HOMECareer Runners 「明日の仕事が楽しみになる」 ものづくり企業の社員が語る“小さな達成感”のヒミツ【後編】

「明日の仕事が楽しみになる」 ものづくり企業の社員が語る“小さな達成感”のヒミツ【後編】

川上良樹

2024/10/10(最終更新日:2024/10/10)


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「気付けば、仕事に行かなくて良い理由ばかりを探す自分がいる」

仕事にやりがいが見出せず、消費していくような毎日。会社へ向かう足取りが重くなっている自分にも、なんだか嫌気が差してしまいます。

そんな“明日の仕事が憂うつすぎる”人を作らないため、独自制度を開発し社員のモチベーションを高め続けているのが、菊川工業株式会社です。とくに、社内でオリジナルの資格を作成・取得ができる「社内資格制度」が人気を博しているといいます。

後編では、引き続き広報チームの渡邉さんにインタビュー。大変な状況をなんとか乗り越えてきたというエピソードや、いますぐ実践可能な“明日の仕事が楽しみになる”方法をお聞きしています。

前編はこちら「この資格を作ったの、私です」老舗企業の若手社員が前向きに働き続ける理由とは【前編】

      インタビュイープロフィール

      渡邉 瑞貴さん
      入社5年目
      菊川工業株式会社 総務部 広報チーム

ものづくりの“過程”にある魅力を追い求めて

ーーー渡邉さんは、どのような経緯で菊川工業に入社されたのでしょうか?

渡邉:ものづくりの“過程”に力を入れている会社だなと思い、共感したのがきっかけです。

私は子どもの頃から工作やリフォームなど、ものが作られていく様子を見るのが大好きだったんです。そのため、根っからの文系でも、ものづくりに関われる仕事はないかと思いながら就活をしていました。

そのようななかで参加したのが、菊川工業が開催していた工場見学です。完成品にフォーカスするのではなく、作られていく過程を重視する姿勢に感動したことをよく覚えています。

ただ、入社の決め手になったのは、当時いろいろな話を聞かせてくれた社員の方だったかもしれません。穏やかながらも秘めた情熱をもっていることが雰囲気から伝わり、そんな人がいる会社で働きたいと思うようになりました。

ーーー新卒で入社されてからは、どのようなことをしていたのでしょうか?

渡邉:1人ひとりの裁量が大きい菊川工業は、若いうちからメイン業務に携わる機会が多いんです。総務部の広報チームに配属された私も、入社して1週間程度で会社のホームページを更新する業務を任されました。

ただ、文系出身だった私は、ものづくり企業ならではの試練を受けることに……。HPに施工事例を掲載するべく社内担当者に取材したものの、飛び交う専門用語のすべてが理解できなかったんです。

参考になるはずの図面を渡されても、当時の私からすれば暗号にしか見えませんでした。

大きなやりがいは努力の先に

ーーー当時は、大変な状況をどのようにして乗り越えたのでしょうか?

渡邉:とにかく、わからないことを1つひとつ調べて解決していくしかありませんでした。新しい知識を吸収するつもりで積極的に現場の方の話を聞くようにしていたら、いつの間にか必要な知識が身に付いていたように感じます。

入社当時のことを思い出すと、あまりにも何も知らない状態すぎて、もはやプレッシャーすら感じられていなかったかもしれません。

むしろ5年目を迎えて責任も伴ってきた現在の方が、1つの記事を出すときに「反応はどうだろう」「誤解を招く表現はないだろうか」など、さまざまなことを考えてしまい大変です(笑)。

ーーーいまの仕事をしていて、やりがいを感じられることがあれば教えてください。

渡邉:広報チームの一員として、会社の魅力を最前線で感じ取れることです。

社員に施工事例のインタビューをすると、大変だったエピソードなどをたくさん聞けるんですよね。同じ建物を眺めていても「あの苦労を乗り越えて完成したものなんだ」と、ものづくりの過程を感じ取れることには、大きなやりがいを感じています。

「今日はこれができた!」そんな毎日を積み重ねよう

ーーー入社してからこれまでを振り返り、前向きに働き続けられた理由にはどのようなことがあると思いますか?

渡邉:私が今日まで前向きに頑張れたのは「小さな達成感」を見つけながら仕事ができたおかげです。

その日どれだけ失敗したとしても、または成果と呼べるものを出せなかったとしても、小さな達成感を見つけてあげれば、自分を「今日はこれができたじゃん!」と褒めてあげられるようになります。

ーーー渡邉さんにとっての「小さな達成感」とはどのようなものなのでしょうか?

渡邉:会議で必要な資料がいつもより早く作れたとか、製品PRのための良い表現を思いついたとか、自分だけが感じる本当に小さなことに達成感を覚えています。

どうしてもやる気が出なかった1日でも「最低限やるべきことはできたよね」など、常にポジティブな発想で自分を褒め続けています。

成果を出すことにこだわってしまうと「今日は何もできていない……」と落ち込んでしまうばかりですよね。自分を褒めるポイントを毎日少しずつ発見していけば、日々の仕事がどんどん前向きになるはずです。

ーーー最後に、これからも積極的にチャレンジを続けていくであろう渡邉さんの今後の目標を教えてください。

渡邉:もっともっと、全ての関わった人に頼られる存在になることです。最近は社内から「渡邉さんだからこの仕事を頼みたい」と言われることが増えてきて、そのたびに嬉しい気持ちで胸がいっぱいになります。

ただ、信頼をもっと積み上げていくためには、まだまだ自分のスキルを磨いていかなければなりません。これからも私は、毎日のなかで「小さな達成感」を探し続け、明日の仕事を楽しみにしていきたいと思っています。

菊川工業株式会社

菊川工業株式会社は、金属工事をはじめとする装飾建材の設計・製造・施工を手掛ける企業。東京都墨田区菊川へ本社を置く。

東京スカイツリー展望回廊や、ブルームバーグ欧州新本社ビル、お台場にあるフジテレビの球体展望台など、多数の先進的な建築物の金属製内外装工事を手掛けた実績がある。

難易度の高い形状・加工を実現する技術力は、国内外から高い評価を得ているという。老舗企業でありながら「社内資格制度」などのオリジナル制度を多数打ち出し、社員のモチベーションアップにつなげている。

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