副業・兼業人材を受け入れている企業は65.2%で前年から+18.8ptと大幅に増加。企業の男性育休の取得率は「1割」が最多。制度浸透には課題が残る結果に
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2023年1~7月に中途採用を行った企業の人事担当者を対象に実施した「企業による多様な働き方実現に関するレポート(2023年)」の結果を発表しました。
《TOPICS》
副業・兼業人材を受け入れている企業は65.2%と前年比+18.8ptで大幅に増加。副業・兼業制度がある企業も70.8%と3年連続の増加【図1、2】
今後導入したい施策では「週休3日制度」が13.5%で最多。導入課題では「人手不足」が最も多く、副業・兼業をはじめとする多様な雇用制度の導入が解決への糸口か【図3、4、5】
男性育休取得の実績がある割合は61.4%で、前年の57.4%から4.0pt増加するも、実際の取得率は1割が最多となり、取得割合には懸念が残る【図6、7】
調査概要
中途採用を実施した企業が副業・兼業人材を受け入れている割合は、65.2%で前年比+18.8ptとなり、大幅に増加した。また、従業員の副業・兼業を認可する制度がある企業は70.6%(前年比+1.9pt)と、3年連続で増加。前年までは副業人材を受け入れている企業が46.4%、認可する制度がある企業が68.7%で22.3ptの大きな差があったが、今年は受け入れる企業が増加し、その差が5.4ptまで縮まった。人手不足解消などのために今後も副業の受け入れ企業が増加すると予測される。副業・兼業を認可する制度の導入理由は「従業員エンゲージメントを高めるため(37.3%)」が最多で、単に収入の補填だけではなく、従業員の満足度やモチベーションを向上させる制度と認識したうえで導入しているようだ。【図1、2】
【図1】副業・兼業の導入割合
【図2】副業・兼業制度を導入した理由(複数回答/上位抜粋)
今はしていないが導入したい施策について「週休3日制度(13.5%)」が3年連続で1位。一方で、現在導入している施策については 、「週休3日制度(11.8%)」が3年連続で最下位となった。また、週休3日制度導入の課題は「人手不足(46.1%)」が最多で前年よりも増加している。導入したい制度として「週休3日制」は3年連続トップだが、実際の導入割合は変わらず低く、その背景として「人手不足」があることが推察される。
さらに、週休3日制度の導入有無別に副業・兼業社員の受け入れ状況をみると、週休3日制度を導入している企業の約9割が「副業・兼業社員を受け入れている」と回答。未導入企業と比べると、約20ptの差があった。副業・兼業を受け入れている企業は週休3日制度も導入している割合が高いようだ。【図3、4、5】
【図3】従業員向け施策について(上位抜粋)※回答数1,600
【図4】週休3日制度導入への課題(複数回答/上位抜粋)※回答数1,600
【図5】週休3日制度導入有無別の副業・兼業制度割合
直近1年間に男性育休取得の実績がある割合は61.4%で、前年の57.4%から4.0pt増加した。今後1年間で男性育休が取得可能になる見込みの企業は74.0%で、今後取得はさらに進むと見込まれる。しかし、育休取得率で最も高かったのは前年に引き続き「1割(男性育休取得権利がある男性のうち1割は取得できた)」。取得実績のある企業は増加しているものの、社内で一部の人が取得できている制度であることは変わっていないようだ。企業の男性育休取得推進への課題では、「取得希望者が少ない(51.2%)」がもっとも多く、「代替要員の確保(46.0%)」が続いた。男性育休は女性の産育休と比較して期間が短い傾向にあり、代替要員の確保が難しいという課題点もある。厚生労働省は2024年度から、育休取得者の業務を代替する社員に手当てを出す中小企業に対し、助成金を増額するなどの支援を行っているが、代替要員の確保が出来ない、職場の理解を得られないという背景が、男性育休取得推進のハードルになっていると予想される。【図6、7】
【図6】直近1年間/今後1年間の育休取得権利がある男性のうち、育休を取得できた/できそうな割合
【図7】男性育休取得推進への課題(複数回答)※回答数1600
【担当者コメント】
今回は企業による多様な働き方の実現について、「副業・兼業」、「週休3日制度」、「男性育休」をピックアップました。特に副業・兼業については、副業社員の受け入れ企業の割合が前年から大幅に増加したことにより、今後副業を行う人がさらに増えていきそうです。週休3日制は、現状導入率は増加していませんが、副業・兼業制度を導入する企業の増加と合わせて導入が進んでいく可能性も考えられます。男性育休の取得も徐々に増えていますが、取得できる人が一部であることは変わっていません。育休期間に業務を引き継ぐ人材として、副業社員をはじめ短時間正社員やフルリモート正社員など、従来の形にとらわれずに柔軟に雇用を行うことで、多様な働き方が実現できると考えられます。こうした取り組みが人材不足の解消にもつながっていくのではないでしょうか。
キャリアリサーチラボ研究員 朝比奈あかり
【調査概要】「企業による多様な働き方実現に関するレポート(2023年)」
○調査期間/2023年7月12日(水)~7月18日(火)※中途採用実態調査と同時に実施
○調査方法/インターネット調査
○調査対象/2023年1~7月に中途採用業務を担当し、募集活動をしており、採用費用の管理・運用に携わっている人事担当者
○調査機関:株式会社マイナビ(アンケートモニター提供元:外部調査会社)
○有効回答数/1,600件
※調査結果は、端数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります。
※n=30以下は参考値としております。
※調査結果の詳細は会社HPのニュースリリース(https://www.mynavi.jp/news/)からご確認いただけます
