会社を辞めて“半年間の夜行バスの旅”へ…人手不足の地域と旅行者を結ぶ「おてつたび」が生まれるまで

2022/06/17(最終更新日:2022/06/17)


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株式会社おてつたび(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:永岡里菜、以下「おてつたび」)は、「地域の短期的・季節的な人手不足」に悩む農家や観光業などの事業者と「知らない地域に行きたい」「仕事をしながら暮らすように旅したい」など地域に興味がある旅行者をマッチングするWebプラットフォームです。地域と旅行者、それぞれの課題を掛け合わせることで「おてつたび」は新しい旅の形を提供することにチャレンジしています。本ストーリーは、代表の永岡里菜による「おてつたび」創業のストーリーです。



株式会社おてつたび 代表取締役CEO 永岡里菜

 皆さんは、日本の事をどれだけ知っていますか?

「意外と日本の事を知らないな..」という方も多いのではないでしょうか。私も未だ勉強中の身ですが、全国へ足を運ぶ中で、一見何もなさそうに見えてしまう地域にも、その地域にしかない素敵な魅力がある事に気づきます。

「どこそこ?」と言われる地域に光を当てる『おてつたび』

おてつたびは、「お手伝い」と「旅」を掛け合わせた造語で、短期的・季節的な人手不足で困っている地域の方々(農家や旅館など)と、地域に興味がある旅行者が出会えるマッチングプラットフォームです。特徴としては、お手伝いをすると報酬(アルバイト代)が得られるため、地域に行く際のボトルネックになりがちな旅費交通費を軽減できます。人手不足を人と人との出会いのチャンスに変え、誰もが気軽に“知らなかった地域”を訪れることで、地域や事業者のファンになって欲しい!そんな想いから生まれたサービスです。お手伝いを通じて、現地の人と時間を共有し、共に汗を流すことで地域のファンになり、日本各地に人と想いとお金が巡る世界を目指しています。

HP:https://otetsutabi.com/


おてつたびの原点

原体験は、自分の出身地である三重県尾鷲市(おわせし)でした。尾鷲市は三重県南部に位置する漁業と林業の町です。


(写真:小学校低学年 尾鷲で撮影)


自分にとっては魅力的な地域でしたが、大学進学をきっかけに上京してからは周りに「どこそこ?」と言われてしまうことも多く、尾鷲に足を運んだ事がある方は周りにほとんどいませんでした。その事実に半分諦めながら社会人になり、和食の普及事業を手掛けるベンチャー企業で勤務し、全国を飛び回る毎日を送っていました。その際に、尾鷲のような地域が日本には沢山あることに気づきました。

一見「どこそこ?」と思えてしまう地域にも、行ってみると素敵なものが沢山あり魅力に溢れている。ただ、行くキッカケがないだけ。そんな地域に人が訪れる仕組みを作りたい!

いても立ってもいられなくなり、当時勤めていた会社を退職しました。

住んでいた部屋を解約 夜行バスで日本全国の地域を巡る旅へ

どうやったら人が来て魅力を理解してくれるのか…東京にいても答えは見つからないと思い、半年間かけて貯金を切り崩しながら夜行バスで全国を巡りました。「人手不足だから手伝って」と言われたら、一緒にお仕事を「お手伝い」したり、時には食卓を一緒に囲んだり。とにかく色んな地域の「いま」を知る毎日を過ごしました。

地方は少子高齢化による若者不足や担い手不足が深刻です。一方で、都心では感じられないくらい時間がゆっくりで自然豊か。地域ごとに多様なライフスタイルも体感できました。

さらに、「お手伝い」の可能性も感じました。私のようなよそ者でも、お手伝いを通じて地域の人との距離を縮め、自然と地域のコミュニティに加わり、信頼関係を築くことができました。また、地域の方から地域の魅力を教えてもらったときに、私は誰かに話したいって思えるくらいその地域が好きになりました。


(写真:長野県 起業前の地域巡り)

(写真:富山県 起業前の地域巡り)


「どこそこ?」という地域に人が訪れない理由

「どこそこ」と言われがちな地域ほど、知り合いや出張等の目的がないと行くキッカケがないことや、著名な観光名所がない地域ほど交通の価格競争が起きにくく旅費が高騰しがちで選択肢にあがりにくい。そういった課題を解決するために、「お手伝い」を旅の目的(キッカケ)として地域を訪れ、お手伝いして得られた報酬で旅費交通費を軽減できる『おてつたび』のアイデアが生まれました。

