47都道府県の地域企業と提携を目指し、1社目と提携するまでの約1年を乗り越えたマインドセット。

2022/03/11(最終更新日:2022/03/11)


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企業とメディア、そして生活者をニュースでつなぐインターネットサービス「PR TIMES」をはじめ、PR/コミュニケーション領域で事業を展開する株式会社PR TIMES。


この数年来取り組んでいるのが、金融機関や新聞社といった地域企業との提携を通じて、地方地域からの情報発信を活発にすることを目指すプロジェクトです。2017年の京都銀行との業務提携にはじまり、現在では41都道府県の地方金融機関、自治体、新聞社との提携を実現しています。中期経営目標「Milestone2025」でも47都道府県での提携実現を目標に掲げており、取り組みが拡大している最中です。


このプロジェクトのはじまりから約1年、最初の提携が決まるまでに苦心した際の奮闘を当時のプロジェクト責任者 小暮がお話しします。


地域のお客様にもプレスリリースの可能性を届けたい

プロジェクトのはじまりは2016年6月。当時所属していた部署のメーリングリストあてに、代表の山口さんから一通のメールが届きました。件名は「募集、地銀とアライアンスをすすめます」。新たにはじめるプロジェクトのメンバーを募るメールでした。



当時、「PR TIMES」の利用企業は首都圏所在のお客様が多く、地域のお客様にも活用いただきたいという課題がありました。提供地域を広げたい場合、支社をつくるなどの選択肢もありますが、実は2015年に大阪支社をつくったものの、3カ月で閉鎖した経緯があったんです。


そこで、次の挑戦として各地域の企業と信頼関係を築いている地方金融機関などパートナーとともに、地域のお客様に情報発信の手段としてプレスリリースの存在を知っていただくという施策をとりました。


私自身は入社して半年ほど経ち、サービスのご案内など営業としての活動は一通りできるようになった時期でした。「PR TIMES」は広報体制が確立されているお客様のご利用も多い一方、お電話や勉強会参加を通じてご相談いただく地方のお客様の多くが、広報やプレスリリース配信に初めてチャレンジする方でした。どうにか自社の商品・サービスを知ってほしいという声を聞くたびに、もっと広く潜在的な広報課題を持つお客様とも関われないか、と課題に感じていました。


また、PR TIMESでは様々な部署のメンバーが、マーケティングに寄与するプロジェクトを部署の垣根を越えて推進しています。当時営業部門の先輩もそれぞれプロジェクトを担当していた中で、私もなにかチャレンジをしたいと思い始めていたこともあり、山口さんからのメールに「参加します」と返信をしていました。

半年間で20以上の金融機関に提案するも提携が実現しない日々

まずは地方金融機関に対して、ご提案に伺うことからはじまりました。とにかく日本全国の地方金融機関に足を運びました。


2016年3月にPR TIMESはマザーズに上場し、利用企業数も増えてきていたタイミングでした。しかし、業界や地域が変わるとまったく知ってもらえていないところからのスタート。もちろん地方金融機関のご担当者様も私たちのことを知らないので、会社やサービスの説明からはじまり、実現したいことについてお話ししました。


〈2016年6月当時の「PR TIMES」説明資料より〉


それでも残念ながら、「個人的にはいいサービスだと思いますが、ほかの銀行との提携実績はありますか?」「ほかの銀行が提携したときには改めて教えてください」といった返答が多数。新規の取り組みを開始することの壁の高さを感じました。実は、代表の山口さんからも”ダメでもともと”と言われていた挑戦でした。


通常の営業業務も行いながら、月の1/3は地方行脚。いくら提案しても提携が決まらない。せっかく各地域に訪問するのだからと出張先で1日に3~4件のアポは必ず入れていましたし、慣れない土地で面会に遅れることがないよう時間に余裕をもって朝早くから移動していました。PCの充電がなくなるので、充電できる場所を探しながら面会の合間の短い時間に急いでメール返信をする日々。もちろん私の実力が不足していたこともありますが、そんな状態で日本全国をまわるうちに、なかなか決まらないプレッシャーや焦燥感も手伝い、精神的に追い詰められていきました。



そんなメンタルの中でも、出張先でお客様とお会いするたびに、PR、そしてプレスリリースの可能性に気づかされるんです。「商品やサービスの魅力を伝えたいと思ってるけど、広報担当はいないし、プレスリリースなんて書いたこともない。」という方が多くいらっしゃいました。そういう方にこそ「PR TIMES」をご利用いただくことでPR活動の一歩を踏み出していただきたいと思いましたし、当社のサービスを通じて地域企業にもっと広報上手になってほしいという想いを強めていきました。