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2023年1~7月に中途採用を行った企業の人事担当者を対象に実施した「企業による多様な働き方実現に関するレポート(2023年)」の結果を発表しました。
《TOPICS》
副業・兼業人材を受け入れている企業は65.2%と前年比+18.8ptで大幅に増加。副業・兼業制度がある企業も70.8%と3年連続の増加【図1、2】
今後導入したい施策では「週休3日制度」が13.5%で最多。導入課題では「人手不足」が最も多く、副業・兼業をはじめとする多様な雇用制度の導入が解決への糸口か【図3、4、5】
男性育休取得の実績がある割合は61.4%で、前年の57.4%から4.0pt増加するも、実際の取得率は1割が最多となり、取得割合には懸念が残る【図6、7】
調査概要
中途採用を実施した企業が副業・兼業人材を受け入れている割合は、65.2%で前年比+18.8ptとなり、大幅に増加した。また、従業員の副業・兼業を認可する制度がある企業は70.6%(前年比+1.9pt)と、3年連続で増加。前年までは副業人材を受け入れている企業が46.4%、認可する制度がある企業が68.7%で22.3ptの大きな差があったが、今年は受け入れる企業が増加し、その差が5.4ptまで縮まった。人手不足解消などのために今後も副業の受け入れ企業が増加すると予測される。副業・兼業を認可する制度の導入理由は「従業員エンゲージメントを高めるため(37.3%)」が最多で、単に収入の補填だけではなく、従業員の満足度やモチベーションを向上させる制度と認識したうえで導入しているようだ。【図1、2】
【図1】副業・兼業の導入割合
【図2】副業・兼業制度を導入した理由(複数回答/上位抜粋)
今はしていないが導入したい施策について「週休3日制度(13.5%)」が3年連続で1位。一方で、現在導入している施策については 、「週休3日制度(11.8%)」が3年連続で最下位となった。また、週休3日制度導入の課題は「人手不足(46.1%)」が最多で前年よりも増加している。導入したい制度として「週休3日制」は3年連続トップだが、実際の導入割合は変わらず低く、その背景として「人手不足」があることが推察される。
さらに、週休3日制度の導入有無別に副業・兼業社員の受け入れ状況をみると、週休3日制度を導入している企業の約9割が「副業・兼業社員を受け入れている」と回答。未導入企業と比べると、約20ptの差があった。副業・兼業を受け入れている企業は週休3日制度も導入している割合が高いようだ。【図3、4、5】
【図3】従業員向け施策について(上位抜粋)※回答数1,600
【図4】週休3日制度導入への課題(複数回答/上位抜粋)※回答数1,600
【図5】週休3日制度導入有無別の副業・兼業制度割合
直近1年間に男性育休取得の実績がある割合は61.4%で、前年の57.4%から4.0pt増加した。今後1年間で男性育休が取得可能になる見込みの企業は74.0%で、今後取得はさらに進むと見込まれる。しかし、育休取得率で最も高かったのは前年に引き続き「1割(男性育休取得権利がある男性のうち1割は取得できた)」。取得実績のある企業は増加しているものの、社内で一部の人が取得できている制度であることは変わっていないようだ。企業の男性育休取得推進への課題では、「取得希望者が少ない(51.2%)」がもっとも多く、「代替要員の確保(46.0%)」が続いた。男性育休は女性の産育休と比較して期間が短い傾向にあり、代替要員の確保が難しいという課題点もある。厚生労働省は2024年度から、育休取得者の業務を代替する社員に手当てを出す中小企業に対し、助成金を増額するなどの支援を行っているが、代替要員の確保が出来ない、職場の理解を得られないという背景が、男性育休取得推進のハードルになっていると予想される。【図6、7】
【図6】直近1年間/今後1年間の育休取得権利がある男性のうち、育休を取得できた/できそうな割合
【図7】男性育休取得推進への課題(複数回答)※回答数1600
【担当者コメント】
今回は企業による多様な働き方の実現について、「副業・兼業」、「週休3日制度」、「男性育休」をピックアップました。特に副業・兼業については、副業社員の受け入れ企業の割合が前年から大幅に増加したことにより、今後副業を行う人がさらに増えていきそうです。週休3日制は、現状導入率は増加していませんが、副業・兼業制度を導入する企業の増加と合わせて導入が進んでいく可能性も考えられます。男性育休の取得も徐々に増えていますが、取得できる人が一部であることは変わっていません。育休期間に業務を引き継ぐ人材として、副業社員をはじめ短時間正社員やフルリモート正社員など、従来の形にとらわれずに柔軟に雇用を行うことで、多様な働き方が実現できると考えられます。こうした取り組みが人材不足の解消にもつながっていくのではないでしょうか。
キャリアリサーチラボ研究員 朝比奈あかり
【調査概要】「企業による多様な働き方実現に関するレポート(2023年)」
○調査期間/2023年7月12日(水)~7月18日(火)※中途採用実態調査と同時に実施
○調査方法/インターネット調査
○調査対象/2023年1~7月に中途採用業務を担当し、募集活動をしており、採用費用の管理・運用に携わっている人事担当者
○調査機関:株式会社マイナビ(アンケートモニター提供元:外部調査会社)
○有効回答数/1,600件
※調査結果は、端数四捨五入の関係で合計が100%にならない場合があります。
※n=30以下は参考値としております。
※調査結果の詳細は会社HPのニュースリリース(https://www.mynavi.jp/news/)からご確認いただけます
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