宮城県仙台市を拠点に、高校生向けの教育事業を行っている株式会社オーナー。社名の由来は「オーナーシップ(主体性)」という言葉で「1人ひとりが、自分の人生のオーナーとして輝ける世界を目指す」をビジョンに活動しています。
株式会社オーナーは、宮城県で地方創生事業を行っていた齊藤良太と、高校生の時から教育を志し、同じく宮城県を拠点に民間の教育事業会社で高校現場を回っていた佐々木敦斗が出会い、2021年夏に誕生しました。
これまでに、高校生向け「探究」のオンライン教材である「探究百科GATEWAY」を開発し、2023年度からは、大学受験生向けの総合型選抜・AO推薦対策講座を新たにはじめ、総合型選抜・AO入試を目指す全国の高校生をサポートしています。
このストーリーでは、株式会社オーナーを立ち上げた創業者たちがどんな志を持ち活動しているのか、その想いをお伝えします。
地方創生事業をしていて感じた「教育」の大切さ
株式会社オーナーの創業者の1人である齊藤良太は、2016年に地元の宮城県で起業。地方創生の事業に取り組んでいました。海外からのインバウンド観光客誘客や、地域の特産品の開発、地域活性化のイベント企画など、100個以上の多くの地方創生プロジェクトを推進し、様々な成功・失敗を繰り返す中で感じたのは、地域に主体的に動ける「プレイヤー」が少ないことでした。
自分たちが主体者で動くにも限度がある。本質的な地方創生を行うためには、自分ごととして地域課題に向き合い、行動し続ける「人」を生み出さなければいけない。それならば、子どものうちから「教育」を通して、主体者を生み出せばよいのではないか?と考えました。
そこで、2020年夏から新規プロジェクトとして、教育に興味がある会社のメンバーを集め、教育事業の検討をはじめました。実は齊藤自身も富士通・マイクロソフトで教育事業を担当していました。
齊藤良太
齊藤たちが考えていたのは、「受験勉強」に限らない学習をオンライン・オフラインで学ぶというブランでした。地方創生事業を行ってきたからこそできる、地域の現場で実践的に学ぶことができたり、あるいは齊藤が持つネットワークを活かし、起業家から直接話が聞けたりする機会を作れないかを考えていました。
実際に高校生向けに複数の起業家をゲストに招いて授業を行ったところ、高校生からは「自分の好きなことを突き詰めたい」「志を持ち、失敗を恐れずに色んなことに挑戦していきたい」と好評で、齊藤たちも手ごたえを感じていました。
この成果を2021年2月に開催された「Tohoku Grouth Accelerator2021」で発表。「ITと地域力で子どもたちの『自ら問い、考え実行する力』を創る地域未来教育事業」と題したプレゼンは、最高賞である「オーディエンス賞」を受賞しました。
◆Tohoku Grouth Accelerator2021のプレゼン動画
「東北発の探究学習で日本を変えていける」という確信
そしてこの「Tohoku Grouth Accelerator」のプレゼン動画を食い入るように見ていたのが、もう1人の創業者、佐々木敦斗(あつと)です。佐々木は岩手県出身、東京大学教育学部を卒業しています。高校時代から「教育」への関心は深く、東大時代には東大生との交流を通して地方の高校生の進学を支援する「FairWind」を立ち上げました。そして全国紙の新聞記者を経て2015年リクルートに転職。高校生向けの教育サービス「スタディサプリ」の仙台拠点の立ち上げメンバーとして、東北にUターン。当時は高校向けにオンライン学習サービスを通じた学習支援や、高校生向けに進路やキャリアを考える講演をしていました。
佐々木敦斗
長年「教育」を考えていた佐々木が注目をしていたのが、「探究学習」です。「探究学習」とは生徒自分自身が自らテーマを設定し、調べてまとめて発表するというプロセスを通して自分の将来像を考えていく学習の方法で、各学校でも授業内外の時間を使って「探究学習」がスタートしていた時期でした。
探究における生徒の学習の姿
高等学校学習指導要領(平成 30 年告示)解説 総合的な探究の時間編 より
特に佐々木が感銘を受けたのが探究のコンテストで発表する高校生の姿で、例えば地域活性化や防災、観光、農林水産業など多様なテーマにチャレンジをする高校生と数多く出会いました。「自分はどうしてもこれがやりたいんだ」という思い、そして大人たちとともに、実際に地域に出て行動する姿に心打たれました。
当時の佐々木は自分自身が高校現場に足を運びながら、将来を「なんとなく」考えていたり、あるいはなかなか勉強への意欲が湧いてこなかったりするする高校生の姿が気になっていました。その中で、主体的に行動する高校生と出会った佐々木は直感します。