そのためには、地域のパートナーとともに「地域から情報発信ができること」を伝えていくことが重要です。お客様と接することで、当社のサービスがどのようにお客様に、そして社会に貢献できるのか言葉にできるようになり、点が線に、線が面になるようにプロジェクトへの理解が深まりました。それと同時に、このプロジェクトを絶対に完遂したい、成功させてみせると決意しました。

京都銀行とはじめての提携実現

そんな時に「一回新規の提案はやめて、いま話が進んでいるパートナーとの提携に注力してはどうか」と、代表の山口さん、当時の上司である江口さんに声をかけてもらいました。ここで立ち止まってしまうとプロジェクト全体が止まってしまうような気がして怖かったのですが、一度歩みを止めて、既に提携を検討していただいている先とのコミュニケーションに専念しました。


今振り返ると仕事において「やらないことを決める」決断はとても大切だなと感じます。実際に、この方針転換が功を奏しました。


実は、中々提携が決まらない中でも、いち早く提携に対し前向きに動いてくださっていた銀行がありました。それが京都銀行さんです。京都銀行さんは、戦後にベンチャーとして活動を始めた現在の大企業と一緒に成長されてきたという歴史もあり、「とにかく行動する」文化やベンチャー精神が根付いているそうなんです。京都銀行さんとの取り組みに専念し、ついに提携合意に至り、2017年5月にプロジェクト初となる提携が実現しました。プロジェクトがスタートしてから、約1年後のことでした。


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京都銀行さんとの提携の裏側はこちらの対談もご参考ください。

https://prtimes.co.jp/cross-talk/kyoto-bank/



初めての提携ということもあり、契約書も一から作成。京都銀行さんにとっても非常に手間のかかる作業だったはずなので、実現してくれた担当の方々には頭が上がりません。


また大変ありがたいことに、新聞の一面に掲載されるなど、発表後には多くの反響をいただきました。さらに、ほかの金融機関の方から「京都銀行との提携の記事を見たのですが」というお電話もいただき、最初大変だったのが嘘のように提携の取り組みが広がっていきました。


京都銀行さんから紹介していただいたお客様には6カ月間3件まで無料でプレスリリースをご配信いただけるプログラムを提供しています。そのプログラムを利用いただいたお客様の情報がニュースになっていたり、効果を感じて長くご利用していただいたりしているのもとても嬉しいです。

合計52例の提携に拡大。PRで地方創生を後押ししたい

その後は金融機関だけでなく、自治体や地方新聞社との提携も実現しています。現在は41都道府県、合計52例の提携まで拡大し、各地域で「情報発信をしていきたい」という機運が高まっていることを感じます。


〈地方情報流通のための提携先一覧(2022年3月現在)〉


広報やPRの業務は、予算や人材などを含め”体力のある企業”ができることというイメージがあるかもしれません。特に地方であれば、広報部門がある企業はその他部門に比べるとまだまだ少ないです。


しかし、自社や商品・サービスの魅力を適切に届け知っていただくことは、事業成長の大きな要になります。それに、自分が携わった商品やサービスへの反響ってとても嬉しいですし、「これからも頑張ろう」という原動力になりますよね。取り組みを通じて、「手段が分からない」、「ノウハウがない」という課題がなくなり、商品やサービスを適切に伝えやすい世の中になっていくといいなと思っています。


地域や事業規模に関わらず、行動している人たちの情報には大きな価値があると信じています。地元で愛されるレストラン、歴史ある工芸品、独自の技術をもつ町工場。様々な行動者の情報がさらに発信されるようなサービスにしていきたいと考えていますし、提携を通じて地域の情報流通が盛んになり、PRの力で地方創生が進むような、そんな取り組みを継続していきたいです。



【株式会社PR TIMES会社概要】

ミッション:行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ

会社名 :株式会社PR TIMES (東証一部 証券コード:3922)

所在地 :東京都港区赤坂1-11-44 赤坂インターシティ8F

設立 :2005年12月

代表取締役:山口 拓己

事業内容 :- プレスリリース配信サービス「PR TIMES」(https://prtimes.jp/)の運営

- ストーリー配信サービス「PR TIMES STORY」(https://prtimes.jp/story/)の運営

- 広報・PRの効果測定サービス「Webクリッピング」(https://webclipping.jp/)の運営

- クライアントとメディアのパートナーとして広報・PR支援の実施

- 動画PRサービス「PR TIMES TV」「PR TIMES LIVE」(https://prtimes.jp/tv)の運営

- クラウド情報整理ツール「Tayori」(https://tayori.com/)の運営

- タスク・プロジェクト管理ツール「Jooto」(https://www.jooto.com/)の運営

- 広報PRのナレッジを届けるメディア「PR TIMES MAGAZINE」(https://prtimes.jp/magazine/)の運営

- Webニュースメディア運営、等

URL :https://prtimes.co.jp/




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