「人工知能時代」を生き抜くには、どのような対策が必要なのだろうか? 茂木健一郎の著書『人工知能に負けない脳 人間らしく働き続ける5つのスキル』では、最新の脳科学の知見をもとに「人間らしい働き方、自由な生き方」が説かれている。

人工知能が人間より遥かに賢くなる?

 人工知能は、我々の生活の至るところで活躍している。例えば、検索エンジンや医療計画を立案するシステム、自動掃除機などである。最近では米Amazonが発表したドローンを使用した配送サービス「Amazon Prime Air」でも、商品配送システムに人工知能を組み込もうとしているとのこと。これにより、注文からわずか30分で商品の配送が済んでしまうらしい。人々の脅威と呼ばれている人工知能は、人々の生活をより豊かにする発明であるとも言える。

 人工知能が人間に対しての脅威だと言われるのは、人工知能自身が人に理解できない段階まで進化しようとする恐れがあるからである。つまり、人の手によって作られた人工知能が人以上に賢くなり、人の手が及ばないほどの仕組みを手にいれる可能性があるということだ。これこそコンピューターが「人類最後の発明」と呼ばれる所以でもあるが、そうなってしまえば世界は人工知能に支配されてしまう。

 人工知能の発展は人々の生活を豊かにするが、人間の介入の余地が無くなるほどの脅威となる前に、制御しなければならないのだ

人工知能には真似できない「人間だけの能力」

 先程も述べた通り、現時点で既に人工知能は「計算力」「書類作成」「記憶力」「データ検索・解析」「オペレーション業務全般」において人間に勝っている。一方で、人間が人工知能に勝っている事柄はなんだろうか? それは「コミュニケーション」「身体性」「発想・アイデア」「直感・センス」「イノベーション」であると茂木健一郎氏は語る。

 とりわけ人間の脳はコミュニケーションの力を発達させるように進化してきており、茂木健一郎氏は「コミュニケーションがうまくできない人はこれからの人工知能時代では生きにくい」と本書の中でも断言している。

 茂木健一郎氏は、人間の図るコミュニケーションと人工知能のコミュニケーションは別物である」と述べている。人間は人工知能とは異なり、物事を批判的に捉え自分なりの意見を伝えることができる。すなわち、そういったコミュニケーションがとれる人材でなければ、人工知能時代に“人間らしく”生きることが難しくなってくるのだ。

「人工知能的発想」を人間が取り入れると……?

 ここまでは、人間が人間らしく生きる方法を記してきたが、何も人工知能の能力に反して生きていけばいいというわけではない。人工知能にできて人間にできないことがあるならば、できるようになればいい。

 人工知能が持つ「人工知能的発想」は、実は人間の生活にも有用な能力である。ここでは本書の中に登場する、人間が日々の生活で実践可能な人工知能的発想を紹介したい。

余計なものを排除して、タイムシェアリングで集中する

 人工知能は「集中力」に非常に長けている。誘惑に負けて集中力を欠く人間が多いなか、人工知能はどんな状況でも集中することができる。余計な情報を脳に置かず集中する能力は、ビジネスマンなら誰でも望むものだろう。日々の努力で徐々に自分のものにしていくことができる。

ToDoリストを頭の中に持つ

 大半の人は、ToDoリストをスマートフォンのアプリや付箋などに書き出し、目に見える形で管理しているものだろう。しかし茂木健一郎氏は、成功している経営者やビジネスパーソンはToDoリストを全て“頭の中で”管理していると語る。自分のすべき事柄を脳と離れた部分で管理するのは効率が悪く、うまく処理するには限界が来てしまう。人工知能のように、やるべきことを頭の中で整理しておくことで、常に優先順位を意識しながら物事を進めていくことができる。


 本書には、人間がコンピューターに代わられることなく生きていくためのエッセンスが散りばめられている。「技術特異点」を迎える2045年、人間がコンピューターにその地位を取って代わられてしまうと早合点するのはいささか性急なところがある。人間らしく生きていくためにはどうすればいいか、どうすれば人工知能と良きパートナーになれるのか、本書を手にとって考えてみてほしい。

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