株式会社アイシン(以下、アイシン)が開発した物流最適化サービス「BRIDGES@ny(ブリッジスエニー)」が、トヨタ自動車株式会社(以下トヨタ)の「引き取り物流」に9月1日から採用されました。
トラックドライバー不足やカーボンニュートラルへの貢献が期待されているという「引き取り物流」。その仕組みをサポートする「BRIDGES@ny」の特徴について紹介します。
人にやさしい物流の構築を目指す
これまでのトラック配送は、ドライバーに電話で現在位置を確認したり、経験者の勘とコツで配送計画を策定したりするなど、アナログな管理方法が主流だったといい、業務効率が悪いと言わざるを得ない実情がありました。
アイシンは、これらの改善に必要なのは配送の進捗が「見える化」されることだと考えたそうです。それを実現し、トラック配送を効率化する有効な手段として開発されたのが、物流最適化サービス「BRIDGES@ny」。
「人にやさしい物流の構築」をコンセプトにしたという「BRIDGES@ny」は、カーナビゲーションシステムの開発などで培ってきた技術をもとに、輸送における配送計画(経路)作成、動態管理、ドライバー運転支援などを行うことが可能だといいます。
同システムの特徴として、トラックの規制情報を考慮した経路設定で安全かつ適切な走行をサポートすることや、トラック運送に特化した到着予定時刻の算出で、高精度の計画作成をサポートし無駄な待ち時間を削減することなど、出発から到着まで一気通貫でサポート可能であることを挙げています。
トヨタの「引き取り物流」採用にあたっては、新たに遅延リスクの検知や管理者への通知、ドライバーへの安全メッセージ発話機能などを開発。例えば、危険地点通過前にドライバーへ音声による注意喚起を行うなど、的確な対処や安全意識向上につなげていくとのこと。
「引き取り物流」とは?
「引き取り物流」とは、発注した品物をサプライヤーの在庫拠点へ自分で取りに行くという方法のことです。
前述の通り、トラックドライバー不足への対応やドライバーの作業負担、また環境負荷の軽減を目的としており、トヨタでは2016年に九州地域において「引き取り物流」を開始、順次拡大してきたとのこと。
その結果、導入により輸送の効率化やCO2排出量削減を実現してきたといいます。
「BRIDGES@ny」に蓄積する運行実績データは、トヨタが持つ物流システムに連携させ、荷役・走行・荷待ち時間を把握・分析し、その解消につなげていくとしています。
<参照>
物流最適化サービス「BRIDGES@ny」、トヨタの「引き取り物流」に採用
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