創業当初の苦労

創業当初は、受け入れ先の地域の事業者を探すことに苦労しました。地域には保守的・閉鎖的な方もいらっしゃるので、旅人に仕事をしてもらう「おてつたび」という新しいサービスへの抵抗感・不安感もあったと思います。数多の地域の方へアプローチし、興味を示してくれるのが100件に1件ということもありました。

そんな中で、最初に受け入れてくださったのは長野県山ノ内町のお宿さんです。建築学部の大学生が参加し、宿のお手伝いをしていただきました。参加した学生はお手伝いを通じて地域の課題を知り、終了後にも地域の空き家を活用するプロジェクトを企画するなど継続的な繋がりが生まれていました。地域の方からも、「おてつたびの参加者からの言葉で、地域のことを改めて考えるキッカケになった」と言っていただきました。

受け入れ開始時には自分も必ず現地を訪れ、参加者と一緒にお手伝いをするなど、泥臭く一件一件向き合っていく中で、地道にコツコツと地域の方とコミュニケーションをとり、今日まで信頼関係を蓄積していきました。


(写真:東京都檜原村 地域の方と)

 

コロナ禍でも登録者が倍増。「おてつたび」の今

私たちは、「誰かにとって“特別な地域”を創る」ことをミッションに、「日本各地にある本当にいい人、いいもの、いい地域がしっかり評価される世界」をビジョンとして活動しています。2018年7月にサービスをスタートし、今年で5年目となります。コロナ禍でも登録者が倍増し、現在の登録ユーザー数は2万人、受け入れ先は全国47都道府県650事業者に拡大しました。ユーザー層も創業当初は学生をターゲットに運営してきましたが、コロナ禍による口コミの拡大により、最近ではフリーランスの社会人や転職活動中の方、子育てを終えた主婦や、アクティブシニアの方にもご利用いただいております。


利用者増加の背景としては、海外の選択肢がなくなり国内で旅先を探す人が増えたことや、オンライン授業やテレワークによっておてつたびをしながら授業や仕事ができるようになったことが考えられます。また、コロナ禍で人とのつながりが薄れてしまったと感じ、新たな出会いを求めて「おてつたび」に参加されている方もいらっしゃいます。受け入れ側も、コロナ禍で技能実習生が来なくなった農家や、必要な時期に柔軟に雇用したいと考える宿泊事業者、あるいはファンづくりを課題とする地域や事業者からご相談をいただく機会が増えました。


現在も、観光客の需要復調が見込まれる夏に向けて、たくさんの募集が掲載されています。

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他方で、人手不足や関係人口の創出は、「おてつたび」だけでは解決ができない問題です。そのため、農林水産省、ANAアキンド・小田急・JR西日本などの運輸会社、JTB山梨県、佐賀県、千葉市などの自治体、JTBなどの企業とも連携し、「人手不足のピンチ」を「地域のファンになってもらうチャンス」に変えることに努めています。今後も、同じ思いを持つ事業者さんと各々の強みを活かしながら、一緒に地域を盛り上げていけたらいいなと考えています。

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地域を支える未来のインフラに

おてつたびを通じて、継続的に関わってくれる “その地域のファン(関係人口)”をつくることで、日本各地に人と想いとお金が巡る世界を目指しています。今後、日本の人口減少がさらに進んでいく中で、人を奪い合うのではなく一人が何役にもなって地域に関わり、支え合える仕組みをつくることが社会の持続可能性につながると考えています。

「今度はどこに出かける?旅行?それともおてつたび?」と“おてつたび”が日常の選択肢のひとつになるくらい、知らない地域へ行くことが当たり前になった時、もっともっと面白いことが日本で起きるのではないかと思っています。まだ目指す世界は果てしなく遠いですが、地域の方とも協力しながら「地域を支える未来のインフラ」を創っていきたいと思います。


会社概要

会社名 :株式会社おてつたび

代表者 :代表取締役CEO 永岡里菜

所在地 :(東京オフィス)〒151-0053 東京都渋谷区代々木3丁目31−12

(静岡オフィス)〒430-0907 静岡県浜松市中区高林1丁目8-43

設立 :2018年7月

資本金:70,286,500 円


公式 HP:https://otetsutabi.com/

Twitter:https://twitter.com/otetsutabi

Instagram:https://www.instagram.com/otetsutabi_official/?hl=ja

Wantedly:https://www.wantedly.com/companies/company_1381802


人手不足でお困りの方へ

おてつたびでは、短期的・季節的な人手不足で困っている事業者、地域、自治体、JA、等を募集しています。 https://otetsutabi.com/business











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