1. 錦織圭の年収は約24億円! 意外と知らないテニスビジネスの仕組みを全米オープンから紐解く。

錦織圭の年収は約24億円! 意外と知らないテニスビジネスの仕組みを全米オープンから紐解く。

by angelicalbite

 若干25歳にして世界ランキング4位(自身最高)をマークした日本人テニスプレイヤー・錦織圭。昨年の全米オープンではアジア人初のグランドスラム4大大会ファイナリストとなるなど、世界で一番有名な日本人スポーツ選手といっても過言ではないかもしれない。

 「日本一熱い男」「気温を3度上昇させる男」と呼ばれた松岡修造であっても、世界ランキングの自身最高は46位。松岡もウィンブルドンでベスト8に進出するなど、素晴らしいテニスプレイヤーだったが、世界ランキングでは46位止まりだった。それほどまでにテニスプレイヤーとして、世界ランキングで上位に食い込む(かつ、それをキープする)のは難しいことなのだ。

 今年の全米オープンでは初戦敗退と物足りない結果に終わった錦織圭だが、その躍進劇はまだまだ止まることはないだろう。今回はそんな錦織圭の年収から全米オープンの経済効果まで、日本人にはあまり馴染みのないテニスビジネスの実態に迫っていこう。

世界で輝く錦織圭の年収は、約24億円!

 米・フォーブス誌の番付「世界で最も稼ぐテニス選手」によると、昨年6月から今年6月までの錦織圭の年収は1950万ドル(約24億円)で、年収ランキング第7位となっている。

 ツアー等の賞金金額では450万ドル(約5億5000万円)となり、総合年収ランキング第3位のラファエル・ナダルと肩を並べてはいるが、トップテンの中では比較的少ない賞金金額となっている。ナダルはスポンサー料が2800万ドル(約34億円)と高額で、錦織の1500万ドル(約18億5000万円)との差は1300万ドル(15億5000万円)にも上る。

実は「年収≒スポンサー契約料」なのだ!

 テニスというスポーツはサッカー野球とは異なり、個人スポーツだ。その上、日本の十八番芸・柔道や体操のように、服装などに縛りが少ない。さらに言えば、様々なシーンでメディアへの露出も多い。 

 テニスプレイヤーの年収を大きく左右するのは、彼らを応援するスポンサーとの契約料になるのだ。錦織圭の年収24億円も、その内訳でのツアー賞金はたったの5億5000万円ほど。その他の全てがスポンサーからの契約料となっているのだ。

 とはいえ、錦織圭などはまだまだスポンサー料が低い方だ。例えば、年収ランキング1位のロジャー・フェデラーの年収は6700万ドル(約80億5000万円)なのだが、なんとその内の5800万ドル(約70億円)はスポンサー契約料なのだ。

 年収ランキング上位12名による賞金金額の総額は7100万ドル(約85億円)だが、彼らの広告収入の総計は2億1600万ドル(約260億円)にものぼっている。これほどまでに広告収入が大きいスポーツは、テニスを置いて他にないだろう。

 では、一体なぜこのような法外なスポンサー契約料がテニス選手の年収となっているのだろうか。それにはテニスというスポーツの風習、ひいてはそこから発生する経済効果が影響していたのだ。

全米オープンの経済効果は900億円越え……!

 今年もニューヨークにて開催されたグランドスラム4大大会のひとつ・全米オープン。今年は悔しい結果に終わった錦織圭だったが、2014年度の全米オープンではアジア人初のファイナリストとなった。

 今年の大会では初日の入場者が過去最多の6万1392人を記録し、5日間合計で30万人の入場者が訪れた。そして、そんな全米オープンの経済効果は900億円にものぼっているという。チケット収入だけで約1億ドル(約120億3000万円)をマークした本大会だったが、来年以降はますます売上が伸びる予定ともなっている。

世界中の高所得者・高学歴がアメリカ・ニューヨークへ!

 テニス業界、テニスの大会にここまで多額なスポンサー料が支払われるのは、全米オープンがスポンサーにとって「最適な広告イベント」だと考えられているからだ。そして、そう考える理由はテニス特有の視聴者層にあるのだ。

 実は、テニスは年収の高い層が好むスポーツなのだ。USオープンの観客の平均年収は16万1000ドル(約1952万円)に達しており、その8割が大卒以上の学歴を持っている。

 大会に訪れる人間層が明確で、かつ彼らは高所得者・消費者でもある。テニス業界はスポンサーにとっても、広告を出したいと思えるプライスレスな場所なのだろう。

国内外の放映料が高騰……!

 テニスというスポーツの特性をもうひとつ挙げるとすれば、それは人種や国籍を問わないスポーツだという点だ。

 実は、年収ランキング上位12名の国籍は10カ国にまたがっているのだ。テニス王国であるスイス・スペインから、セルビアやイタリア、デンマークまで、グランドスラムは世界規模での放送が行われる。これも広告主の決断を早める要素のひとつになっていることは間違いないだろう。

 全米オープンの放映権収入は、2013年の時点で6,500万ドル(約78億2100万円)で、この10年ほどは大きな変化がなかった。だが2013年、スポーツ専門局ESPNが2015年から11年間にわたる米国内の独占放映権を、8億2,500万ドル(約990億7000万円)で獲得した。

 ESPNは2週間の大会期間中、130時間に及ぶ中継を行うと発表した。これにより放映権争いは今後ますます高騰を見せるものと推察されている。

「約120億円」の経済効果を起こした錦織圭の決勝進出

 結びに、昨年の全米オープンにおける錦織圭の決勝進出について触れておこう。アジア人初となる錦織圭の決勝進出が生んだ経済効果は、120億円ともいわれ、それは当然、錦織圭の年収にも大きく影響している。ちなみに錦織圭が準優勝した際の賞金は、145万ドル(当時:約1億5000万円)で、錦織圭が稼いだ賞金年収の中でも大きな割合を占めている。

 日本最高のテニス選手である錦織圭は、ユニクロをはじめ、ウィルソン、日産、アディダス、デルタ航空、ジャガー、タグ・ホイヤーなど14社の大手企業とスポンサー契約を締結中。近頃は、オリンピック・スポンサーのプロクター・アンド・ギャンブルと契約を結んだばかりだ。

 錦織圭の活躍はこれらのスポンサーに、経済効果という言葉で影響を及ぼすのだ。法外なスポンサー契約料をもらっている代わりに、彼には結果が求められているのだ。


 錦織圭の年収からテニスプレイヤーの年収、全米オープンの経済効果までご紹介してきたが、その仕組みを少しはご理解していただけただろうか。

 テニス業界は高い注目と共に膨大な経済効果を生み出す場所でもある。錦織圭にも様々なプレッシャーがかかっていることだろう。錦織圭のますますの活躍を祈りながら応援していこう。

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