HOMEインタビュー 「大自然がメンタルを救ってくれた」日本3大秘境の1つ「椎葉村」で野外研修サービスを展開するミミスマス代表に聞くワーケーションの魅力

「大自然がメンタルを救ってくれた」日本3大秘境の1つ「椎葉村」で野外研修サービスを展開するミミスマス代表に聞くワーケーションの魅力

長澤まき

2020/05/06(最終更新日:2020/05/06)


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提供:ミミスマス

日本3大秘境の1つと言われている宮崎県椎葉村(しいばそん)。

広大な村域のほとんどを山林が占め、1000メートルを超える高く険しい山脈の山間に集落が点在している自然豊かなこの村で、企業向けにワ―ケーションの推進や野外研修サービスを提供している企業がある。

なぜ、秘境と言われる地でこれらの事業を展開しているのか?合同会社ミミスマスの代表社員・上野諒さんにサービスを始めた経緯やこだわりを取材した。

提供:ミミスマス

提供:ミミスマス

前職は政府系金融機関、実体験を元に起業

上野さんは、市街地のビジネスパーソンこそ、より自然溢れる環境に行くべきだという考えのもと、これらのサービスを提供しているという。

-----なぜ、3大秘境の1つとされる椎葉村で、ワ―ケーションの受け入れ推進や野外研修サービスを始めたのですか?

上野さん:椎葉村に移住する前までは政府系の金融機関に勤めていました。

結果を出そうと頑張りすぎたこともあり心を病みそうになることもあったのですが、趣味のアウトドアがメンタル面を救ってくれていました。

そんな中、より自然の中で暮らしたいと考えるようになり、思い切って地元宮崎県の中でも最も田舎である椎葉村に移住したのが2017年です。

最初は地域おこし協力隊として農業に従事していたのですが、村の暮らしを体験する中で疲弊したメンタルも救われて、もう一度ビジネスを頑張ろうという気分になれたんです。

この原体験から、市街地のビジネスパーソンをより田舎へ、自然の中へお連れする仕事をしたいと考え、2019年からは野外研修サービスの開発やワーケーションの受け入れ推進を行ってきました。

提供:ミミスマス/上野諒さん

自然の中で「人間性に触れられた」など好評

-----椎葉村でのワ―ケーション・野外研修サービスはどのようなものですか?内容や特色、効果や反響などを教えてください。

上野さん:ある企業さんとの研修では、湖の船の上でアイスブレイクとチェックインを行いました。

会議室でできる内容のことでも、秘境の村の湖のど真ん中ですることでより効果が増すと考えています。

実際にアンケートでは「同僚との繋がりを感じられた。」「その人の人間性に触れられた。」「日常業務では得られない関係性を築けた。」とお褒めの言葉をいただきました。

提供:ミミスマス

その土地でしかできない体験を

-----椎葉村で企業研修等を開催するにあたって、こだわっている点は?

上野さん:当たり前ですが「その土地でしかできない体験」にこだわっています。

研修サービスという意味ではオンラインもありますし、会議室にファシリテーターやコーチが赴く場合もあります。椎葉まで来なくても、近隣にも素晴らしい施設と自然環境があるかもしれません。

椎葉村でしかできない体験」と「組織開発のための活動」を組み合わせながらオンリーワンなサービス開発をしています。

提供:ミミスマス  

提供:ミミスマス

-----そのこだわりを実現するために、どのような努力・工夫をしましたか?

上野さん:工夫というほどのことでもないですが、まずは自分が「椎葉村でしかできない体験」をするようにしています。

日本ミツバチの蜂蜜を採取するための巣箱を作って山の中に設置してみたり。ここでしかできない体験をまずは自分がすることがスタートだと考えているので。

提供:ミミスマス

地方・野外での仕事が当たり前の世の中へ

同社は今年1月に、株式会社スノーピークビジネスソリューションズとパートナー契約を締結。今後、共同で企業向け野外研修サービス「CAMPING OFFICE SHIIBA」を提供する予定だという。

また、企業向けだけではなく、一般向けのサービスも現在検討しているそうだ。

-----事業を通して実現したいビジョンは何ですか?

上野さん:「地方で仕事をすること。時には野外で仕事をすること。」が当たり前の世の中にしたいと思っています。

営業マンの服装がスーツからジャケパンに変わったように、ある種の会議や研修も会議室から公園に変わっても良いんじゃないかと思います。これは、ビジネス文化のカジュアル化という意味において自然な流れだと考えています。

社会科学的な人間ではなく、自然科学的な人間観、生物としての人間を前提にした仕事環境のあり方やデザインについて事業を通して考えていきたいです。

ウィズコロナ時代において、対面で社員が会うことの希少性が増します。その時に、わざわざ会ってやりたいことは何だろうか?と考えています。身体性がより感じられて、かつビジネスに貢献する活動が求められると思います。

企業と地方との新たな関係性を模索しており、官民連携による地域課題解決がもっと増えるといいなと思っています。ワーケーションや野外研修はその1歩だと考えています。

提供:ミミスマス

-----仕事の流儀、こだわっていることや大切にしていることを教えてください。

上野さん:お客様だけでなく、手伝ってくれている仲間や地域の方々と誠実にコミュニケーションをとることです。

日本3大秘境の1つとされる椎葉村で、企業の労働生産性向上と中山間地域の関係人口創出を目指して事業を展開するミミスマス。

大自然の中で、美しい山・青空・風を感じながら行う会議や研修は、オフィスでは得ることができないインスピレーションやつながりをもたらしてくれそうだ。

出典元:椎葉村ホームページ

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