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- +灯油残量が見守り機能に
奈良県野迫川村(以下、野迫川村)とゼロスペック株式会社(以下、ゼロスペック)は、9月に「ライフラインとしての灯油供給の安定化による見守りプラス事業」の契約を締結。地域の高齢化や人口減少が進むなか、最新のIoT技術を活用し、効率的な灯油配送と地域見守りを実現する取り組みを進めています。
野迫川村ってどんなところ?
大自然に囲まれた奈良県南西部に位置する野迫川村は高齢化や人口減少が進んでおり、高齢化率が50%に達した人口327人の「日本一人口の少ない村」です(9月30日時点、離島を除く)。
インフラ維持が大きな課題となるなかで、村唯一のガソリンスタンドが廃業する意向を示しています。そのため、村を中心とした一般社団法人のせ川くれよんがガソリンスタンドの運営を行っているそうです。
「GoNOW」の導入で灯油の配送効率化を目指す
今回の取り組みは、ゼロスペックの提供する自動配送管理システム「GoNOW」を野迫川村に導入し、ガソリンスタンドにおける効率的な灯油配送を実現するものだといいます。
全世帯の灯油タンクに「スマートオイルセンサー」と呼ばれる計測装置を設置することで、運営者が「GoNOW」を使って遠隔から灯油の残量を監視できるようになるそうです。
システムの利用で灯油の補充が必要なタイミングを正確に把握し、最適な配送時期やルートを提案することによって、配送効率の向上が期待されているとのこと。
配送回数を削減することで、労働人口の減少やCO2削減といった社会的課題の解決にも貢献できるそうです。
スマートオイルセンサーの設置は11月中頃から希望者から順次開始していく見込みで、12月をめどに「GoNOW」の活用を始める予定です。
灯油残量が見守り機能に
システム導入を通じて、効率的な配送業務の実現だけでなく、地域住民の生活状況を把握する「見守り機能」としての活用も目指すそうです。
各家庭の灯油使用状況をセンサー経由で遠隔確認することで、住民が灯油切れを起こすことなく、安心して生活できる環境を整備することができるようになるといいます。
また、プライバシーを守りながら地域住民を見守るこの仕組みは、過疎地における新たな共生モデルの一例になりえるとのこと。
野迫川村の担当者は、「過疎地の人口減少によるインフラ維持に関する課題解決と、住民の安心を支える新しい灯油供給の形が実現されることを目指す」と話しました。
<参照>
日本一人口の少ない村が挑む「未来の灯油配送」プロジェクト始動
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