「探究学習で、日本は変わるんじゃないか」。
2011年の東日本大震災をきっかけに活動する高校生や、復興に向かう被災地で高校生の活動をサポートしている大人たちとも数多く出会いました。佐々木自身も震災をきっかけに、東北にUターンを決めた1人です。震災を経験した東北だからこそ、新しい教育のカタチが作れるのではないか?ということを考えていました。
偶然が呼んだ、2人の出会いは仙台駅近くの焼肉屋で
そんな中、偶然のつながりが2人を引き寄せます。佐々木の高校の部活の後輩(取締役の佐藤好)が、齊藤とともに教育事業を検討しているという不思議な縁で、齊藤と佐々木は出会います。初めて出会った場所は仙台駅近くの焼き肉屋でした。
佐々木は最初に会った時のことを、「同じ仙台で、自分と同じような思いを持って取り組んでいると感じたし、齊藤さんがやりたいことは『探究』そのものだった」と振り返ります。そして佐々木はリクルートを卒業して新たなチャレンジをすることを決め、2021年夏、株式会社オーナーが誕生するのです。
探究のオンライン教材「探究百科GATEWAY」の誕生
株式会社オーナーが最初に取り組んだのは探究学習のうち「総合的な探究の時間」の教材でした。2022年度から新しく「総合的な探究の時間」という授業の新設が決まっていたことで、佐々木自身が約6年間学校を回っていた経験から、各学校とも課題を感じていると実感していたからです。
特に、探究学習をスタートする時に、そのテーマを探すための教材が必要だ、と考えていました。探究学習の時間を有効に使うためには、その探究テーマを探すためにまずは様々な情報をインプットする教材を作れないだろうか、まさに探究のための「百科事典」を作りたい、と考えていました。
しかもそれが「地域」に特化していて、その地域で活躍をしている大人や自分が行ったことのある場所のストーリーであれば、身近でジブンゴトしやすいのではないか、と考えました。また、宮城大学事業構想学群地域資源マネジメント研究室との共同研究により、学術的な視点からのアドバイスも頂きながら開発を進めていきました。そして2022年4月、探究百科GATEWAYは完成し、1年目から学校で探究学習の教材としての導入が決まりました。
探究百科GATEWAY
https://education.ownerjapan.co.jp/
元新聞記者の佐々木は、完成後も取材を進め、約1年間をかけて、約200本の取材記事を完成させました。記事の最後には「問い」が付いていて、その「問い」に答えることで高校生が考えを深められる設計にしました。実際に活用した高校生からは「実体験を元にしているから自分と違う考え方、行動を知ることができる」、「これからの進路活動だけでなく、自分たちの人生にも役立つと思った」と前向きな声が数多く寄せられました。
探究の次は、総合型選抜・AO推薦入試対策へ
そして株式会社オーナーは2023年6月、「GATEWAY 総合型選抜・AO推薦入試対策講座」という新たな講座をスタートしました。近年増加している「総合型選抜」や「AO・推薦入試」を目指す受験生向けのオンライン講座です。「GATEWAY」で探究の入口はサポートできる。ただ、それだけでは不十分で、探究学習の成果を活かして大学入試まで接続するところまでサポートしたいと考えていました。そうすれば高校時代の探究の入口から出口までサポートできるからです。
2021年から東北大AOⅡ期入試についての対策講座を開催し、合計6学部に合格者を出した実績もあり、2023年度からは、総合型選抜・AO推薦入試を目指すすべての高校生に講座を届けていきます。講師には公立高校の校長を退職しオーナーに加わった仲間や、総合型選抜・AO入試で大学に合格をした大学生がおり、オンラインで「対話」しながら入試の出願に必要な書類を仕上げていきます。
株式会社オーナーが思いを込めて企画する、「GATEWAY 総合型選抜・AO推薦入試対策講座」。その入り口として、高校生向けに無料体験講座を企画しています。東北大学コース・東北学院大学コースはその大学を目指す志望者向けのコース。全大学の志望者を対象にした「全大学コース」もあります。佐々木もほぼ毎回、無料体験講座に参加しています。探究を自分の将来に活かしたい、総合型選抜やAO入試で合格したい、という高校生のご参加を、お待ちしております。
〇GATEWAY 総合型選抜・AO推薦対策講座
〇無料体験講座申込ページ
https://ownerjapan9ao2.peatix.com/
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